私は1日で20カ国以上旅した。
最近、旅に出たくても出られないもやもやを抱えていた。
長い受験期を終え、ようやく憧れの大学生になれたと思ったらキャンパスにすら通えず、家の中でパソコンと向き合う日々。私の描いていた大学生活はこんなものではないと何度も何度も思った。
しかしこの状況で日々悶々としていても何も始まらない。私はこの孤独と時間を使って自分自身と向き合うことにした。自分は何がしたいのか。これからどんな人生を歩みたいのか。どんなことに挑戦してみようか。
そう考えているうちに辿り着いた結論が
「旅に出たい」
だった。
それから私は今できる準備を始めた。Instagramで旅アカウントをつくり、行きたい場所を見つけては保存し、図書館で旅に関する本を読みあさり、ネットで気になることを調べ尽くした。
そして私はこの本に出会ったのだ。
僕が旅人になった日
1ページ目を開いて思ったのが
「これは本か、、?」。
キャッチーなフレーズと美しい写真たち。そこにあったのは"読む"ものではなく、"見る"ものだった。
そしてさらにページをめくると20人の旅人たちが私に語りかけてくる。
旅に出ることになったきっかけ、そこで見たもの感じたこと、そして今の生活。
ひとりひとりが全く違う経験をし、旅に対する感情も千差万別であった。
そこに書いてあったのは彼らの"人生"そのものだった。
そして私は旅に出たい。
そして私は旅に出たい。この本の主人公たちのように。
自転車で大陸横断したり、サハラマラソンを走ったり、自分のペースで巡礼したり、オーロラに涙したり、キリマンジャロに登ったり、地元の子供達と遊んだり、ティーカップに醤油を入れたり、時には見知らぬ人に助けてもらいながら自分も誰かの役に立ちたい。
そして自分だけの旅をしたい。