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気がつくと 思いつめてたから、ゼリー

わたしは不幸体質の人間なのだろうか。
ときどき、寝起きざまに思いつめてしまい、これからさき生きていくのがとんでもなく大変なように感じられることがある。
多額の借金を抱えているでもなく、DVを受けているでもなく、雨風がしのげる家で、さっきまでぬくぬくと寝ていたくせにだ。

そういうときのわたしは大抵、「この人生をいい感じでクローズしていく難易度は相当高い」と途方にくれている。もし火事が起きて大事なものが全焼しちゃったらどうしよう、あした急に一人ぼっちになってしまったらどうしよう、退職後はホームレスになるかもしれないどうしよう…と、朝のベッドの中で悪い妄想をいっぱいして眉間がぎゅっとなってしまう。

自分なりに原因を探ってみると、たいしたことはない。半径2メートルの生活と、SNSの世界との境界を、自分の内部でごちゃごちゃにしているらしいのだ。
ねる前に辛いニュースに触れてしまう日は大抵よくない。辛いニュースなんて控えればいいのに。うっかり見つけては熟読して心をひたしてしまうことがある。

そうして思いつめてしまった朝は「ああ、なんだかまた勝手に思いつめてしまった…」と家族に打ち明けて、日光をしばらく浴びるとバランスがもどってくる。
きれいなゼリーを食べる、というささやかな儀式もよく効く。

おもいつめちゃったら11

辛いニュースを避けては通れないし、目をそらしてはいけないこともあるけれど、
そのことで自分が崩れてしまわないように。
祈りながら、きれいなゼリーを食べる。

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