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第二十六回 狼牙華連隊

「そう・・・5人目が入部したの!良かったわね・・・っあ!廉が戻ってきたから切るわね!」華学研究室でSwiPhoneの通話モードを解除すると嬉しそうに微笑む孫勝公(そん かつみ)。
「どうした?随分と嬉しそうだな?」一息も置かず、高山廉(たかやま れん)が勝公に声をかける。
「な、なんでもないわ。」慌ててSwiPhoneをポケットにしまう勝公。
「・・・ふーん。。。まぁ良い。大方、梁山華道部のマネージャが何か言ってきたのだろう。」不満気に目を細める廉。
「・・・も、もし、その通りだったら?」勝公の背中に一筋の冷や汗がつたう。
「・・・別に、お前は梁山華道部を退部していない。マネージャから連絡があっても不思議ではないだろう。」ただでさえ目つきの悪い廉が眉間にシワを寄せる。
「そ、それなら、そんな怖い顔しないでよ。やーねぇ・・・。」顔が引き攣る勝公。
「・・・ふん。」その場では気にしない素振りをしながら勝公への疑念と「嫉妬の炎」を燃え上がらせる高山廉は生徒会員を梁山華道部に「探り」に出し、華撃公式戦に参加できるメンバー(5人)を呉羽が獲得した事を知り、血相を変えて生徒会室に飛び込んだ。
「はぁ?梁山華道部が参加メンバーを確保したぁ?そんなもん捨て置け!蓋托塔晃(ふたくとう あきら)は眠ったまま、冲奈林(おきな りん)は憑依霊を失い休部中。お前のお気に入りの孫勝公は華学研究員に戻ったのだろう?今更、寄せ集めたところで大した話ではないわ・・・。」生徒会長の高山俅(たかやま たま)は興味なさそうに頬杖をつき茶菓子を齧る。
「しかし、ねぇさん!用呉羽(もちい くれは)は油断ならない女です!駒が雑魚でも、個性・特性を活かす悪知恵の働く女です!現に例の事件で出場部員を悉く失いながら、こんな短期間で出場可能な状態まで回復させるなど、常人の沙汰とは思えません!」捲し立てる様に詰め寄る廉。
「お前、意外とあの紫頭を買っておるのか?」「いいえ!大嫌いです!」鼻面がぶつかる位に顔を寄せて俅を睨みつける廉。
「・・・分かった!分かったから怖い顔するな・・・で、どうすれば良いのだ?」宥める様に廉の肩を叩き希望を伺う俅。
「間者(スパイ)の話によると呉羽は旗頭となる人物を囲っているそうです。」「旗頭?何時代の人間だお前(汗)」
「分かりませんか?梁山泊の旗頭と言えば彼奴です。」
「・・・はぁ?お前、まさかアレが憑依した生徒がいるとでも言うのか?今年度の在学者一覧はチェック済みだが、アレの素養がある人物など入学しておらんぞ」
「留学生のチェックはしましたか?」
「留学生・・・あぁ、そう言えば何人か校長が受け入れていたが・・・その中に居たのか?」
「その娘は褐色の肌の小娘だそうです。」
「褐色の・・・チビか・・・可能性はあるな。」俅は目つきを鋭くしキザ歯を剥き出しにすると「その黒坊を梁山泊から遠ざけるには、どうすれば良い?」と廉に妙案を求める。
「狼牙華連隊を一人お貸しください。」
「あまり過激な事は好まぬが・・・悪い芽は摘み取らないとな!ヨシ!アカリを使え!」
「ありがとうございます。」

狼牙華連隊とは?アカリとは?

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