とりあえず隙間を埋めるための文章
流れた
酒とともに流れてしまった
HUB高田馬場 夕方5時 マスカットモヒート
もう一生頼まないだろうお酒を頼む、そのことでもうそのお酒を飲むたんびに思い出さなくていいからだ。
とにかく、そこで私たちの関係は終わりになることがわかっていた。いや向こうが彼女ができたと連絡してきた時点でわかっていたんだ。だけどどうしても最後に自分の気持ちをわかって欲しかったんだ。
とにかく私があの人に、自分はあなたのことが好きであなたと付き合っていたんだよということ、遊ばれているというのはわかっていたけど。というのを知って欲しかった。向こうの彼女ができたから別れる、会わないというのは勝手すぎる。
当たり障りのない会話や向こうの就活の話、親との葛藤、あの人の頑固な性格ゆえに人とぶつかってしまう話など聞いて、思わず、やはり好きだなと思ってしまう。
だけどちゃんと自分の思いを伝えた。もうおそらくこれは自分の意地だ。
あの人は、自分の気持ちよりも、理屈ばかり言って隠す人なのだ。あの人に、「あなたはこうやって口論になると絶対自分の気持ちは曲げない。そして理屈で論破する」「あなたの気持ちはどこなの?」「きっと自分の好きよりも、相手にリスクがないから(他大学の彼女)付き合うんでしょう?本当に好きなの?彼女はあなたの性格わかっているの?」
と言った。私はもう別に、向こうが私のことも好きだと言ってくれれば関係を続けててもよかったのだ。だけど向こうは感情を言わない。感情を行動で示す人なのだ。
もうこんなに言ってしまったら、終わりだ。私のことを「好きじゃない。付き合えない」と言ってもらえた。
これで良かったのだ。自分の気持ちも知ってくれたし、泣く前に店を飛び出したおかげで泣く姿は見せずに済んだ。残っている微かなプライドが保たれた。
それからの私は、自分の肉体はどうでもよくなっている。流れに身を任せればなぜか隣に知らない男はいる。当分はこんな調子だろう。まあそれはそれで忘れられるし、お酒をたくさん飲めばどうにか記憶も流れる。
心の隙間を埋めてくれる音楽、本、とりあえずの隙間を埋めるためだけの文章、、これでどうにか成り立っている。誰かしらみな、隙間を抱えている。こんなもんだろう。
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