腕まくら

遊び疲れて、ベッドへとダイブするボクら

「腕まくらして?」

というボクの要望に対して
何も言わずに腕を差し出すキミ

今日あったことを振り返る時間

今日も楽しかったね

そうやって話しているうちに
意識がだんだん薄れていく

やがて、ボクたちは静けさの中に
お互いに身を委ねて夢の世界へと
向かっていくのだ

聞こえてくるのは、息遣いだけ

その吐息の音が、とても心地よくて

夢の世界への歩みが加速する

そうして、気付くと
2時間ぐらいの時間が過ぎていった



意識が現実世界に戻ったボクは

目を閉じたまま
身体を彼の方へと近付ける

ボクが動くと
彼はボクのことを

ぎゅっと抱きしめてきた

ボクもぎゅっと
抱きしめ返そうかなと思っていたら

汗をかいていたボクに気付いたのか
掛け布団をめくるキミ

タンクトップの肩の部分が
ずれていたのか
それを直してくれたキミ

ボクはまだ目を閉じている

もう一度、キミはボクのことを
ぎゅっと抱き寄せると

今度はボクの頭を撫でる

ボクが寝てる間
いつもこんなことしてくれてるんだ…

そう思うと、彼のことが
もっと愛おしくなった

同時に、意識を手放したボクを
大事そうに扱ってくれる彼の愛情を感じて

もう少しだけ、そんな彼に甘えたくて


ボクは寝たフリをするのだ


現実世界でも、ボクは夢を見ているような
そんな気分にさせてくれる

彼の腕まくらが

大好きだ。

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