第28回忘バワンドロライ「笑う門には福来る」

「笑う門には福来たる」ですよ!
みなさん笑ってますか、コロナ?
コロナと聞くだけでニヤケが止まらない コロナが転んでもおかしい年頃 思い出しコロナ笑い…どうやっても怒りしか沸いてこねーよ!コロナのクソが!!

このお題を聞いたときは、あんなに正反対の二遊簡が笑いポイントはドンピシャ…ってみんな知ってるよなとか優しいヤマちゃんはサンドウィッチマン好きだろうなとか葉流火には「布団がふっとんだ」もむずかしいだろうなとか国都くんって大笑い機能は備わってるのかな?などと、ポケーッと考えてたんですが、そのうちに学校が休校になって「圭ちゃんお菓子食べ放題じゃんやったね」と思ってたら春の甲子園まで中止になって、「さすがに国都くんも動揺するよね監督は膝から崩れ落ちるよねファアアー!!」などと考えてるうちに、リアル世界の方が叫び声を上げながら膝から崩れ落ちていってしまってます。
みなさんお元気ですか?ウマい甘いものばっか食べてませんか?うまうまコーヒー飲みすぎてませんか?何もないのに突然に涙が流れたりしてませんかヒヒーン!馬かぶってませんか?。

こんな外出自粛な非常事態に、小手指メンバーはどうやって笑って過ごしてるんでしょう。


「マジかよ…」
喧嘩上等!なカッコをしながら1番素直に言うことを聞くのが葵ちゃんです。俺は頑丈だが妹に感染させるワケには行かねー、籠城上等1番ショート天才巣籠もりストとは俺のこと。
元々、大事な家族を守るため非常事態に備えてそれなりの備蓄はしていました。保存食品や日常品、トイレットペーパーも常にストックしています。最近は買い物のときにさらに多めに買っていました。肉は小分けにして、野菜はカットして冷凍室へ。葉ものは湯がいて適当な大きさに切ってからです。学校も休みですから仕事がはかどるはかどる。
妹ちゃんといっしょにクマさん型のハンバーグも作っちゃいます。姉貴がどこからか貰ってきたヨーグルトメーカーも大活躍です。「にーにぃおいしいー!」その一言で葵ちゃん破顔一笑。「笑う門には福来る」というより「福があるから笑いあり」です。ジャックナイフのような中学時代を経て野球に戻った葵ちゃん、こんなに妹と一緒に過ごすのも久しぶりです。ひらがなも覚えてカルタじゃ負けそうだなお絵かきもいつの間にこんなに上手になったんだ、おいこの体操のお兄さんこんな爽やかスマイルしながら毎日どんだけプロテイン飲んでんだ?妹ちゃんが「にーにの次にカッコいい」と言ってる体操のお兄さんのテレビを見ながらいっしょに体操もします。肩車をして勢いよく立ち上がったら妹ちゃんが思いっきり天井に頭をぶつけて大笑いもしました。
そんなのんびりした一日、うっかり「平和だなぁー」なんて呟いてしまいそうです。
夜、妹ちゃんが寝入ってから玄関から出ていく葵ちゃんの姿があります。
「倒れるまで走んじゃねーぞ」
お姉さんの言葉に「おう」と応える葵ちゃん。
初対面のヤマちゃんに見抜かれるほど走り込み、「全ての基礎はランニングにあり」が信条です。何なら走り込みこそ藤堂葵のアイデンティティといっても過言ではありません。
さっきまで優しい表情で妹と遊んでいた弟が、マスク片手に気合いの入った顔をして走りに出る。その姿を見てお姉さんも笑みをこぼします。笑う門に福が来ると言うのなら藤堂家は福に溢れています。それを想像しているときの私の顔も福々しくなっています。連日のマスク着用ランニングで心肺機能も鍛えられて、練習再開のときには今まで以上の大きな声で圭ちゃんやつっちー先輩をビビらせることでしょう。

一人っ子千早くんも一人ぼっちで部屋にこもっています。
自分を見詰め直しながら空虚な時間を埋めるのは得意です。
家のトイレは最新式のウォシュレットですからトイレットペーパーもほとんど使いません。「トイレットペーパー不足」のニュースを見てもにわかには信じられません。「みんな清峰くんのお兄さんからアレを借りてるんですか?…なワケないですよねアハハー」と本気か冗談かわからない特におもしろくもない独り言を呟いてます。元々神経質なぐらいのキレイ好きですからアルコールの除菌スプレーは常備しています。自分のスマホだって使う度に除菌。そのスマホで新しい音楽を探しながらついまたあの動画を見ちゃいます、智将要圭の催眠術動画。何度見ても笑っちゃいます。一人で部屋で紅茶を吹き出して大笑いです。散々大笑いして小腹が空いたので、いつものマドレーヌでも食べようとキッチンに向かいます。スマホは袖口で簡単に拭いてベッドに放り投げていきました。以前の神経質な千早くんなら考えられない雑さです。最近の千早くんは除菌も少なめのオラオラな男子高校生です。

運がいいと公式発表されている圭ちゃんのママンも運のいい人です。
年明けにいつものドラッグストアが「仕入れ数を間違えました買ってください」と、マスクを大量に投げ売りしていました。
顔馴染みの店員さんにも声をかけられて「あらー大変ねー」と、ボックス入りを1ダース購入していました。「ババアどーすんだよこんなに⁉俺マスクなんか使わねーからな!」と言っていた圭ちゃんも絶句です。そもそも一人息子の記憶喪失も「反抗期」で済ませていたママンですから今のコロナ騒ぎだってどれぐらい理解しているのかわかりません。最近の夕飯にコロッケが多いのはママンがコロナのことを「コロ助」と呼んでいるからです。自分自身の言葉に引っ張られて「今日もコロッケなりよ」となっていることは圭ちゃんは知りませんが、まぁいつでも楽しそうな家庭です。

あと、クソ先たちが「ダリィ」とか言いながら家で体幹を鍛えて「1年生たちより上手くなんじゃね?」なんて笑ってたり、普段何も言わない監督に「もう止めてやってくれ!」と言われるまで桐島さんが巻田にボールをぶつけてるコトも書きたかったんですが長くなりすぎるのでこの辺で。ちなみに桐島さんは爆笑しながらボールをぶつけてますからね。あ、つっちー先輩はこれ読んでるアナタと一緒です。コロナがあろうがなかろうが自宅待機です。通常運転です。

最後に。
国都くんはどうっやってるんでしょう?
いつも学校の近くでゴミ拾いをしてる近所のお年寄りたちの心配をしながら、黙々と練習に打ち込んでるですかね?
生まれながらのリーダーとして、部員たちに1時間ごとの手洗いうがいの号令をかけてるんですかね。それとも三国志でも読んでるんですかね。
国都くん何してんのかなー。

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