本音

母の乳がんは、本日左乳房摘出手術により終了した。

私は連休を使って帰省していた。

昨夜(手術の前日)母が自宅に電話をしてきた。
家には父、姉、私、私の息子(5歳)がいた。
彼女は、万が一のことがあっては・・・との思いもあり、電話をして来たようだが、父から受話器を渡された私が電話口に出ると、姉が出ると思ったのか、『あんたはどっち?お姉ちゃん?』と母。
「いや、お姉ちゃんじゃないよ」と私。
「あー、そっか。」と母。

しばし普通の話をしたが、姉に話があったんだろうなと勝手に察した私は、早々に姉に受話器を渡した。

姉には自分に何かあった時はよろしく・・・的な話をしていたようだ。姉が『何いってんの、頑張ろう!』などと声をかけていた。

そう、昔から母は私より姉を頼りにしている。
頼りにしているというか私は子供時代に母の言いつけを守らない子であり、何かと面倒をかけた。
だからか、昔から私は母とはあわない。母からそんなに好かれていない・・・と思っている。思い込みかもしれないが、普段の会話の端々にもそんな雰囲気を感じ取ってしまう。

大きな手術を目前に控え、母も冷静ではいられないようだった。

そういう精神状態の時こそ、本音というか、本当に気持ちが出てくるんじゃないかな。

それがあの電話だった。

そうだった。思い出したのだ。
小さい頃から、そんなに母から好かれてなかった。
母とは性格もあわない。嫌いじゃないけど、共感することも少ない。
母もきっとそうだろう。
切羽詰まった精神状態の中で、ふと、本音みたいなものが出てしまったんじゃないかな。

子どもの頃の感覚を、ふと思い出してしまい、少し辛くなった。

ここに書き記すことで、この思いを成仏させたいとも思った。

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