恵比寿で写真をいろいろみた日
先日、恵比寿ガーデンプレイスへ出かけた。ビアステーションは休業中、三越は閉店とガランとしていた。
東京都写真美術館で開催している「リバーシブルな未来」展を観た。日本とオーストラリアの現代写真の展示。これまでオーストラリアの写真について触れる機会がなかったので新鮮だった。日本の作家では、石内都さんの作品がぐっときた。多摩美でテキスタイルを勉強されていたこともあるようで、糸、布、衣服が持つ想いや記憶を感じられる写真。
次に、眼鏡屋さん「Continuer」へ。新しい眼鏡が欲しいと思っていた。今かけているのはピンクゴールドの丸型フレームなんだけど、同じようなかたちでもっと軽さがあるフレームがいい。入店してまず手に取った眼鏡がまさにイメージにぴったりで一目惚れ。お店の方の接客も素晴らしく、勢いで購入してしまった。大切に使っていきたい。
その後、アートブック専門店を2軒はしごした。
「post」では、オランダのアーティストFleur van Dodewaardさんの展示をやっていた。Fleurさんが新型コロナの影響で来日が叶わなかったために、四国・神山町で暮らす15人に使い捨てカメラを渡し、彼女の指示書を元に写真を撮ってもらったという内容。写真を通して、知らない場所に住む人々と関係を結ぶことができるって面白い試みだ。
最近、私はファッションについて勉強していて、「ファッション系の写真集はありますか?」とお店の方にざっくり尋ねると、オススメの本を色々と紹介してくれて嬉しかった。とくにオランダ出身のアーティストユニットによる『ZEEN』という本が、リサーチと実験の緻密さ、仕上がりへの強烈なこだわりがすごくて欲しくなった。
「NADiff」では、内モンゴル出身のアーティストRyu Ikaさんの展示を観た。現実をグラグラと揺さぶられて、世界の裏側に引きずり込まれそうなパワーのある作品。赤々舎から写真集が出ているから写真表現をする方と思っていたけど、インスタレーションで観る醍醐味のある作家さんだな。もっと大規模な展覧会を観てみたい!ダイナミックな物量を利用して人の気持ちをザワつかせる雰囲気が、ベクトルは違うけど塩田千春さんの作品に通じると思った。
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知らない世界に飛び込んで、ハプニングに巻き込まれる状況が好きだ。本当のことにはそれほど興味ないけど、ものごとの本質に迫ることが好きだ。分かり合えるはずないのに、人と分かり合えてしまった気がする瞬間が好きだ。
初期衝動で生まれたものも、文脈をくんで練られたコンセプトも、家の中の何てことないものも、遠くの場所にある圧倒的な文化も、美しいと感じるものひとつひとつを自分の眼で見て、手で触れて、健やかに強く生きたいと日々思う。