僕の世界

雨でも降ればいいと
口を衝いた所で
気が紛れることもなく
くっきりとした影が
ぽつんと落ちているだけ
.
槍でも降ればいいと
口を衝いた所で
楽になれる訳もなく
こっそりと出た部屋を
静かに恋しがるだけ
.
独り言ちるのにも
ユーモアが要る
.
味のしなくなったガム
半額の菓子パン
淹れてきたコーヒー
だだっ広い駐車場の片隅
それだけ
たったそれだけ
それだけが僕の世界
.
.
風邪でも引けばいいと
莫迦になった所で
目を疑う暇もなく
がっかりとする顔が
今から目に浮かぶだけ
.
独り言ちるのにも
アイデアが要る
.
味のしなくなったガム
半額の菓子パン
淹れてきたコーヒー
だだっ広い駐車場の片隅
これだけ
たったこれだけ
これだけが僕の世界
.
ラジオ 映画 テレビ 本
半袖にサンダル
ミニチュアのダックス
薄っぺらい感受性の風呂敷
そのまま
ずっとそのまま
そのままの僕の世界
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勝手に目蓋が下りてきては、いつの間にかタイムスリップをさせる。なのに改めて見渡すと、何一つ変わっていない風景に、どこかがっかりしてしまうなんて、僕は一体何を望んでいるんだ。