英語字幕付き映画
昨日、英語字幕付き映画を見てきました。
是枝裕和監督の「万引き家族」です。
大阪国際交流センター主催。
不思議な感じです。音声は日本語のままで、画面の下に英語の字幕。
映画に集中しているつもりでも、ついつい英語の字幕が気になり、字幕に集中すると次の場面に移り、画面と字幕に目が行ったり来たり。2時間の上映は随分短く感じました。
話題になった作品ですので、多くの方が見られたことと思いますので、内容はさておき、印象に残ったものの一つを書きたいと思います。
万引きをした少年が、捕まるシーンがあり、そのことを後の場面で次のようにいいます。
ーわざと、つかまったんだ。
その台詞の字幕が 「 I got caught 」
get を使ってこういう表現ができるんだ、と。(わざとの部分は省略か、それとも時間や文字数に制限か、それとも語調で現れているのか)
英語は門外漢の自分には斬新な感じがしました。
自分でこの台詞を英訳しようとすると間違いなく受身形をまず考えてしまいます。
英和辞典(ジーニアス第四版)の get を見ると
基本義は「得る・ある状態になる」とあります。
「される・されるようになる」というのもあります。
caught の状態になるのを got ということなのですね。
この字幕、受身形ではありませんが、意味は受身。
日本語の「つかまる」も自動詞でありながら意味は受身にもなります。
森田良行『基礎日本語辞典』の「つかまる[捕まる 掴まる]の項をみると次のようにでています。
「A が B につかまる」
Aを行為主体とすれば、AがBから離れないようしっかりとBに取り付く意思的行為となる。
B を行為主体とすれば、Aは、Bから離れ逃げられないようBに取りつかれ、取り押さえられるという不如意・不随意の行為となる。 Aは被行為主体で、これは受け身的意味を持った語となる。「受身動詞」という。対応他動詞は「つかまる」
とあります。
自動詞で受け身的意味を表現できるところ、英語も日本語も類似している、と思うのは、勘違い錯覚かもしれませんが、折りにふれこのような例を、気長に集めていけば、面白いものに出会えるかもしれません。