ノイジー😵‍💫　VisualSnowSyndromeの話

ごあいさつ
”👒@VisualSnow体験談かきおき“の名の通り、この症候群の当事者が自らの言葉で自らの症状およびロービジョンエイド/ケアについて書き綴る事を目的としたnoteです。

必ずお読みください

あくまで個人の体験を記したnoteです。

この記事に辿り着かれた方の中には既にVisualSnow症候群（以下VSS）と診断された方、自分はVSSなのではないかと疑っておられる方、またこの記事でVSSなる名前を初めてお知りになられた方などなど様々かと思います。

ですが私は当事者であって専門家ではありませんので、記事の内容は医療に代わるものではありません。記事にある症状とご自身の症状がどれだけ似ているとお感じになられても、自分もVSSなのだと自己診断されるのは危険です。
別の病気であった場合とても責任を負えません。

ご自身の眼や見え方に違和感がある場合には、然るべき医療機関を受診なさって下さい。

記事の中にはロービジョンエイド/ケアに関するものが出てきますが、これらも見え方の改善をお約束するものではありません。

※この記事にはVSSの見え方を再現したGIF画像が含まれます

VSSの患者さんが目にした場合ノイズ掛けノイズで症状が悪化したように感じられたり、気分が悪くなる可能性があります。
光の点滅と併せてご注意下さい。

VSSとは何か

長年未解明な部分の多い症状です。
原因/治療法どころか、疾患なのかすら明言は避けられているようです。
ただ、眼の疾患ではなく神経の疾患でありそうだ。という考えはよく聞かれます。
いくつかのデータをつなぎ合わせてVSSへの解像度をあげていくのが現状だと思われます。
ちなみに、

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)と付録に掲載されている診断基準によりますと、全視野の降雪視に加え、光過敏/残像(視覚保続)/増強された内視現象/夜間視力障害が3ヶ月以上持続する、もの。

片頭痛、耳鳴り、不安、うつ、を併発する。

当事者としてこの基準は納得するところばかりです。

情報（リンク）

ビジュアルスノウ広報｜最新情報

目の中に荒れ狂う“砂嵐”が…五輪メダリスト・水谷隼が明かした「目の異変」の正体（現代ビジネス編集部） @gendai_biz

VSSの見え方

一口にVSSの見え方といいましても症状には個人差があります。
便宜上、私自身の見え方を基に記しますことをご了承下さい。

この為に急遽習得したGIFアニメーションの技術で、自分に見えている視界に近い画像を作ってみました。

一般的にヴィジュアルスノー/小雪症候群/雪視症/降雪視/視界砂嵐症候群と呼ばれるものですが、私には実物の降雪よりかは降雨の見かけに近く感じられます。
これにより視覚だけの情報では雨天かどうかの判断が難しいです。

雪そのものよりはTV画面の砂嵐(スノーノイズ)からきている名づけでは?と思う今日この頃。この病名を知るより以前に「雪が見える」と言って表現したことはなく「ノイズが見える」とか「光が降っている」だとかで説明しがち。
もし周りに同じ語彙を使って見えにくさを訴える方がいたら、耳を傾けてあげてほしいです。

♢

自分がVSSを発症したのは約14年前のこと、室内でふと壁に目を遣ると無数の半透明な光の粒が線状になって降り注いでいることに気がつきました。

その時は「眼精疲労？かすみ目？」くらいに捉え気にも留めませんでしたが、翌日改めて同じ症状を認めた時、今まで見ていた目の前の景色は現実• •と言うよりも受信環境の悪い機器で再生したかのような、ただの出来の悪い画像• •という感じがしました。
いままで何気なくおこなってきた、ものを見るという行動に自主的な感じがしなくなり自分は何か勝手に、見せられるままに、映像を写像し続けるだけの機械になったようだという、一種の離人的感覚さえあった事を覚えています。

とはいえ最初は何だかこの現象が物珍しくて、目の前を縦横無尽に飛び回るノイズをじっと観察してみました。
ですがその小刻みな振動を見つめていると次第に、車酔いのような気持ち悪さに襲われるので凝視する事はやめておいた方が良さそうなのでした。
ところが視線を逸らしても例の光はその先にまた見えるのです。
ならばと思い、目を瞑っても瞼の裏にまだ見える。
これには少し嫌な予感がしました。

片目ずつ検眼してみると左右の差はないようで、視界の隅々にまでそのノイズは満ち満ちており基本的には上から下へ、自分が頭を傾けると傾けたそちらから対角方向へと流動している。
「なんだ、これは」と。
そこでやっと事の重大さ（これがいかに自分の心身にストレスを与えてくるものかということ。この飛び込みの来訪者には、不安や抑うつ、読字障害、慢性頭痛、不眠という数々の同伴者が居たという訳！）に気づき始めたのでした。

今では、前記したように〈ノイズ〉や〈光〉と言い表すのが一番しっくりきますが、当時は毛細血管を流れていく血液のようにも見えたもので、深刻な病気や失明の可能性を疑い怖かったですし、はたまた自分はとうとう肉眼で光子でも視える特殊能力を手に入れちゃったのか？と、突飛な考えを想起させるくらいには、動揺していました。

そして「翌あくる日にはきっと元通り、クリアな視界に戻っているかもしれないから今日はもう寝よ」と自らを諭し続け、早いもので彼此かれこれ10年ちょっとが経ちました。
1日1分1秒たりとも消えることなく今日こんにちに至っております。

私に視えるVSSは動画状で、明るい所では黒っぽく、暗い所では白っぽい無彩色をしています。目を閉じても瞼の裏側では夜景の方の、白っぽいノイズが続きます。

飛蚊症とVSS

さて、よく混同されるものに飛蚊症があるかと思います。
飛蚊症は眼球の硝子体に濁りが生じ、その影が網膜に映ることで虫のようなものが見える目の症状です。

私も眼科にかかった際、まずは眼球の状態を明らかにするところから始まりました。
眼底検査をし、年相応の生理的飛蚊症はあるものの網膜剥離などの所見はないことをきちんと確認してもらいました。
これにより眼球ではなく脳の方にVSSを引き起こしている原因がありそうだと仮定されました。

所感を述べますと、飛蚊症は青空や明るい空間で特に目立つとされ、暗がりでは不明瞭になりますが、VSSは関係なく発現し光がない暗所でも目立ちます。濃淡具合は光の条件よりも体調により左右しているようです。
飛蚊症は視界にポツポツと現れたそれが硝子体の傾きに則り、視線を動かした方を追って比較的ゆったりと動きますが、VSSは視界全体に満遍なく現れており、目の動きとは関係ない周期運動をしています。その動きはとても疾いものです。

かたや硝子体の濁りが原因の飛蚊症*と、かたや原因が解明されていないとはいえ硝子体にはないと分かってきたVSSではこのような違いがあるわけですね。

視界に異物を認めると、まず真っ先に眼球や網膜を訝りいぶかがちではありませんか。
けれど、ものを見るという働きをするのは眼球だけではないのですものね。
視神経、視覚野、視路など脳側の器官も深く関わりあい、連携してものが見えているということです。
ゆえに昨今ではVSSは神経疾患説がよく議題にのぼるのですね。

飛蚊症とVSS、保有者と非保有者、患者と医師、眼科医と神経科医それぞれがこの話題を混同することなく話が出来るくらいには未来に認識が広まれば安心だと思うのです。

私は両方あります。その場合、双方が重なって見えます。

*ここでは原因が生理的な飛蚊症を指す
飛蚊症の中には網膜剥離や網膜裂孔などその他の疾患が原因で起こるものもある

見え辛さで困る事

✔︎ ノイズと羞明を認め、ものの輪郭及び距離感がつかめない。
いつも物を落としたり、ぶつけたり、青あざが絶えない身体。
このため運転操作等は回避する生活。

✔︎ 混み入った場面や、規則正しいタイリング、ノイズエフェクト/グリッチを効かせた画面を見ると盛大にモアレが起こる。
この時の頭痛と吐き気は凄まじい。発作が起きそう。
目もさる事ながら、脳がパニックを起こす感覚。

✔︎ 文字の読み辛さ。
自分はVSSを発症して、読字障害も同時に発生した模様。
本の虫だったけれど、今では目の痛みと頭痛から熱を出して寝込むことになる始末ゆえ昔ほど食指が動かない。

✔︎ 疲れやすい。疲れやすい。疲れやすい。

吾輩は猫である　夏目漱石　冒頭より

白背景の眩しさ、読字障害に於ける文字の
- 洗浄現象
- 光背現象
- ぼやけ現象
- シェイキー現象　など

VSSによって行間が光って読み辛い感じがお分かりいただけたら。

体験者としての考察

2年前に私にVSSとの診断を下したW先生の考察では、

👤「視覚認知に関わる脳の作用には、電気信号が目から脳に届くまでに色々な処理をする通過点があって、それを何枚ものフィルター(例え話)でイメージしてみてほしい。
人間はそれが働いている為に脳機能の省エネができている。目から入る膨大な情報から脳を守る為に取捨請託をしているのだけれど、VSSの患者さんはそのフィルターが1枚過剰に効いているか、効かなくなっているような状態かもしれないために本来なら排除対象の情報(ノイズ)まで見えてしまっているのではないか」

と。W先生も推測の域だと仰っていたお話ですが、この話を聞いたときハッとしたのはその信憑性云云うんぬんでななく、症状にはその原因の機能が働かなくなった時に現れるものもあれば、働き過ぎたときに現れるものもあるのだということです。

これにより、光過敏性の疾患、アーレン症候群など、光の感受性が高い為に症状が引き起こされている可能性にも目が向きました。

そして、遮光レンズ眼鏡がいま一番の有効な手段であることからも、光、脳の感受性、処理性能、片頭痛との因果関係というのが最大の関心事で動向を注視しているところです。

さいごに

ついVSSをネガティヴイメージ(ノイズ/邪魔/見えない)で語ってしまいがちになるわけも、私はVSSを後天的に発症したからというのが大きいかも知れません。
あの頃の晴れた視界を思い出しては憧憬の眼差し。

余談ですが、夢の中ではVSSの自覚は無いんですよ。夢自体はカラーで見ています。(あくまで私の場合の話です)
さて、どちらにより現実感があるかと聞かれれば、胡蝶の夢ですね。
何故なのかは分かりませんが、……人体って面白いです。

この謎もいつか解明されることを願って。

今回は長文になりました。
目、お疲れではないですか。大丈夫ですか。
お付き合いいただきありがとうございました。

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note はじめたきっかけ　#目の愛護デー｜👒@VisualSnow体験談かきおき｜note

今後追加予定の記事

-光過敏？アーレン症候群？眩しさが辛い
-眼鏡選び（遮光眼鏡）の悲喜交交
-偏頭痛⇄光過敏⇄PNES?
-dyslexiaとは違う？読み辛さ問題
-症状診断から現状対策まで詳しく
-経験則かきおき
-情報あれこれ

この辺りを目処に、かきおきできたらなと。
それ以降の更新は低頻度になる予定ではありますが、新たな論文や情報が世に出た時には積極的に記事にしていきたいと思っています。

眼鏡のスタイリングイラストも手遊てすさびによく描くので記事にまとめる予定です。

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色彩検定UC級資格保有
知的財産管理技能検定3級資格保有

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