こどものころ②

3歳年上の姉がいる。
幼少期の私は、とにかく姉に憧れていた。
器用でまじめ、努力してるから頭も良い。
そして、しっかり者。
こんな姉の背中を見ていたので、
小学校の入学はワクワクしていた、と思う。

友達はすぐにできた。
仲良しグループ、ができた。
3人組。
絶対的リーダーSちゃん。
Sちゃんの家のご近所で、お金持ちのTちゃん。
団地住まいの私。

Sちゃんは本当にリーダー気質。
大人になった今だからわかるけど、
自分の思う通りに事を進める子だった。
そして、自分が一番じゃないと嫌な子だった。
私が今日は家族で買い物に行くから遊べない、
と言うと、
「なんで?」と言われ
「よく買い物に出かけててお金持ちだね」
と言われる。
我が家はまったく金持ちではない。
子どもでもわかる。
家は団地だし、着てるものも新しくない。
Sちゃんの家庭は私たちが小1の時点で、
6年生のお兄ちゃんと中学生のお姉ちゃん、
お父さんは大手企業に勤めてて、
お母さんは夜勤の仕事をしていた。
家族で出かけられる環境が、
シンプルに羨ましかったんだと思う。

遊ぼう、帰ろう、こんな遊びをしよう、
全部Sちゃんが決めた。
でも、その遊びはとても楽しかった。
きっと、そういう才能がある子だった。
たまに提案を求められた。
でもSちゃんのようにできる自信がなかった。
提案したけど、バッサリ却下されたこともあっただろう。
その時の気持ちは、
「なんでそんなこと言うの?」
という純粋なものではなかった。
自分の才能の無さにがっかりし、
Sちゃんのすごさに劣等感を覚えるだけだった。
私はどんどんSちゃんの言いなりのようになっていく。
SちゃんはTちゃんにも同じような接し方だったと思う。
ただ多分、なんというか、私の方がチョロいと言うか。
Tちゃんの圧倒的なお金持ち環境にはやっぱり口出しできなくて、私の方が下だ、と子どもながらに感じていたのだろう。


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