「ジョルジャ・メローニのフランスに関する主張をファクトチェック」BBC 2022/11/23
【記事の要約】
イタリア新首相の右派ジョルジャ・メローニ氏は、フランスに対して、「植民地通貨」であるCFAフランの使用国が外貨準備高の50%をフランスに預ける規則は、フランスが輸出の半分を儲け、貧困と移民を生み出す仕組みだと発言する動画がSNSで拡散されている。しかし、この発言は就任前の2019年のものだ。加えて、制度はその後改革され、外貨準備率が緩和され、預け先が西アフリカ諸国中央銀行に変更された。CFAフランにより、コロナウイルス対策の政策が制限されるものの、この通貨を使う国はインフレ率が低く、使用していない国と比較しても長期的なGDP成長率は同等である。
【私の考え】
まず思い浮かぶCFAフランの問題点は、ユーロと固定レートで交換できるという特徴から、通貨の価値がフランスによって規定されるということである。しかし、記事を読むと、CFAフランは貧困を生み出しヨーロッパへの移民を増加させる程の悪影響を持つシステムでない。また、外貨準備金と貿易額の意味は違うため、この50%はそのままフランスの利益になるものではない。このような首相就任以前の発言を、現在のもののように思わせることは大勢の考えを誤らせるため、発言の内容とその発言の背景をファクトチェックすることは重要である。