“職業カリスマ”YouTuberヒカルの面白さを語ろう。
ここ最近で最も驚きをくれた、YouTuberであり実業家である、ヒカルさんについて語る。
ご存知の方も多いでしょう。登録者数417万人を有するトップYouTuberの1人です。
恥ずかしながら、私が初めてちゃんと見たのはついこの間。新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛になった4月のこと。
暇なので軽く勉強でもしたろうと開いた中田敦彦のYouTube大学。そこにヒカルさんが出ていて、チャンネルを開いたのがきっかけ。
それまでは、旅とアウトドアが好きで毎週末外にいた私は、動画というものに触れる機会があまりなかった。YouTubeは利用してたし、ヒカルさんも存在は知っていたけどね。
それどころか、今思えば ”YouTuber” に対して少し偏見があって。くだらないことに時間とお金と労力を費やしてるイメージが強かったし、そんなもの見るのは時間の無駄だと思ってた。もっと社会のためになることやってほしいぐらいに思ってた。
そんな私が、ヒカルさんのある一連の動画を見て、衝撃を受けた。
彼は、個人で、その辺の企業よりも大きく、社会を動かしていた。しかも、物凄いスピード感と壮大さで。
気づいたら、約1,500本、ほぼすべての動画を遡ってしまった。
その影響力と企画力のルーツを知りたくて。
終いにはもう、目が離せなくなっていた・・・
この人は、次は何をやってくれるんだろうか?という期待感で。
YouTubeに興味がない人こそ、見て欲しい。
そして、将来、社会に影響を与える大きな仕事がしたいと思っている学生や社会人におすすめしたい。
個人でここまでできる時代になっているのだと。
YouTubeというのは手段に過ぎないのだと。
自分ももっと頑張らなきゃと。
きっと驚きとわくわくに満ちているはず。
衝撃を受けた一連の動画
そんな、私が衝撃を受けた動画とは、宮迫さんとロコンドのシリーズ。
闇営業問題で吉本興業と揉めて契約を解除され、一切見なくなってしまった雨上がり決死隊の宮迫さん。反省期間を終えて、YouTubeで再起をかけようとしていた。それを手助けしたのがヒカルさんだった。
「実力がある人と会いたかった」だけだと言って、吉本が怖くて近づきにくい宮迫さんと先陣きってコラボして。宮迫さんが言いにくいことを言いやすい環境を整え、再起しやすいような道を作ってあげていた。
大企業で働くただの会社員の私からすると、誰に忖度することなく、自分のやりたいようにやる、その姿がとても眩しく映った。これがYouTuberか・・・
宮迫さんとの動画はそれだけでは終わらず、ヒカルさんの革命が始まる。
自分の立ち上げたファッションブランド『ReZARD』を提げて、「靴を一緒に作りましょう」と上場企業のロコンドに乗り込み「靴が売り切れたらテレビCMに自分を使ってくれ」と営業をかける。
そんな挑戦的な交渉をすることだけでもすごいことなんだけど。さらに、そのCMに、テレビNGが出ている宮迫さんを指名するあたりがエンターテイナーである。大企業の圧力に逆らって、個人の力でそんな無茶を実現するなんて、面白くないはずがない!!
ここでヒカルさんのすごいところは、類稀なる企画力と交渉力で、社長がYESと言わざるをえない状況を作り上げ、視聴者が興奮するような展開を作り、実現させていくところ。最強の営業であり、企画者であり、広報であり、演者である。1人で何役をこなすんだ。
一歩間違えれば「自分のブランドの靴作るから買ってくれ」という、ただの宣伝動画になりかねないところを、完全に超えてしまった・・・
この動画を見て、ただ純粋に、私たち視聴者はこの後の展開を期待し、応援として、靴を買う。ヒカルさんなら実現してくれるのではないか?実現したら面白いことになるぞ!と。
もちろん、ブランドのコンセプトがよいというのが前提だけれど。(ReZARDのコンセプトは「ハイブランドと同じ着心地の服をハイブランドよりも圧倒的に安く」であり、デザインは二の次で、質の良いものを安く買いたい人に刺さり、人気を博している。)
なんていう策士!これはもう、気持ちよく、操り人形のように踊らされてやろうと思わせる凄みがある。
そして、予想通り、大大大成功を収めていく。
次の日の動画の初めに、売上進捗を報告し、本編で商品紹介と記者発表。
視聴者の期待通り、サーバーはダウンしソールドアウト間違いなしという結果だった。リアルタイムに報告することで、視聴者を置き去りにせず、期待に応え、ワクワクをくれる。
そこから物凄いスピード感で、CMが決定し、撮影が始まり、紆余曲折あったものの無事CMの地上波放送も決まる。ゴールデンの人気番組の時間帯に一発目のCMが流れることになり、そこに合わせてYouTubeで生配信し、ヒカルさんと宮迫さんが視聴者と一緒にテレビを見る。流れた時に、Twitterで「#おかえり宮迫さん」で盛りあがる・・・
何も知らない人からすれば、ただヒカルさんのブランドが企業とコラボして新しく靴を販売して、テレビCMを作っただけである。
しかし、視聴者からすれば、もはや、この一連の流れは、お祭り状態だ。
新型コロナウイルスで自粛ストレスがたまる視聴者にエンターテイメントを提供。靴を販売することで靴業界と工場を救い、冷え切った経済をまわす。業界に干され、圧力がかかっている宮迫さんを、個人の力で復活させる。普段は嫌いで飛ばしてしまう”CM”を、テレビをつける目的に変えて、テレビの視聴率を上げる。ロコンドの売上増加に寄与して株価を20億と爆騰させる。ヒカルさん自身も動画で稼ぎ、ブランド売上10億を達成し、さらに実績と影響力をつける。
視聴者、靴業界、経済、宮迫さん、ロコンド、テレビ業界、ヒカルさん、全員が嬉しい結果になったと。
これを自分とさほど歳の変わらない、20代の1人の若者が個人の力でやってのけるわけです。信じられる?
YouTubeはヒカルさんにとって自分の夢を達成するためのただの手段だ。面白い動画を作るのではなく、面白いことをやるために動画を作ってるのだ。”YouTuber”の枠なんて、とっくに超えていた。ちょっとした偏見を持っていた自分が恥ずかしくなった。
それと同時に、新しい大陸を見つけてしまったかのような驚きとわくわくが自分の中を走り抜けていくのを感じた。
その影響力はどこから?
そうなると、なんでこんなに影響力があるんだろうって気になるよね?この人はどんなことを考えて、どんなことをやってきて、今に至るんだろう?・・・って。
ここで気になってしまったらね、いてもたってもいられない!約1,500本の動画を、古いものから徹底的にあさっていくことになる。
そして気づく。
なんて漫画の主人公みたいな人なんだろう・・・
高卒で工場で働いて「こんなところでは終われない」と起業し、YouTubeに辿り着き、仲間を作り、史上最速で登録者数200万を達成し、トップ目指して駆け上がる。しかし、絶好調の最中、史上最大の大炎上を起こし、活動休止に追い込まれる。仲間も失い、再起不能と言われる中、2年という月日をかけて努力の大復活。再び個人として日本最大級の影響力を持って、YouTubeの枠を超えた革命を起こし始めている。
常に未来を見据えて大きなビジョンを語る。「YouTubeで日本一になるぞ」と。ビッグマウスと嘲笑されながらも、一つ一つ夢を実現して見せて、ついには誰もが「ヒカルならやってくれるかもしれない・・・」と期待し始めた。
いつの間にか、ヒカルさんの夢が、関わった人の夢にもなって、強力な仲間になっている。ヒカルさんのCMをどうにか放映するためにテレビ局を駆け回った、ロコンドの社長のように。
仲間を大切にし、いざという時に救いの手を差し伸べる。
・・・お気づきだろうか?
ワンピースのルフィも、キングダムの信も、NARUTOも、同じ構図である。
漫画みたいなことを、リアルタイムで、ノンフィクションでやっている。
動画1つ1つがコンテンツなだけでなく、ヒカルさんの人生そのものが、1つの大きなドキュメンタリーなのだ。それに気づいたら、もう次はどんな展開が待っているんだと気になって仕方ない。全く内容に興味のない動画でさえも彼の人生を構成する要素として興味が湧いてくる。だってそこに伏線があるかもしれないじゃない?見逃したくなくて、見てしまうのだ。
”漫画みたいな人生”は意図的か?
意図的かどうかはわからないが、「漫画みたい」そう感じてしまうのも、ヒカルさん自身が実家に漫画の図書館を作ってしまうほどの、大の漫画好きだからではないかと思う。
視聴者の喜ぶ、興奮する展開がわかっているのだ、きっと。
友情、努力、勝利。現実の世の中は、漫画ほど甘くはない。「大炎上がなければね・・・」そう思う人も多いかもしれない。いまだにヒカルさんに悪いイメージを持っている人は少なくない。
でも、漫画は大きな壁があるほど面白い。あの炎上があったから今のヒカルさんがいる。大復活の背景には、地道な努力と戦略がある。自分を信じ夢を実現するため何があっても諦めず足掻いてきたところを見ているから、巨大で強靭なファン基盤を築けたのだ。炎上が無かったら、今ほど熱いファンはいなかったかもしれない。
きっともっとすごい人が世の中にはたくさんいるのだろう。
しかし、心の底からすごいなって思う人に出会えた時に、どんな人なんだろうと気になるけど、ほとんどの場合、そこまで深く知ることができないことが多い。Twitterやネット記事で、思考回路の一部は知ることができても、人生全てを公開してる人は少ない。
そこが、ヒカルさんは違う。
人生そのものがコンテンツになっている。
成功や嬉しいことを共有することはもちろん、失敗や辛いことも動画にして視聴者と共有することで「痛みが薄れる」と言って公開する。自分のやりたいことや実現するための戦略も惜しげもなく語る。死ぬ瞬間までも、動画に残したいと言ってるくらいだ。
何かを成し遂げて、自伝を残している人は多いけど、それはすでに過去のことだったりする。YouTubeを使うことで、リアルタイムに知ることができ、応援もできるという双方向性がある。
これが、歴史的な革命に、漫画の中に、自分が参加してるかのような没入感と興奮を生む。
こうしたドキュメンタリーとしてのヒカルさんの面白さに気づいた人たちは、「次は何をしてくれるんだろう?」という期待いっぱいで、今日も彼の動画をクリックする。
まるで漫画の1ページを開くかのように。
最後に
ファンベースという考え方がある。
コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之さんが提唱する、ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や価値を上げていく考え方である。アイドルとかだけでなく、企業としても重要視されている戦略だ。
意図してか、意図せずしてか、ヒカルさんがここに書かれたことを実際に行なっていることに驚く。ああ、だから、これだけのファンを魅了し維持できるのかと、より詳しくわかるので、影響力の源泉が気になる人は読んでから動画を見てみるとよい。
こんなにも、熱く生きて、人生をかけて発信している人はいない。その影響力はここに証明された。今後、今まで以上に、社会をより良くするためにその力を使ってくれて、その一部始終を動画で見て応援することができるならば、ファンとしてそれほど誇らしいことはない。
もちろん、ヒカルさん自身がわくわくすることをやるのが大前提で。