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8年ぶりに響いたフルートの音

2016年1月に脳卒中を経験し、それまで楽しんでいたフルートを手に取ることができなくなりました。左半身の麻痺が原因で、再び演奏する自分を想像することすら難しい日々が続きました。フルートは私にとって大切な存在でしたが、それが遠ざかってしまったことに深い寂しさを感じていました。

脳卒中後、フルートを吹けなくなった主な理由は5つありました。 

左手で楽器を支えることができない 

指でキーを押さえる動作が難しい 

息を十分に保って吹くのが困難 

唇の形(アンブシュア)をうまく作れない 

楽譜を見て音を即座に判断することができない 

これらの障害が大きな壁となり、再び音を奏でることは不可能だと感じていました。

最初は音を出すことすら難しく、思い通りにいかない自分に落ち込む日々が続きました。それでも、「フルートを諦めたくない」という思いが私を支えてくれました。少しずつできることから練習を重ね、昨年12月にはついに数小節の演奏を録音することができました。

2024年12月31日フルート練習

https://youtube.com/shorts/_7Wjiivh-9Q?si=4l8oiRSvsfnLlx82

ジュゼッペ・ガリボルディ
ミニオンエチュード作品131 No.1 
(最初から数小節)

ジョルジュ・ビゼー
メヌエット アルルの女 第2組曲より
(最初から数小節)

ジョルジュ・ビゼー
メヌエット アルルの女 第2組曲より
(部分練習)


できていないところを数えたらきりがありませんが、一音いちおん奏でることで心が癒やされ、音楽の持つ力を改めて実感しました。これからも小さな一歩を積み重ねながら、再びフルートを心から楽しめる日々を目指していきたいと思います。