わたしの宝物 深川さんインタビュー
2021年10月にプロに依頼してインタビューを行っていいただきました。
登場している深川さんは、私が入社した当時の同僚、のちに、わたしのチームのメンバー、わたしが任された営業所(当時営業部長)のメンバー。そしてわたしが再雇用になった今、再び現場で汗を流す営業仲間で19年のつきあい。深川さんは19年通して営業一筋のトップ営業です。
以前、お話しした久保君(久保君ストーリー)と同じ時代のメンバーです。
少しだけ久保君のこともでてきます(^^)
ではインタビューの始まりです。
わたしのことを知るようになったキッカケはなんですか?
深川さん:
私の方が入社は早かったですけど、2002年3月に入社。
小松さんは1年後の2003年の3月16日に入社されました。
そのときの第一印象は、小松さんは40代に突入してるにもかかわらず、もう最初から飛ばしてたんですね
仕事に対する熱意を感じたのは、お客さんを訪問するときの事前準備とか、プライドが邪魔すると思うのですが、自分より若い世代のトップセールスマンにマメに話を聞きに行くところです。それが衝撃的でしたね。
わたしのことを初めて見たとき、正直、どんな印象でしたか?
深川さん:
当時は営業パーソンの入れ替わりが激しい時代でした。即戦力として使えるか使えないか試される状況だったので、入ってきた人一人一人にどんな印象か、という意識はなかったんです。
その中でも、数週間たつにつれて、「ちょっとこの人違うな」「ほかの新人さんたちと全然違うな」という印象が強かったです。
40代で入ってきて、自分より若い人になかなか聞きづらいんじゃないかな、と思うんです。そこを何の躊躇もなく、「吸収」という意識でやってらっしゃったんだと思うんですよ。しかも、すごく熱心にやってらっしゃたので「ちょっと違うなこの人は」という印象だったんですよ。
わたしに教わるまで、どんなことで困ってましたか?
~わたしが入社して一緒に営業していたとき~
深川さん:
僕自身は、そこそこ順調にやってたんです。ただ、長くやっていても、自分で気づけないところってあるんですよね。小松さんと一緒にやる中で、自分で気づけないところをいろいろ教えてくれた、学ぶことができたのが、小松さんだったんです。
例えば、ピンポン営業する時は、まずお客様としっかり対面したいんですよね。でも、回っていく中で、そうさせてもらえないシチュエーションもあって。
ピンポンして、お客さんが出てきてくれば、対面成立なんですが、二階のベランダから出てきちゃう人がいるんですよね(笑)。そういうことをいっぱい経験して、「これはもう話するの難しいな。チラシ投函だけで帰るしかないかな」っていうあきらめがあったんです、それを打開していたのが小松さんで(笑)
小松さんは、二階からベランダに出てきてる人に対しても、わざと聞こえづらい話し方をして、口をパクパクして、何とか伝えようとするふりをするんですね。
そして、持ってきたチラシをかざしながら「見えますか?「見えますか?」と(笑)。そうするとお客さんも「何かこの人、伝えようとしてるんだな」と思って降りてくる方がいらっしゃるんです。そうやって、外まで出させちゃうんですね。
普段からそういう、アプローチなど営業方法について、困っていること、自分が打開できていないことを、小松さんにお話してたんですね。そしたらポンと簡単に答えが返ってきて「なるほどな」と思うことが多かったです。
現場回る中での話で、お客様の意識を引き付ける話があります。当時はチラシの規制も会社の中であまりなくて、当時は、担当がある程度自由に作って配ることができたんですね。
そこで小松さんの登場なんです。うちの会社って週休2日で平日が休みなんですけど、休み明けになると、小松さんは新しいチラシを持ってくるんです。休みの日に作ってるんですね。それがまた衝撃的で。
たとえば、サービスが、A、B、Cとあるとします。あるお客さんは、AとBは加入しているので、Cに追加加入することをこちらとしては訴求したい。でも単にパンフレットをお渡しして話してもあまり響かないんです。
そこで、お客目線に立ったパンフレットを作るのです。今AとBの代金が現状こうなっています、そこからプラスいくらで、Cもセットにできますっていう具体的なチラシがあったんです。
僕もお客様目線になっちゃうんです。あたかも加入者のような目線で見てたら、「これはわかりやすいわ」と。心に入ってくる。たったの紙一枚で、1ページで納めてるんですけど、インパクトが強いんです。それを躊躇もなく「使っていいよ」とチームに配布してくれてましたね。
そういうチラシを使わせてもらって、ポスティングすると、実際レスポンスが来るんですよ。「すごいな」という印象でした。アイディア含めて自分には作れないので。
反応が違いましたね。それまでの会社のパンフレットだと、ちょっと字面が冷たいので、人の心には響かないんですよね、小松さんが作ったチラシは、お客様の立場に立った料金という文言が記載されているので響くんです。自分で作ることはできなかったので、営業活動のプラスαとして使わせていただきました。
小松さんが来るまでは、誰かに頼るという事もなく、みんな個別にバラバラでやっている感じでした。
それがまとまった瞬間でありましたね。「これ使えばいいよ」と、みんなをまとめてくれた方ですよ、小松さんは。
チームをまとめていた当時のリーダーさんは助かったと思います。小松さんの存在はとても大きかったと思います。営業マンの生産性が上がっていくので。
~わたしがリーダーだったとき~
深川さん:
小松さんは、寄り添って一緒に動いてくれるリーダーだったんです。入ってきた当時の新人さんの同行なんかも一緒にいってもらいました。自分1人では負担が多いので、リーダーである小松さん自ら現場にきて、一緒に回ってもらってましたね。そこでも相乗効果がありました。
三世帯連続契約。今でも伝説です(笑)
ピンポン行きますよね。そのいずれもが、飛び込み営業で三件連続で成約に(笑)最初のアプローチのところをわたしがしゃべる。プレゼンテーションのところは小松さんにヘルプしてもらって、それで三件連続で成約できたという伝説があります。
お互い気持ちが通じていたので、「一緒に行きましょうか」「行こか」みたいに気さくに来てくれました。嬉しかったです。自分一人で新人を背負うと重いじゃないですか。そこで小松リーダー来てくれると、非常にやりやすかったので。気持ちの部分のプラスαのことも与えてもらいました。
~わたしが営業部長だったとき~
深川さん:
小松さんが営業部長だったときは、直接のコミュニケーションはなかったです。私はスタッフで、間にマネージャーがいました。
戸建てを営業しているチームで悩んでる久保君というメンバーがいたんです。部長が直接教えるというのは、あまり例がないんですけど。小松さんは過去の経験が豊富ですから、アプローチから、プレゼンから、クロージングから。もうマンツーマンで、その子に全部叩き込んで、実績をボーンと上げました。
そのことを、本人からも聞いてました。また、帰りの車の中で「あの時どういうコーチングしてたんですか?」と聞いてました。
一回断られても、そのあとに「近くに来たので、この前こんなことおっしゃってたので、ちょっと朝、急いで○○だけ印刷して持ってきました」と言って渡すと、半分くらいの確率で「それだけで帰るの?」となって。そういう手法を彼に徹底的に教え込んでいました。
わたしに教わるときに、迷ったことや躊躇したことは、ありますか?
深川さん:
躊躇はないですね。もともとは、最初から一緒の土俵でやってましたので、遠慮することもなかったです。わからないことは聞けばスポーンと応えてくれる方なので。
正直、他の上司にはありますよ。越えられない壁はあります。ここまでは聞けても、ここから先を聞いたら、「え?知らないの?」と言われるのが恥ずかしいなという心のうちはあります。
躊躇なく聞けるキャパシティは、非常にありがたいです。何でも聞けるのは大きいです。小松さんの人間的要素になりますね。
わたしに教わる上で、決め手になったことは何ですか?
深川さん:
決め手と言ったら、人間性になりますね。
実直な人間性と、気さくさ。遠慮なく聞けるのは気さくさですね。躊躇なく聞けるので、ちょっとでも自分の中で不明点が出たら「小松さんに聞こう」と。
もちろん、長年のお付き合いの中でよく知っているので、安心感はありますね。小松さんの研究熱心なところは、お付き合いして行く中で知っていきました。そういう積み重ねがあって、ゆだねられるという関係になっていきました。
出会ってから今日までで、印象に残っていることはなんですか?
深川さん:
経過で分けると、真ん中よりも前半の思い出、一緒の営業所でやっていた時の思い出が大きいですね。
その中の衝撃的なエピソードがありますね。現場で苦楽を共にしてきた中で、みんなトップになりたいんです。
当時の戸建て専門に営業していたもの優秀者が、週間でどれくらいの成約が取れるかというと、基本は6世帯なんです。優秀の手前くらい。8世帯行けば、そこそこ優秀。10世帯をこえるとスーパースターなんですよ(笑)
みんな躍起になって週間記録を狙ってくるんですよ。私も結構頑張って、二回ほど週間17世帯というところまで行きました。結構な記録なんですが、はるかに上回る、週間23世帯というとてつもない数字を、小松さんはたたき出しました(笑)
とてもとても越えられない記録。もう十数年前のことですけど、それだけ衝撃的な記録だったんで、今でも覚えています。他に前例がないので。
ちなみに、わたしに「パワフルですね」と言ったのは、具体的にどんなところですか?
深川さん:
区別してはいけないんでしょうけど、入った時の年齢ですね。我々は若いので動けて当たり前なんですけど、体力もありましたし。20代後半でしたから。
小松さんはその時すでに40代に入られてましたから。それで同じペース、あるいはそれ以上だと思いますね。
お休みの日も家で研究したりチラシ作ってましたから。我々は休みの日は遊んでましたからね。それだけ動いて研究して没頭してたわけですから、パワフルだなと。
意識が高いメンバーは同じことを言うと思います。営業所でトップクラスの方とか、それなりに影響は与えていたと思います。
「人のことをよく見てますねぇ」「ヒヤリングするのが、うまいですねぇ」とおっしゃったこと、具体的にどんなところからですか?
深川様;:
相手の立場に立つというところがお互い共通してるんだと思います。だから馬が合ったというか最初から。僕自身もそうなので。
お客様目線のチラシがちゃんと作れているという意識は自分もあったんです。「お客様がどう思うんだろう」「こういう提案をしたら、お客様はどう喜んでくれるんだろう」というところをいつも考えていたので、そういうところの学びがあったんですよね。掘り出し方とか、お上手なんですよね
わたしから「挨拶の重要性」を教わったとき、どう思いましたか?
深川さん:
学んだことの一つとして、挨拶。これは僕自身も抜けていたところがありました。小松さんほどはできていなかったですね。反省がありました。
当然対面していて「ありがとうございました」とおじぎをするのは当たり前だと思うんです。そこまではスタンダードなんですけど。でもお客さんが不在だったら、見てないですよね。じゃあチラシとか投函して行っちゃえば、わからないですよね。
でも、「おじぎをしなさい」と言ってくれました。もしかしたら見られているかもしれない、というのもあるけど、こちらの心の構え方が変わるから。全軒きれいに体を曲げておじぎをして去っていく、という事を学びました。
しかも、そのお辞儀が半端ない。敷地の境界線で90度、3秒止める。お客様が出てこられたら、再び90度のお辞儀3秒間止めるのにはビビりました。
お客様もいい意味で啞然とされていました。そのあと、ゆっくりと話し出す。お客様がしっかり話しを聞いているのを見た時、あの衝撃は今もわすれません。
どのように実践し、どのような結果がありましたか?
深川さん:
見られているからやらなきゃという意識はないんですけど、僕自身のお客様に対しての心構えが、自分の中でも変わっていくんだなという事を学びました。できていなかった、やってなかった、抜けていた、というところだったので。
やり始めたことによって、「心がきれい」になるんです。不思議な感覚が手に入って、これってものすごくプラスになってるんだろうなと。やってみると分かるんですよね。心が浄化されているような感覚。
「心がきれい」になるということは不思議なくらいありますね。なぜここまでできるのかと、こちらが疑問に思うくらい。今ここで聞きたいくらいです。
すべての、うわべだけじゃない、学びの原点てそこなのかなって。今あらためて思いましたね。数々の過去のエピソードを総ざらいしてみて、「心がきれい」になること。そこが学びの原点なのかなと思いました。
与えられたリストを2週間くらいで消費していた深川さんが、4週間もつようになったのはなぜですか?それは、どんな変化があったからですか?
深川さん:
いろんな要素はありますが、小松さんからの学びの部分で、こちらのスキルも上がっていったと思うんです、一軒一軒のお客様への接し方も変わっていくんで。、気持ちが変わることによって、接し方も丁寧になって行くんです。
一軒一軒を大事にするというのが、考え方と行動を変えますよね。一旦お断りを受けたとしても、それが奥様であれば、ご主人様がまだ残っている。そこでお話してみればまた変わる可能性もあるということですよね。
営業的な観点で言えば、粘り強くなりました。一軒に対する時間が伸びるわけで、世帯数をそんなにすぐ消化しないで粘れるようになった。そこで差が出てきたと思います。
実例はあります。お断りされたらいったん受けますよね、「わかりました」「かしこまりました」と。そのあと「一点だけお伝えしたいことがあるので、ご主人様ともお話させていただけませんか?」と言います。
そこで「NO」という方ってあまりいないんです。そこでもう一回チャンスをもらって、実際にご主人にご納得いただいて成約に至ったケースもありました。
ポイントは熱意だと思います。「心がきれい」になるということとつながるんですが、うわべだけで言ったらだめで、しつこくなるんです。熱意を込めて「どうしてもお伝えしたいんです」と言うことが大切なんです。
本当に自分の「心がきれい」になれば伝わると思うので、そうすると再度アプローチできる再チャンスが来ると思うんです。
お客さんも人間なんで「本当にその人こんな気持ちで言ってるのかな」「うわべだけなのかな」というのはわかると思うんで。一軒を大事にするという事で、時間を延ばすことができたんだと思います
わたしが営業部長のとき、深川さんの口癖 「あっ…」について、それいいよね、と言われたとき、どう思いましたか?
深川さん:
私がびっくりしたんです(笑)。無意識でやっていたんです。それを文字化して、「こうやってるよね、深川君」と言われて認識したんです。「あっ、確かに言ってるかも」って。そこに気づけることが、逆にすごいなと思ったんです。
僕自身は意識してなかったので。普通にお話してる上で自然に出ちゃっただけ、というのが答えなんです。戦略がどうこうとかは頭になかったんで。
コミュニケーションを円滑にするという事は頭にありました。それが何となく無意識で出てたのが「あっ」だったんです。文章化して体系化したのを見せてもらったら、確かに全部冒頭に「あっ」がついてたのでびっくりしました(笑)
わたしと関わったことで、一番よかったことはなんですか?
深川さん:
気持ちの持ち方がすごく変わったのが、「心がきれい」になるということですね。一番の影響はそこだと思いますね。
メンタルな話になりますけど、心の支えや考え方って大事だと思うんです。小松さんと出会ってから大きく学びました。
周の方から、なにか言われましたか?
深川さん:
当時のリーダーから「表情がいい」と言われましたね。小松さんが入られる前って、一人でストイックにやってたんですね。同僚とお昼ご飯も取らず、黙々と、一匹狼のような存在で。
小松さんが入って、雰囲気が、ガラっと変わりましたね、みんなともお昼をとるようになって、「表情が明るくなったね」と言われるようになりました。
この方が多分うまくいくんだなと思います。一人でストイックにやるよりも。
同僚あってこそ、仲間あってこそだよっていう仕事の仕方。大きな学びになりました。気さくに聞ける仲間あってこそという考え方を、与えてくれたのは大きいです。感謝ですね。
最後に、あらためて、今はどんなお気持ちですか?
深川さん:
あらためて聞いていただけると、もう一回思い起こすことができました。与えてもらった影響は計り知れないですけど、これからも糧にしていきたいと、あらためて思いました。
こうやって話すことで、自分が学んでやってきたことが言語化されて、再度自分の中に定着できた感じがします。その意味でも、こういう振り返りの機会は、とてもありがたいと感じました。
自分自身が文章にするのが得意じゃないので、「あっ」なんかもそうですけど、文章にして見せられて、初めて気づくので。そういう題材をいただければ生かしていきたいと思います。
他のスタッフさんに落とせることもできますから。感覚で伝えると伝わる人が限られてしまうので、そういうバイブルをいただけるとありがたいです。
掘り起こすとまだあると思うんですけど、これからもまだまだ学ばせていただきたいですので、今後ともよろしくお願いします。
小松:
今日は、たくさんの貴重なお話ありがとうございます。
深川さんに「実直な人間性と、気さくさで、遠慮なく聞けますね」といっていただき、とてもうれしいですね。
入社したときから一緒に営業し、その後、わたしが教える側になっても、こうして本音で話し合える関係がありがたいです。
「『心がきれい』になること。そこが学びの原点なのかなと思いました」と言っていただき、あらためて、この仕事をやっていてよかったと強く思いました。
深川さんには、「気さくに聞ける仲間あってこそという考え方を、与えてくれたのは大きいです」と、会社の同僚と切削琢磨して、お客さんの笑顔のためにがんばっていただけたらうれしいです。