くものいろ

夜になると眠れない
不思議なもので
深く潜れば潜るほどに
遠ざかる夢
.
誰の影を追う
名前も知らない
よく似た人
.
半ば強引に目をとじる
そうする方が
よく見えることだってある
と信じてやまない
だからだろうか
どんなに離れたとしても
見失わないくらいに
確かめながら
また夜に帰るんだ
.
.
朝になると笑えない
不気味なようで
早く届けば届くほどに
覆る夢
.
誰の後を追う
名前を呼べない
もしもの時
.
やけに丁寧に手を握る
そうするだけで
まだ変わるものだってある
と信じてやまない
だからだろうか
ほとんど忘れたとしても
見失わないくらいに
間違えながら
あの夜を跨ぐんだ
.
.
見せつけて
見飽きさせて
黙らせて
.
半ば強引に目をとじる
そうする方が
よく見えることだってある
と信じてやまない
だからだろうか
どんなに離れたとしても
見失わないくらいに
確かめながら
また夜に帰るんだ
.
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かたくるしいのも、そろそろ。