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ひし形金網でドレスを作ろう
このプロジェクトは2022年11月19日東大阪のオープンファクトリー「こーばへ行こう!」で
ひし形金網製造の共和鋼業株式会社のワークショップに参加以来
ひし形金網の魅力に取り憑かれてしまったところからスタートする。
公園のあの緑のフェンスが特別な存在に
友達と遊んだあの公園にあったフェンス。
足を引っ掛けよじ登ったり
友達と話しながら手持ち無沙汰で手で広げ形を変えたり(やったらあかん)
鮮やかな緑が経年で白っぽくなって、緑のコーティングが少し剥がれ中の鉄が錆びているのが見えていたり
特別な思い出はないが記憶の片隅にある風景。
そんな、特に気にもかけないひし形金網に特別な思いを抱いたのは
共和鋼業の皆さんと出会ってから。
ひし形金網をとことん楽しむ「ひしざんまい」なテーマパーク
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ひし形金網のクリスマスツリーに感動
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とにかく感動したのが社長のヒシオさんはじめ、みんなでひし形金網を楽しんでいること。
デザイナーさんとコラボしてカッコよくするのもありだが
あえて加工するわけでなく、ひし形金網そのままを日常に取り入れている、そこが凄いのだ。
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そして、何よりカッコいいのが
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こういうのを待ってました!
たとえば、どこかのハイブランドがひし形金網のモチーフで装飾品を作るとする。
そうしたら金網はゴールドかプラチナかになって余計な格上げをされてしまうだろう。
しかし、そういうのはいらない。
ねじでも金網でも
本来の姿のまま装飾品やインテリアなどに取り入れ、私はそれを身につけたいのだ。
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ひし形金網ブレスレット
そこで私は思ったのだ
ひし形金網をドレスにならないか?と
そこで、ヒシオさんに相談する。
「ヒシオさん、ひし形金網のドレスを作りたい!」
「形は?」
金網メーカーでドレスの相談など予想すらしなかっただろうに
ヒシオさんは普通に聞いてくれる。
「あの傘立てみたいに体に巻いたらシンプルなワンピースになると思うねん…クリスマスのツリーの時みたいにフレアにしてもいいなぁ」
「それは…座られへん」
「え?」
「金網ですよ、曲がりません」
あ、確かに…
「上下分かれるので作ろうかな」
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「金網はどんなのにしますか?色や網の目の大きさも決めましょう。ちなみに目が細かいと金網が多くなるので重いですよ」
「そうかぁ、金網感が出る程度の大きさで色はシルバーが高級感出ていいなぁ」
「じゃあ、あとは長さですね。うーん、これなら、ひし4か5くらいかな」
ヒシオさんは親ゆびと人差し指で測りながら、メモを取り出し寸法を書く。
…といっても大小の長方形だけだが
「じゃあ、見積り出して連絡しますね」
私にとって人生初のオートクチュールの服だ。
ほどなくして
ヒシオさんから生地ができたと連絡。
足取り軽く受け取りに行ったところ
帰り道は、なぜか重い。
念願のひし形金網オートクチュールというのに
どうしたというのか??
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単に金網が重かっただけと言うことに気がつく。
さて、ドレスの制作だ
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手芸屋さんで合皮の紐を購入
だいたい37センチくらい
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金網と繋ぐフックをつける
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これで肩紐の完成だが、あとで一つ外れてしまい
カシメはもう少し多めに打てばよかったと反省。
そして完成品はこちら。
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帝国ホテル大阪のチャペル前にて
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アンダーに黒のワンピースと合わせ
美しいひし形を表現。
素晴らしい出来であった。
次回への改良点
好きすぎるあまりに灯台下暗しでは行けない。
これはあくまで試作であるので
完成形までまだまだ努力をしなくてはならない。
まず、上下別のセットアップは良かった。
ヒシオさんの指摘どおり座れないのもあるが
お手洗いなどにも不自由となるだろう。
で、そのセットアップもだが
今回、トップスの丈をジャストサイズにしたため、こちらもお手洗い問題でいちいちトップスを脱がないとアンダーのフレアパンツが脱げないという問題に直面した。
また、肩紐で若干上げられるのだが
脇にひしが食い込んでしまうため限りがある。
また、着席できるが常に背筋を伸ばし続けねばならないので動きが怪しい人となる。
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イメージではわからなかった着心地を体感することにより、より進化したひし形金網ドレスが製作できそうである。
あとは、体型もカバーしてくれるし
華やかさも兼ね備えており
ひし形金網ドレスはありである。
【テキスタイル】
亜鉛めっき鉄線線径3.2網目50
幅400と500の二種類、
長さ1000