"ジェイク・リーの再臨"付記


こちらの前に本文となるジェイク・リーの再臨をご一読頂けると幸いです。

まさかの王座陥落

2022年7月14日、全日本プロレス後楽園ホール大会における諏訪魔との三冠ヘビー級王座戦において王者ジェイクは試合に破れた。

試合内容については諏訪魔の凶器を用いたラフファイトとヴードゥーマーダーズの介入、それに単身抵抗するジェイクという構図が印象的で、試合終盤にジェイクが必殺技であるD4Cを諏訪魔に決めたもののヴードゥー側のセコンドにレフェリーのカウントを妨害され、最後は諏訪魔のバックドロップホールドによって決着、新王者が誕生した。

三冠戦に反則介入ありで決着がついた事、全日本の新たな景色である第二次ジェイク政権が短命に終わった事、所謂ヒールの勝ちというバッドエンドにより会場の拍手はまばらだった。

それは単純に諏訪魔が勝ったから、反則や介入があったからというよりも、これまで全日本が見せてきた『ジェイクの台頭による新しい景色』に対する期待感が雲霧参照してしまった事に対して、観客が戸惑いや落胆を感じたからだろうか。

或いは9月に行われる日本武道館大会においてジェイクがメインイベントのリングに立つという大方の予想が覆された事によるものか。
どちらにしろ、盛り上がっていた気持ちが急に宙に浮いてしまったような居心地の悪さから来ているのかも知れない。

挫折を"共有"するジェイク

今までの彼であれば黙して心情を語らず次の目標に邁進していたことだろう。しかしながら今は異なる。

「人生で何度も地獄を味わってきたから最早ホームみたいなもので、その景色を楽しみながらまた這い上がってやる」という旨の言葉を試合の翌日にtwitterで発信していた。

素直な心情を打ち明けながらも、俺は大丈夫だ、俺も立ち上がるからお客さん達も安心してくれ、というジェイクからファンへの想いが行間から感じられた。


受難を嗤うジェイク・リー

再臨したジェイクは王座から陥落しまた苦難の道を歩み始めた。その行き先はスポットライトの光り輝くリングの中か、それとも更なる受難の待つゴルゴダの丘となるのか、どちらにせよ今の彼には「地獄はホームみたいなもの」と言い切る明るさと強さが存在する。

そしてファンにリング上やSNS等で自身の感情をシェアする事で、彼がいつもリング上で指し示す頂きへの道はまだ途切れていないと、また共に高みに這い上がろうと語りかけてくれているのだろう。

今一度、三冠王者として君臨するジェイク・リーの姿に期待が高まる。


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