第49回忘バワンドロライ「中堅手」
「野球の守備において重要なのはセンターライン。センターライン以外は枝葉」
そう言ったのはヤクルトスワローズ監督に就任した野村克也氏でした。今から30年ほど前の話です、こんな言い方も在りだったんですから雑な時代ですね。その言葉を言ったのは別のときだったかも知れませんがまぁその頃でした。
センターラインはとはキャッチャー&ピッチャーからセカンドとショート、センターを結ぶラインです。当然、当時でも「サードは枝葉かよ」「ファーストをナメてんのか」「ライトですけど?ライト8番ですけど?」などと反感を買っていました。
このセンターライン、小手指では、天才だったり天才と出会ってしまったり天才に心を折られたりしたあの4人とつっちーさんが守っています。ヤマちゃんでなくつっちーさん、千早先生に3次元の野球を教えてもらっているつっちーさんです。
自分自身では持っていることさえ知らなかった“脚”という武器。その武器の存在を教えくれて認めてくれて、誉めてくれて空を飛ぶことまで教えてくれたのが千早くんでした。
ですがつっちーさんの武器は脚だけではありません。大好きなアニメの一瞬の作画崩壊も見落とさない動体視力、コスプレせずとも大好きなキャラを完コピできる観察力。その道のプロの動きを真似て模倣するというのは、上達方法の1つとしてよく知られている通りです。
今も熱戦が繰り広げられている帝徳戦では、千早くんのわずかな動きも見逃さず同じタイミングでスタートを切り、空も飛んでダブルスチールを成功させました。
守備の間も、ピッチャー清峰の背中を守りながら千早くんの動きを見ています。ランナーが塁に出ると必ずメガネを押し上げるクセ、腰を落としながら実はいつでも動き出せるよう体の重心を左右に揺らしているなんてこと凝視し続けているつっちーさんしか知りません。千早くんお得意の、捕球後にコンパクトに身体を回転させながらの送球も何度も真似をして習得しました。センターでは使う機会はあまりありませんが。
実はもう家では伊達メガネをかけて生活してますし、きのこカットのヘアスタイルも少し色を明るくして後ろを刈り上げちゃう予定です。靴下はもう派手になってますし授業中は机の下でこっそりスボン裾をグルグルしています。着ている服は同じものですからつっちーさん的には端的にただのコスプレです。スパイクの底が左右均等に削れているという千早くん本人も知らないところまで確認して、あの姿勢のいい歩き方も研究中です。相手が千早くんでなければ確実に気持ち悪がられているレベルですね。千早くんの他人への判断が「脚が速いか否か」というザル基準のおかげで助かりました。実は葵ちゃんが以前、校内で派手な靴下でズボングルグルのつっちーさんを見かけたことがあるんですがいろいろと察してしまって声をかけられませんでした。
そういえば今上映中の鬼退治ジャンプアニメが色々と記録を塗り替えてるらしいですけど、つっちーさんは何回観に行かれたんでしょうね。 歴代記録はジブリやらディズニーのアニメらしいですけど、その辺のも全部抑えてるんでしょうか。あ、別に場つなぎに聞いてみただけです答えを聞きたいわけではないのでそんな早口で語られてもちょっと聞き取れなくってあのすいません。そんな話を振ったワタシが迂闊でした本当ごめんなさい、えっとまた今度応援に行きますね、あっ藤堂くんにはくれぐれもよろしくお伝えください。それじゃまたっ!