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ネイルをする会(たちくらようこ)
1月下旬のある夜、円盤に乗る場にて、朝比奈竜生さんによるネイルをする会が行われました。
円盤に乗る場って実際なにやってるの?て思われる方も多いと思いますのでさくっと解説しますと、
利用時間がいちばん多いのはパフォーマンスの公演に向けての稽古で、次いでリサーチや日々の練習など制作の一環となる活動があり、さらに、一環というには遠回りな、いつどこでどう結実するのかわかんない、ぱっとみ遊んでる感じの集まりがちょいちょいあります。ネイルをする会は、ぱっとみ遊びのなかでも特に遊び感があるタイプです。
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朝比奈さんは、ドラマトゥルクで、劇団・青年団の演出部にも所属していて、3月に上演するこちらの公演の翻訳もしています。乗る場では、戯曲を音読する、あわよくば立ち稽古(上演する想定で動いてみる)する、時には歌ってみる、という、公演を目的としない稽古をよくしています。
今回のは、屋根裏ハイツという劇団のメンバーの渡邉時生さんがネイルをしてて(ちなみに屋根裏ハイツの劇作・演出家の中村大地さんも乗る場メンバーです)、それをみた朝比奈さんが真似したくなった、という軽率な理由で開催されました。軽率かつノープランに集まれるのも乗る場の良いところです。
この日集まったのは、朝比奈さん、渡邊さん、俳優の春原愛良さん、と私。それぞれ朝比奈さんとは知り合いだけど他の方は初めましてです。こういう初めましての方大集合みたいなのも乗る場あるある。
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自己紹介も兼ねて、持参のマニキュアを見せ合います。渡邊さんのはパステルカラーの統一感がうつくしい。朝比奈さんはこの日のために購入したとっておきの2色。春原さんとたちくらは雑誌の付録、それぞれの雑誌の系統を思わせる色合い。
まずは、下地になる透明なやつ、ベースコートを塗って乾かします。
乾くまで、リーダーがネイルをはじめたきっかけを聞いたりします。仕事がリモートになった、ネイルしてる男性アーティスト、「だから私はメイクする」「僕はメイクしてみることにした」(どっちも講談社のマンガで講談社にそういう流れがあるのでは説)の話などなど。あと、習字の小筆てなんであんなにむずいの!(渡邊の邊ぜったいぐちゃってなる!)とか。
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ベースコートが乾いたら、いよいよ色付きマニキュアを塗ります。お習字小筆の技量が問われてますなう!!マニキュアもいっぱいあるので、指ごとに色を変えたり、重ね塗りしたりできてしまう。迷ったり提案しあったりしつつ、和気あいあいと塗って、乾くのを待ちます。
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待ちながら、この色いいですねとか、あの映画みました?とか、まわりにギャルっています?とかをだらだらしゃべる。こないだ見た映画で書道のシーンがあって〜とか、みました~とか。
マニキュアによっては塗りムラができるので、二度塗りします。そして待ちます。
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その間、爪の形お椀みたいですね、派手色が合うね、戯曲のキャスティングごっこしたんですよ一緒にやった人のプランが面白くてー、あ身近なギャルいた!あそのギャル共演したことあります!!みたいなことをしゃべる。
トップコートというこれまた透明のを塗ると仕上がりが格段によくなるとのことで、塗ります。そして待ちます。
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乾くまで、演技するモチベーションってなんですか?......と、ちょっと突っ込んだことをしゃべる。あの人の演出のに出たいとか他人が動機だから自分が動機になりたい、他人の思考回路をインストールしたい、スポーツですね、とか。それぞれちがって、それぞれほぉぉーとなる。
できました!!
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ネイルっぽいというチョイスの夜更けのおやつ、マカロンを頂きつつ振り返り。
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♫やぁ楽しいですね〜♪♬ 隣の人がより攻めてるから躊躇なくイエローとか塗っちゃった、意外といいじゃん!イエベとかブルベとか気にしてたのなんだったんだ!自分の爪の可能性を発見しまくりです。
そして。
雑談がはかどる~~~~~
簡単な手作業しながらする雑談が楽しい、ていう経験ある方も多いと思うのですが、それでした。
なんかずっと会話途切れずさらっと深い話を聞いたり喋ったりしましたが、いやいやいつもこんな喋んないぞ?!(なんせ朝比奈さん以外は初対面なのでわかりませんが、少なくとも私と朝比奈さんはそうではないぞ!)。爪を好きな色に塗るっていう、それ自体が楽しくて、ほどよくクリエイティブで、いつやめても再開してもいい、やりたいからやってる、自分をきれいにするための個人作業。あまり知らない人同士で会話を楽しむのに最適でした。ネイルの話だけでも楽しいし、ちょっと気合がいることも、爪を見ながらなら聞けてしまったし話せてしまった。
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自分にできるおしゃれを更新したいとき、もうちょっと仲良くなりたいとき、いつもと違う話をしたいとき。いかがでしょう、みんなでネイル。けっこうおすすめです、みんなでネイル。
とこう遊び感こぼれでるレポート書いてみましたが、こういう遊びってとても貴重でいざやろうとしてもできなくて、そのくせ魂の基礎体力がチート的に向上して、走馬灯に映るのはきっとこういう記憶だったりするんだろうな。で、こういう体験を人工的に作り出せるのもアーティストなのかもしれないな、と思います。円盤に乗る場は、魂の栄養になるものをつくろうとするアーティストの魂が、栄養を補給する場所なのかもしれません。
というわけで、なんの足しにもなろうとせずに遊んでる円盤に乗る場も、まわりまわって走馬灯に投資するつもりで、気長に応援していただければ幸いです。
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