にんにくをいくつ潰すか葛藤する。〈らーめん にんにくや 小平店_学園東町〉
あかしあ通りを小平駅から15分ほど歩いた場所にある日曜祝日はお休みで夜しか開かない(18:00~24:30)ハードルが高いらーめん店。
日中の降りるシャッターに大きくにんにくが描かれているところ。夜遅く通る店先に並ぶ行列にずっと気持ちを惹かれてました。
ある日の小平で友人と忘年会。その帰りに絶対に食べると決意。会を終えてそわそわと友人を駅まで見送る後にチャリを飛ばすあかしあ通り。
ぼんやりと灯る明かりが視界に入り開いていると安心しもう一漕ぎ。外に待ち人も無くラッキーと焦る気持ちで自転車を止め店内に入るとベンチに数人の待つ人。
小さな券売機には「らーめん」、「のりらーめん」、「チャーシューめん」、「のりチャーシューめん」とそのみそ味と替玉とビールと「ボタンを連打しないでください」のお願いの張り紙。
ここで連打って、酔客のテンションかと想いを馳せながら、基本の「らーめん」を購入してベンチに座る。
豚骨を炊く臭いとにんにくの臭いで満ちるのに、カフェバーのようなポップな内装のゆとりのある店内のギャップ。
がっつり武骨で男子の聖地と思っていたけれど、カップルが多いにびっくり。焼肉を一緒に食べられるのは本物のカップルなんだよなんて言ってたね。
黒のキャスケット帽をかぶり、黒のTシャツとだぶとしたズボンに白長靴を履くルイージのようだが第一印象の店主に物腰柔らかく案内されて席に着き食券を手渡しする。
カフェバーのようでいながら、ジャンクにまみれろと言わんばかりに、皮をむいた生にんにくがごろごろと入るタッパにそのにんにくを潰す道具と紅生姜に胡椒に豆板醤と追いダレ。
それでも乱雑さはなく整い置かれる綺麗に拭きあげられたテーブル周りに店主の姿勢が伝わってくる。
らーめんが届く隣りの男子が、慣れた手つきでにんにくを潰す道具を使い、一粒づつ潰して、潰して、潰して、潰すを繰り返す。まだ潰すかと恐々としながら横目で見つめる。若いって良いね。漂うにんにく臭と戯れていると提供されるおいらのらーめん。
みぞれのような背油で埋まる麺顔はこってりを想像するも、やわらかに豚骨が融ける角がない醤油のさらとしたスープに粒々の背油の甘さとコクが交じり旨。
背脂を纏う艶やかで艶めかしい細い真っ直ぐな麺が唇を滑り、ともに頬張る軽く茹でたもやしの食感に大きなチャーシューが肉々しく肉厚で噛みしめるごとに肉の旨みが溢れるが堪らない。
このままで充分においしいらーめんだと思う。
でもやっぱり「にんにくや」だからと、タッパからトングでにんにくを一粒摘まみクラッシャーでグイっと潰し絞り出すにんにくをナイフですくい取りえいっと投入する。
混ぜあわせて啜るスープと麺はさっきまでのやさしさはどこに行ったのとワイルドでジャンクに変身。
もう一粒と葛藤するも、翌日に持ち越す自分が発するにんにく臭がどうも苦手で我慢する。一粒でも充分にがつん。心地良くパンチを浴びて食べ進めていると、周りがほぼ替玉を頼むのを見て、心が揺れる。
券売機に向かい、100円玉を入れ替玉のボタンをポチとして「替玉お願いします」と店主に伝えてました。
直接どんぶりに投入される替え玉は、硬めの茹で加減。スープに軽く浸しながら、ダレずに繰り出すパンチを受け止めて、追いダレを掛けまわし、ぐいぐいと推す推進力に箸が止まらない。
スープをほぼ飲み干してごちそうさま。
気持ちよく夜風をあびて家に帰り風呂にはいり寝室で寝たら次の朝、全開の窓から吹き込む冷気で目が覚める。ごめんよ家族。
たまに臨時休業になる時があるので「らーめんにんにくや@東京小平」のツイートでチェックは必須です。
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