[Pacific]のバニラは1本あたり
78円。
1.外観
これは箱売りされているドライシガーで、本来(ぼくが普段行っている店舗では、という話かもしれない)バラ売りはされていなかった。
そういうわけで、1本当たりの価格を述べることに意味はないんだが、ひとまずそういうこと。
780円、10本入り、バニラ着香。
シガーリングは付いていない。
匂いは、甘い。バニラだ。
バニラだ。
バニラだ!
バニラの匂いだと、判断できる!
ぼくはこれまで2種のバニラ着香葉巻を経験していたが、いずれにしても、
(甘い……けどなんだこれ……? 甘いのだけはわかる……)
というバカ嗅覚案件だったため、バニラ着香とはひたすらに甘いという認識だった。
ところがこれはすごい。
甘い匂いが葉巻の匂いをまるごと包み込んでいるが、くどくない。全くもって不自然さがないほどだった。
そして、その上で、バニラだと判断できるのだ。
着香葉巻としては、かなり上位に位置するのではないだろうか。
2.着火
火は付きやすい。乾燥していたためかもしれない。だがフィルムで包装されているわけでもなし、剥き身で放置してしまっては、せっかくの着香が飛んでしまう可能性があるので、即座に吸うほかない。唯一の心残りだ。
とにもかくにも、着火。
甘い匂いが立ち上る。
3.喫煙
おお、甘い。
燃焼の煙はあれど、着香の存在感は負けていない。
ビリガーの場合は着香がほぼすべてであったような気がした。
しかしこれは煙もありつつ、着香もある。
むしろ煙の持つ酸味というのか。
だがどちらにせよ、この葉巻の場合は、煙に酸味があるような気がした。そしてそれを着香がうまくカバーする。
なかなか良いコンビネーション。
1本当たりの価格はビリガーの1/3程度にはなるが、正直こちらの方がぼくの好みではある。
たまに生焼けみたいな味がするが。
これに関しては本当によくわからない。一切再現手順が不明であるが、たまに生焼けみたいな味がする。
なにがどう生焼けたのか、それさえわからない。
しかし決して快くはない香りがする。これが特異なネックといえるだろう。
そしてビリガーの時もそうだったのだが、吸い込みやすい葉巻(専門用語ではドローが軽い、というのだろうか)の特徴として、短くなってきたときに強く吸うと、いや、強く吸えてしまうことが原因なのだが、舌が焼けてしまう。
普段からかなり、おっかなびっくり吸引しているぼくでさえ、少しでも気を抜くと舌が焼けかける。
これは難しい問題である。
ドローが重い葉巻を軽くする手段はそれなりに考案されているのだが、軽いものを重くするのは至難の業だ。
火が盛ると味も落ちる。
長さがあっても途中で捨ててしまうか、あるいは刻むなどしてパイプで吸うか。
実に悩ましいところだ。
4.結論
ところでぼくはこの問題を、なんならこの葉巻を100%楽しむ方法を、秘密裏に見つけている。
それは、火を点けずに着香の匂いのみを楽しむ、という方法だ。
正直、これが一番いいと思います。
けむくないし。
喫煙時間はおよそ40分。
着香の匂いが完全になくなるまでは、果たして何時間かかるのだろう。
5.不安
ところで、この葉巻、謎のプツプツが表面に存在していた。(実はこれが初めてではないのだが)
吸ってて違和があるわけではなく、喫味を致命的に損なうというほどのものでもないはずだ。
しかし視覚的に心地よいかと聞かれればそうではなく、この発疹は何なのかと、悪い妄想がはたらくのを止めるすべもない。
誰か、これがなんなのかご存じの方があれば、ぜひ教えて頂きたいものである。