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実は忘れてない3rdアルバム『CLUB33』壮絶解説〜道化師のピエロ〜

マジで激動以外の何物でもなかった2021年も残り数時間となりました。
このタイミングの滑り込みで、やっと半分となった本シリーズでございます。
ちなみに、このシリーズの完結までに、もしくは完結と同時くらいで『CLUB33』を配信にのせたい願望をひそかに抱いております。
歌詞を読みたい人、デザインを堪能したい人はぜひCDをお買い求めくださいませ。ではまいります。

【Lucci】
いよいよアルバムも後半に差し掛かります。
ぼくの意識の中では、この曲が折り返しのサインです。

元々、THE NOSTRADAMNZを始めるとき、ぼくは全員が歌えるバンドがいいなと思っていました。
何度かどこかで言ったかもしれないけれど、ビートルズって全員歌えるんですよね。
ビートルズの音楽って、50年代のロックンロールやスキッフルを下敷きにしつつも、ポールが歌ったりジョンが歌ったり、たまにリンゴやジョージもリードをとることがあったり、それらがハモったり、というところですごくポップな印象になり、尚且つ表現の幅の拡がりもあり、だからこそ世界中で愛される所以のひとつなんじゃないかと思うんです。

ぼくは声のちからって大きいと感じていて、なんだかんだやっぱりインストよりもヒトの声が入っている音楽のほうが、好きだなと思うことが多いです。

あと、そういえばラルクも全員歌えるんですよね。だからこそ、マニアックな部分に根差していても楽曲はポップになるというか、ラルクの曲って歌うのが難しい音並びになっていたりもするんですけど、でも歌いたくなる曲ばかりですよね。

ビートルズをベンチマークとして、全員がボーカルを取るバンドでぼくが真っ先に思い浮かべるのがKISSです。

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見た目がコレなので、デスメタルの帝王みたいに思われがちなんですが、KISSって基本的にはめちゃくちゃポップでゴキゲンなノリの楽曲ばかりで、ロックンロールの「楽しい」を盛り盛りのぎゅうぎゅうに詰め込んだバンドだと思います。

ぼくはもちろんリアルタイムではないのだけど、ぼくが好きな先人たち、具体的にはhideさんだったりYOSHIKIさんだったりマリリンマンソンさんだったりが、KISSをきっかけにロックにのめり込んだという話を口を揃えてされていたので、こりゃあチェックしとかなきゃ、と思って聴いたのが「ALIVEⅡ」というライブ盤でした。

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厚木市立図書館にあったのでお借りしました。

もう曲が始まる前の、割れんばかりの歓声と、何言ってるかわかんなくてもテンション上がるアナウンスだけで、何かやべえことが始まる感があったし、そこから一曲目の「デトロイトロックシティ」が始まって、ギターとベースが入って、さらにギターが重なってハモって、ドラムが入ってダダダダダダダン!!ドカーン!!!!て爆発するんですけど、もうその爆発で死んでいいと思いますね。
終いには血を吐いたり火を噴いたりアンプが爆発したり、もう滅茶苦茶なんですよ。

でもぼくは、自分がチマチマと思い悩んでることなんて全部ぶっ飛ばしてくれるような、それでいて明日をより力強く生きようと思えるような、そういうエネルギーこそがロックンロールだと思います。

列挙して書くと、ライブ前にアナウンスを入れたり、歓声を入れたり、やたら爆発音とか好きだったり、白塗りの人がいたり、白塗りの人が火花散らしたりって、THE NOSTRADAMNZってなかなかKISS度高いですね。

そんなKISSのドラマー、ピータークリスさんがリードボーカルをとる曲が、まさかのバラードです。

https://youtu.be/kHkojuUSDO8

歌詞がまたよくて、家で愛する女性が待ってて鬼電かけてくるんだけど、リハやってるから出られねえし帰れねえんだごめんな!じゃ!みんな!さっきの曲もっかいやろうぜ!→結果朝帰り、みたいな歌詞です。
ぼくはこれと同じような現象によって何度結婚を逃してきたんだろうと思いたくなるんですが、音楽やりながらでもちゃんと結婚して立派にやってる人をたくさん知ってるので、関係ないんでしょうけどね。

置いといて、千葉のピータークリスとして有名なかみむらくんが歌う曲を書きたい!というのがまず先にあって、彼が歌う想定で作ったのが「道化師のピエロ」でした。
そもそも、次のアルバムではメンバー全員がリードボーカルをとるぞ!と息巻いておりました。

あとは、単純にかみむらくんの歌う姿が好きなんですよね。
ライブで毎回歌ってるのを見てて、当然だけどぼくにできないようなハードコアっぽいアクションとか、かっこいいですよね。
さらに、一緒にカラオケ行ったりしたとき、本人は自分は歌へたっぴだと言っていたけど、別に全然下手じゃなかったんですよ。慣れてないだけというか、自分がどこまで出るかとかをまだ知らないだけだなと。
ちゃんと本人に合ったキーを選べば良いものができると感じたので、その頃よく機材車でかかっていた青春パンクをモチーフに曲作りにとりかかりました。
特に意識したのはこのへんです。

https://youtu.be/adAvxPO7F_E

https://youtu.be/8twK1Guwbp0

歌詞も最初はぼくが書こうと思って、スタジオで「隼人が歌う曲を作りたいんだけど、聴いてくれる人に伝えたいこととかってある?」と訊いたら、「伝えたいこと?無いよ!🤡」と言い放たれたので、その瞬間に「君に伝えたいことは無いー♪」とサビが完成しました。
そこから膨らませて、伝えたいことがないことを伝える仮歌詞を書いて、デモを作成しました。

それをかみむらくんが聴いて、ちゃんと自分のことばにして書き直してくれて、ぼくは非常に感動しましたね。
正直ぼくはただのコミックソングくらいにしか考えてなかったのですが、ちゃんと言霊をいれてくれたなと思います。
どうしても想起するのはこれですね。

https://youtu.be/kAOxDLWaZYc

や、想起したんじゃなくておもっくそ意識してたんだった。
改めて聴いて思い出しました。

ぼくらは広い意味でステージに上がる存在として、例え白塗りをしてなくてもピエロなんですって話を前にもどこかに書いた気がするけれど、それに尽きるなと思います。
誰もが抱える、抱えきれない苦しみや痛みを、ほんのひと匙でも笑顔に変えられるなら、ぼくは化粧をしてロックンロールを演奏します。

【8ppy】
ハヤトが歌う曲を作ろう。歌詞書いて。
と、ネモトから来ました。
歌詞作りに難航しているとネモトが言いました。

「何か伝えたい事ある?そういうのあると書きやすいよ」

私は憤慨してしまいました。

「伝えたいこと?思いの丈伝えた所で俺の言いたいことなんてお客に伝わらない、あいつらは分かろうともしない。そんな事して何になる?世の中バカばっかなんだよ。分かろうともしないヤツに伝えたい事なんてねえよ、お前だってそうだよ、さっさと死んじまえよゴミが。あ?何見てんだよ、俺の言うことしか世の中正しくねえんだよ、分からねえか?じゃあ死ねよ?死ねねえか?殺してやろうか?コラ?お?」

先日の新垣結衣結婚の報道を受けて私の心は少々ナーバスになっていました。

ネモトの両耳を食いちぎり左腕をもぎとったあたりで理性を取り戻し筆を走らせました。

そう伝えたい事なんてないんです、でもほんの少し…伝わって欲しいという期待もあります。でもそんなことは不可能なので酒飲んで何かを傷つけて、逃避して、勝手に絶望して、朝になったら少し忘れて。それを毎晩繰り返して数分後か数日後か50年後には気づけば死んで。人生なんてそんなもんでシャナナナです。皆で叫ぼうノーフューチャー。

是非あなたがたの人生を教えてください、別に助けてはあげないけど指差して笑ってあげるよ。あなたがたもこんな私の人生を笑ってやってください。残りの人生ずっと笑い合おう。

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