J3クラブライセンスを考える
という事で去る9月26日にJ3クラブライセンスが発表されました。
結果は以下の通り。
レイラック滋賀、高知ユナイテッドSCの「継続審議」はさておき世の中をざわつかせたのはクリアソン新宿へのライセンス交付だったかと思います。いわゆるJ3を目指すにあたってほぼ全てのクラブが苦労したであろうホームスタジアムの問題を今回の決定は事実上棚上げした。というのが原因です。
クリアソン新宿のホームである新宿区には国立競技場が存在します。クリアソン新宿は当然にそこを意識していたからこそJFLにおいて国立競技場での試合開催という実績を積んできました。正直この実績はライセンス交付の決定に対して相応にポジティブに反応したであろう事は想像に苦労しません。
とは言え、とは言えクリアソン新宿にとって国立競技場がホームスタジアムであるかどうかと言えば少なくとも現時点ではNO!という事になると思います。ではなぜライセンス交付?となるのが本筋でしょうが、そこについてJリーグは「クリアソン新宿は施設基準に課題があるものの、東京23区というホームタウンの特性に鑑みJ3ライセンスの交付を決定しました。」とコメントを記載しています。要するに「特例」という事になるかと思います。Jリーグには「ホームスタジアムで80%のホームゲームを開催する」というルールがあります。クリアソン新宿が万が一ホームタウン新宿区のスタジアムである国立競技場をホームスタジアムにしたとしても、今度はJ3(昇格出来たとしてですが)のホームゲームの大半を国立競技場で開催しなければならなくなります。集客と費用を鑑みるととても採算が合うとは思えません。だからこそホームタウン新宿区ではない北区の西が丘サッカー場などでもホームゲームを開催するという特例が適用されたという事になったかと思います。
正直この判断には賛否両論あると思います。ホームスタジアムの問題で苦労しているのは全てのチームに共通します。その一番大きな問題を東京23区という理由のみにおいて棚上げしてよいのかという事だろうと思います。
個人的に応援している東京武蔵野も正直この問題でJリーグをあきらめていると言っても過言ではない状況なので複雑な思いがあるのが正直なところです。という武蔵野も過去は特例にてJ3クラブライセンスを交付された事実があります。
上記です。これは2019年9月24日のJリーグ発表です。ただしこの時の特例は武蔵野にだけ与えられたものではなく「武蔵野はJ3クラブライセンス申請に伴い、J3クラブライセンス交付規則第8条〔施設基準〕第2項I.01第3項第1号の例外適用申請を提出。(5年以内のスタジアムの新設)」というルールに則ったものです。結局、武蔵野はこの「5年以内のスタジアム新設」が難しいという理由により翌年のライセンス申請自体を見送ったという経緯があります。ですのでクリアソン新宿は本当の意味において特例でライセンス交付に至ったという事になります。
先ほども記載した通り個人的には複雑な思いもあります。ですが究極的にはサッカーである以上はまず第一に競技力(要は勝ち負けですね)で上に行けるかどうかを決めるべきと個人的には考えています。正直勝ち続けるチームであれば今はサポーターが少なくても、観客をたくさん呼べるスタジアムがなくても後から自ずとついてくるので?という事です。現状のルールではまずは箱物(スタジアム)が用意できて、そこから勝ち負けによって上にいくかどうかになっているのですが、箱物は後からでも良いのでは?と考えています。
人によっていろいろな意見があると思います。皆さんはどう感じられたでしょうか?きっといろんな考えが交錯している事だと思います。