岸くんの小さな奇跡 庭ラジ2023.8.30放送回に寄せて
誰がどう見ても伝説回、8月23日・30日放送回
冒頭からいろみと(異論は認めない)スタイルでやらしてもらう。
「King & Prince永瀬廉のRadio Garden」
8月後半の2回は、フリ・企画・展開・大どんでん返し・愛情、全ての要素を詰め込んだ伝説回である。
聴いていない方のために端的に説明すると、
・放送1週間前、番組公式HPにて
「オタクどもに告ぐ。来週絶対ラジオの前で全裸待機しとけ(意訳)」とのお達しがある。
・全(知らん)オタクが全裸待機する中、かつてないほどのウキウキ永廉の紹介で、相方髙橋海人が父から授かった伝家の宝刀「おはこんばんにちは」を引っさげて登場。
・永廉、腹痛(アイドルはうんこしないから多分腸じゃなくて胃)のため退席。
髙橋海人、「髙橋海人のRadioゴードンが始まりました」「嘘の交通情報をお伝えします」という純度100%の清らかな嘘で間を繋ぐ。
・ウキウキ永廉、元メンバー岸優太とともに帰還。腹痛(アイドルはうんこしないから多分腸じゃなくて胃)は嘘だった。
びっくり海ちゃん。
・岸優太主演映画をはじめ、お互いのメディア出演をチェックしてること、誕生日プレゼント贈んなきゃね等の話を神宮寺勇太・平野紫耀含む5人で話し合う(けどなんもしない)こと、5人の食事会も計画しようとしている(けどなんもしない)こと、などが語られる。
・岸「(ツアー)どういうのやるの、ちょっとだけ匂わせ」
海人「絶対言わない(即答)岸くんみんなに言うから」という極太伏線が張られる
・岸優太、収録中に着信のバイブ音鳴らす
・岸優太、「言いたいことある、鳥肌立つかも」という不穏なフリを経て、
「前日にたまたま海人と会っちゃった」
「明日俺廉のラジオ出るよって言ったら、海人も、えっ俺もー!って」
永廉渾身のサプライズが結果的に逆サプライズであったことが発覚。
・岸優太と髙橋海人、「絶対廉を喜ばせるために人狼で居続けよう」協定締結していた。
岸くん協定破りで極太伏線回収。
・1ヶ月半サプライズの準備をしてた永廉、目を赤くして「拗ねた(自己申告)」。
・オタク達、壮大な伏線回収に感服。
・海「今度は4人でサプライズしてよ(半笑)」
「テレビしか勝たん!(エコー)」
・岸「ファンへは感謝しかない。自分という人間は確実に皆さん無しでは居ない。5人での活動は楽しかった。一生忘れない思い出。」
・岸「一生応援してます」
廉「それはこっちもよ。紫耀とジンのこともね」
いかがでしたか。全然端的じゃなかったですね。
無理だよこんなの端的に纏められないよ。
岸くんの記憶
上記であえて触れなかったが、この2週を通して私が1番印象的だったのが、岸くんが永廉の「5人での1番の思い出は?」という問いかけに対してこう答えた事だ。
やっぱりライブじゃない?のあと、普通なら
「ファンのみんなの顔とか…」と続きそうなものだし、私も聴きながらそう来るかなと思っていた。
だが、岸くんはステージの奥のさらに奥、会場の廊下を最も印象深い思い出として語ったのだ。
しかも、嗅覚・聴覚を添えて。
ほんとうの、3人だけの時間
岸くんの語った記憶は、言葉選びや情景の切り取り方によって、とても解像度高くイメージ出来そうな気がしてしまう。
しかし、オタク側から想像し始めると、壁にぶち当たる。
例えば横浜アリーナの、廊下の匂い。
冷房の匂い。
岸くんの足音。
スリッパは緩いのかピッタリなのか。
歩く速さ。
廊下の広さによる音の反響具合。
全てが、5人のメンバーおよび元メンバーしか知りえないことだからだ。
そして、岸くんの言葉を受けて「あー分かる分かる」と受け止める2人。
全国の電波に乗っていた、3人の楽しい時間の中で、不意に訪れたほんとうに3人だけが共有できる時間。
どんなに言葉を尽くしても、オタクには分からない時間。
岸くんはたぶん、何気なく本当に自分の中でイメージしたことを語ったのだろう。
でも、それが図らずも、誰にも触れない、5人だけの知る記憶だった。
これは、岸くんが起こした小さな奇跡だと思った。
触れられないもの
岸くんが語った「5人での活動は楽しかった。一生の思い出」という言葉。
これもまた、たくさんのステージ上やテレビの中での、5人の楽しく苦しく煌めいた日々はイメージ出来るけれども、それは恐らくほんの一部分なんだろう。
その他の大部分は、アリーナの廊下のスリッパの音ように、何気なくて、日常的で、でも5人の中にはすぐ側にあるような、そんな思い出で占められているのではないか。
新規の私に言えることなどほぼないが、やっぱり5人の決断に何か言えるのは、そのスリッパの音を知る人だけなのではないかと思っている。
そんな、誰にも触れることのできない思い出の一端を語ってくれた岸くん。
その心の世界を少しだけ覗くことが出来た、素晴らしい回だったと思う。
これから先の岸くんがどんな道を歩むのかは分からないけれど、不可侵な思い出を連れて、また新しい匂い立つような思い出を作っていってくれることを、切に願っています。