[2022年度enPiT] メンターをやってみた感想
こんにちは、notch_man(@notch_man8600)です。去年はenPiTの受講生でしたが今年はメンターとして関わりました。その感想をポエムに綴ろうと思います。
結論
メンターとレビュワーを混同した
受講生の挑戦の機会を奪ってしまった
enPiTは楽しい
メンターとは?
まずはメンターという言葉について確認をしておきます。
ようするにメンターは相談役やサポート役の役割ということが分かります。では、メンターには具体的にどのようなものが求められるでしょうか?こちらもよい出典があるので引用します。以後の記述に関してはこれらの5つの求められる要素を軸に議論を展開したいと思います。
理想的なメンターの姿(仮説)
enPiTにおいては常に「お役御免になる」を脳裏に抱き出口戦略を考えながらメンタリングするのが理想的なメンターの姿かなと思っています。
相談役が何時でも居る状態って健全では無いと思っています。なぜなら、メンターの目的である自立までのサポートに反しているからです。ただ、これはあるフェーズにおいての相談役と捉えれば、役回りを変えれば問題ないという見方もできます。ただ、それについては私を含め意識できていたかは疑問が残りました。ここは反省点だなと思っています。
まあ、論より証拠なので来年度メンターする機会があればこの辺りを意識しようかなと思っています(1回目)
メンターとレビュワーを混同した
これは今年の複数の受講生の証言をオブラートに包んだ物になります。まあ、アドバイスしておきながらグサグサ刺されていたと捉えられてしまってはメンターとして良いのかって雑な感想を抱きました(笑)
メンターは本来サポート役を担うべきですが、メンター陣はenPiTn周目(n > 2)であることからどうしても上下的な発言力が生じてしまいます。この視点を意識せずにレビューをしてしまうと圧のある発言になってしまいます。それが上記のような証言に繋がってしまったと考えています。
レビュワーであれば、ユーザー目線でFBをするべきですが一方でメンターという役割を与えられている以上(2),(3),(5)の大前提を持ちながら発言する必要があるかなと思います。プロダクトレビューに対する最善手ではなく、人が育つ、相手の状況から相対的にみてプラスになるような方向でレビューする視点が大事だと学ぶことが出来ました。
私はこの辺りの立ち回りに随分苦慮し、レビューで発言することはほとんどありませんでした。それはそれで、何かの機会を失った感じがしているので、このプラクティスは今後どうすれば良いか議論したいなと思っています。
最後に証言者のポエムを紹介しておきます。
こう思って頂けるくらい成長したのはある意味良いのかなと思いつつメンターに対する心理的安全性が低い捉え方なので複雑な心境を抱きました。
メンターとレビュワーを混同しない振る舞いを防ぐ仮説
まず、メンターとして見ていた上での発言か、一見さんとしての発言かの立場を明確に表明する。特に一見さんを意識するときはこれまでのアドバイスを忘れて初見の振る舞いを意識していきたいと思います。まあ、意見を言うのは楽なので自分の立場を忘れてあれこれ言いがちになってしまいます(経験談)。立場を見落とさないために、常に自分の立場を意識する。これを実践していけば改善されるのでは…?と思っています。
まあ、論より証拠なので来年度メンターする機会があればこの辺りを意識しようかなと思っています(2回目)
挑戦の機会を奪ってしまった
これは受講生の証言にも通じてしまいますが、私たちは受講生の挑戦の機会、なしはその幅を狭めてしまったのではないかと凄く実感しています。特に「多度津駅2番のりばにて特急南風20号を待つ乗客X」からの証言はまさにこの懸念を表している物であり、特に反省している点です。
私は"ものづくり"において挑戦という言葉をとても大事にしています。これについてはエンジニアブログで書いた物があるのでそちらもご覧ください。
ものづくりは知識と知恵の双方が必要になる分野です。例えば、ハンマーの釘打ちを例に出しましょう。ハンマーの打ち方に関する知識は「釘を打つときは真上から打て」などを聞いたことがあると思います。ただ、実際に真上から釘をえいやっと打つと、力加減を間違えて上手く打てなかったりすると思います。この時の「力加減の案配」が知恵に当たる部分です。これは材質や環境によって大きく変わり、その気になれば理論化出来るでしょうか基本的には実際に釘を打ちながら学んでいくことです。
では「上手い釘の打ち手」を多く生み出すにはどうすれば良いでしょうか?それは失敗を通じて知恵を身につけ、多くの釘打ちの場面に対応出来る、あるいは過去の失敗を組み合わせ新たな知恵を生み出せる人材を育成する必要があります。そのために、上手い失敗を繰り返しながら成長をしていって貰う環境を用意する必要があります。これがenPiTにおいてはサポート役の本来の役割ではないでしょうか?
しかし、上記のようなFBは「失敗を恐れずに挑戦するマインド」を萎縮させるものではないでしょうか?もし、私が同じような状況であれば萎縮してしまいますし、事実そういう意見を複数頂いています。これは(3),(5)の視点において上手く立ち回れなかったことなのでとても反省しています。
知識と知恵がバランス良く学べるようにメンタリングする必要があると思います。そのためには、知識と知恵の獲得プロセスが違うことを認識しそれぞれに寄与するように柔軟に立ち回る必要があると思います。
挑戦するマインドを保つFBの仮説
この反省として証言から逆算していくと「相手の前提をよく聞き相対的な視点で成長を促す」といったことが出来ればこの辺りは緩和できるのではと考えています。エンジニアリングやプロダクト的な文脈での最適解だけではなく、チームの成長に寄与する最適解を模索する視点でメンタリングを出来るように意識していきたいな思います。
まあ、論より証拠なので来年度メンターする機会があればこの辺りを意識しようかなと思っています(3回目)
enPiT楽しい
こういう諸々と触れながら、自分なりに何かを考え実践する場としてenPiTはとても良い環境なので楽しかったです。こういう分析が出来るのもそれだけ長い期間1つの物に触れたからこそなのでとてもわいわいな気分です。
来年度へのメンターへのメッセージ
私から言えることは2つです。1つ目は「自分達なりに考え自分達なりに行動し失敗をして欲しい。そして、失敗を恐れずに自分達なりに模索し続ければそれは必ず活きる経験になる」です。2つ目「事務作業は忘れないように」です。おじさん達の話に惑わされないでね(笑)
結び
まあ、論より証拠なので自分なりのメンター像、ないしは組織開発におけるプラクティスを積み上げていき、ソフトウェア開発業界全体に微力ながら貢献出来るように精進していきたいと考えています。例えば、弊ラボでのプラクティスはエンジニアブログなどに書いていくのでぜひご覧ください。
何事も結果が全てなので、みんなドンドン挑戦しドンドン失敗し、未来の若者に参考になるプラクティスを発信していこうな!そういう文化が根付いているenPiTはとても素敵な科目だなと思いました。
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