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田沢湖で夏を盛り返す(秋田いぬ含有)

 8月下旬盛岡に帰省中、友達のSNSでみかけた田沢湖画像が海みたいに青くて明るくてとても素敵な夏に見えて、あやかりたくなって、よっしゃ夏を仕上げたる…!と奮起した。
 しかし所在地は秋田県、とあるからには今いる盛岡からとても遠いと思っていたのだけれど(注:岩手県はそこそこ広いため隣県に対してものすごい距離感イメージを持つ習性がある)実行してみたら今回の時間設定ならば公共機関のみでも案外さっくり行けたので、皆さんも岩手にきた時にもどうですか&よかったらの記録。この時間設定ならば(便の本数を踏まえての強調)下手な県内移動よりほんとにアクセスよいので…かなりよいので…(よい方なんですよ!岩手を舐めるな…!)

 朝、盛岡駅に向かいながら「えきねっと」で9時台に出発する東北新幹線「こまち」をeチケットで購入し、自分と同行する子の交通系カードにそれぞれ振り分ける。JR東日本を使いこなすナオンとしてかっけえ…とスマホをタプタプさせながらひとりでうっとりする(だがしかし東北、eチケットが適用できる範囲は限定されるので気をつけて欲しい。まだまだ物理切符しかない土地があるので…)。

  • 東北新幹線「こまち」盛岡-田沢湖:指定席で片道2,060円(約40分)

 シュッとした新幹線フォルムの割に、盛岡駅以降は在来線スピードでトテチテと単線を走る「こまち」(かわいい)に揺られながら40分であっさり「田沢湖駅」着。えっ近い。

 駅前のバス停で10数分待って、乗車15分ほどで「田沢湖畔」11時直前に到着。乗り換え時間ロスもなくシンプルに到着できた。えっ近い(2)。

前から乗るか後から乗るか試されるバスたのしい。
  • 乳頭線「乳頭蟹湯温泉行」:田沢湖駅-田沢湖畔まで片道370円(約15分)
    (なんでかPayPayが使える)

 バス停を降りてすぐそばにあるレストハウス脇の遊覧船乗り場でチケットを購入、ロスなく11時の便に乗船。流れるように無駄のない行程で気持ちがいい。盛岡駅から1時間ちょっとで私は今、船に乗って田沢湖上にいます。湖水のしぶき受けています。近いな。

  • 田沢湖レストハウスより田沢湖遊覧船:大人1,400円(約40分)

思い立って翌日湖上いるのたのしい。

 田沢湖の湖畔は水としてみたことのない青色をしていた。色指定間違った?なんか入れた?みたいな青。後になってこれが田沢湖ブルーだのプルシャンブルーだとコバルトブルーだの言われてると知る。知らないでみるとびっくりする(した)。

なんだこの色。(先日行った遠野で入手したハムかっぱを添えて)

 船内放送が見どころなどを説明してくれるも、ずっと立っていた後部デッキではエンジン音でなにも聞こえず、嘘みたいな青色の上でなんかの鳥居とかなんかの像がただ通りすぎていった。(聞きたい人は船内へ!)

なんかしてなんかになった伝説の姫像(とハムかっぱ)

 船が停まると餌付けされてるらしい魚がわらわら寄ってくる。こわいくらい寄ってくる。うぐいという魚らしい。水質の都合上この魚しかいないらしい。

ひえっ。
下船後、自己紹介でうぐいと知る。

 下船した浅瀬にもうぐい、たくさんいる。ここまで大量にいる理由と意味はなんだろうか。美味しいのか。見回しても特に塩焼きなどは売っていないようだった。食わせろ(via.景山民夫)。

おるねえ。

 下船後、近くのレストハウスで休憩。
 レストハウスという存在にひどくテンションがあがる。レジャーしたことがない半生の飢餓感と憧れ、今は大人になって自分の意志でここでなにを買って食べて飲んでもいいのだという高揚。叶わなかった幼少の自分を接待させてる修復感。
 あと武田百合子の「富士日記」が好きで、そこに出てくる富士山界隈の昭和のレジャー隆盛期のいいも悪いもごちゃごちゃしたレストハウス描写からくる感情もあると思う。

こういうの!行きたかったの…!

 レストハウス内には景色よい食堂があって、かつて模食があっただろう代わりに料理写真が並ぶ立体の厚みを失ったガラスケースを睨み睨み、入口のレジにて田沢湖ビールとミニ稲庭うどんの食券を購入した。

湖畔がのぞめる食堂。食券式なのがよいねえ…。

 生ビール、つめたい山菜いりのミニうどんで移動の疲れから復活。

TAZAWAKO BEER…
割り箸袋のロゴがいい…。レジャーにきた感そそる…。

 この食堂で子が注文したラーメンが、レストハウスでたべたいラーメンとして百点満点のビジュアルと味で最高だった。変にご当地感出さず、全国各地レジャー場としての最大公約数の正解、疲れたり昂って鈍ってる舌にあうわかりやすい親切な味。しかも具を丁寧に揃えてよそってくれてる優しさもあって、なんていうか、よかった。勝手に都合よく読み取ってるだけかもしれないけれど、ほんとによかった。

 自分はレジャーに対して過剰な憧れがあるのだろうと思う。

器も満点、とてもよいレジャー場ラーメン

 食事をしたレストハウスの向かいにあるレストラン&土産物屋で秋田いぬ見学できるというので向かう。

  • 秋田いぬ見学料:100円(飲食、買い物をすれば無料とのこと)

秋田いぬ。
おった。

 土産物屋裏手にある観光バスの駐車場が見学場所になっていて、そこから出入りする観光集団に秋田犬が撫で擦られていた。
 普段はコーンとロープで囲われた中にいて、その外側から見るだけになっているらしいけれど、たまたま飼い主さんが在席しておりお触りフィーバータイムになっていた模様。飼い主さんがこちらにも「触る?」と声をかけてくれたので集団が去った後、撫でさせてもらう。気立てがよいのか人見知りせずぐいぐい寄ってきてくれた秋田犬の耳は毛で分厚くしっとりなめらかでちょっとひやっとしていた。

秋田犬が近い。
秋田犬が暑い(秋田でも暑い)

 晴れて、暑くなってきたのですぐ近くの遊泳場に足を伸ばす。

湖畔

 裾をまくって足だけ入ってみる。湖水は日差しで温められていてそんなに冷たくない。風やどこかのボートかなにかが伝わってくるのかたまに波立っては寄せては引いて海っぽい。けどゴミも浮いておらずとてもきれいで透明。草も生物もいない。なんていうか水質の力だ(酸性)。

きれい、生物あまりいない。

 潜ったり水蹴散らかして泳ぐ児童とその世話をする家族連れ、に混じってお互い服着たままの子(成人)が砂浜でソフトクリームを描き、寄せては返す波がコーン部分を掻き消してはうんちになる波打ち際ギャグを繰り返していた。人類それぞれの夏描写がある。これからもなんとかできる範囲でたのしく生きていこうな。

ソフトクリームを描写し
ああっ波がっ、うんちに。

 海水だと後で洗って落とさないとガビガビのカユカユになるけど、真水なら入っても上がるだけでよいので湖水の遊泳は気楽でいいなと思った。いつか遊泳してみたい。

 バス時間が迫ってきたのでバス停付近まで湖畔沿いを戻り歩く。東北の夏休みは短くすでに終わっていて、それに合わせたのか貸しボートも陸揚げされ、整列していた。きれいに湖畔に並ぶ現役ボートよりはずれたもっと奥に、引退したっぽいボートが寂れて色落ちしながら一箇所に集まっていた。夏と存在を引退していた。

手前のはなんの…アニマルですかね… 

 15時のレストハウス前発のバスに乗って再び田沢湖駅へ。帰りは急がないので在来線で行こうと田沢湖線で。

激渋テクスチャの田沢湖線。

 田沢湖線、奥羽山脈の山を川を横断して縫っていく路線で、山を切り開く人類の力…!と県境を脱するまでの眺めに非常に興奮した。

緑がすぐそこ
川と山がすぐそこ
なんとか荒ぶる自然を御した風景がすぐそこ。

 田沢湖線、ほぼアトラクションと見間違う光景にこれ盛岡駅まで1時間近く楽しめて千円以内でいいんですか、て、いやいやこの目線はツーリズムの消費のアレでといいのかと揺さぶられながら駅に着。

  • 田沢湖線 田沢湖駅-盛岡駅 片道770円(約1時間強)

 盛岡駅着。駅前ターミナルからバスに乗って夕方には実家帰宅。日帰りでも充実したけれどいつか周辺の温泉に泊まったりしてみたい。

たのしかった。ありがとう。

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