FF16クリア後レビュー

長所

・超美麗な映像


ムービーがすべてリアルタイムレンダリングで、常に高い画質のキャラを動かしたり風景を楽しむことができる
人物のモーションや造形も限りなくリアルに近く、特にクライヴの肉体美(笑)には驚嘆。
自然物や人工物も質感が非常にリアルで、目の前にあるものとほぼ差異はない。
特にエンディングで流れた海の描写は、誇張なしで実写としか思えない流麗さだった。
そんなクオリティでぶち込まれる召喚獣合戦は、もう一つの映像作品といってもいいほどのど迫力さ。
PS5独占で本当によかった。

・ストレスフリーなロード


ワールドマップからの移動は2秒程度ロードを挟むが、攻略に関しては極自然にプレイモードからムービーに移行するので、待機時間はほぼないといっていい。
ゲームをする上でロードがほぼないというのは、ゲームを継続するための大事な要素なので、いつまでもプレイしてしまう没入感を味わえた。

・爽快でフレキシブルな戦闘


戦闘はだいたいDMCだが、召喚獣フィートで様々なスタイルで戦える。苦手な人も、アシスト装備でボタン連打だけでも十分攻略できる。

・王道でわかりやすいシナリオ


話のスケールは壮大だが、軸となるシナリオは「復讐の先で見た、人が人として生きていく世界を創る」に終始しており、それ以外の要素はフレーバーで収まっている。
サブクエをすれば周辺の事情は把握できるが、これは取捨選択可能なので融通も効く。

・BGM


どの程度かは知らないが、コーラスつきの曲が多くてテンションが非常に高揚する。
かと思えば、ゲームBGMらしいかっこいい曲もある。サントラ7枚(限定込みで8枚!!)という大ボリュームなので、発売が待ち遠しい。

・シリーズファンにとって嬉しい要素


ちらほら見つけたが、特に多かったのはFF5だと思った。各モンスターの名前やアイテム名、キャラ名に遊び心が溢れている。
更に、ラストバトルでまさに古参ほど嬉しくなる用語がバシバシ出てくる。

短所

・底の浅い戦闘システム


このゲーム、アクションゲームだというのに属性要素が一切ない。FFおなじみの魔法と、召喚獣ごとの技は存在するものの、威力やウィル削りが違うだけで基本的にぜんぶ「無属性」扱い。
また、武器の特殊効果といったものもなく、新しい装備を手に入れたら都度付け替えるだけ。
これではまったく面白味がない。中盤を超えたあたりで大体使う技も固定化するので、あとは同じことの繰り返しで飽きる。

・めんどうな移動


拠点と呼べるものが2つ出てくるが、2つ目がとにかく入り組んでて最初はかなり迷う。
特に植物園までの道のりは無駄に長過ぎる。また、OWではないにしろ、各マップはそこそこ広いのにFT(オベリスク)も少ない。
チョコボが手に入れば多少マシになるが、それまではちんたら走っていくしかない。
リスキーモブ探索は特にストレスがたまった。

・FFらしくないシナリオ


シナリオを評価したものの、FF7以降でよく見られた「重厚な世界観に重い設定の中で繰り広げられる複雑な展開」といったものは存在しない。
とにかくやることがきっちり決まってて、その脇道でサブクエがあるといったもの。
人によってはシンプルだからこそいいと思うだろうが、私個人からすれば「予想できてしまう陳腐なシナリオ」でしかない。
戦闘システムと同じで、要は底が浅い。美麗なムービーでだましだましやってるように見えてしまう。
ただし、このようなシナリオはFF6以前のシナリオに通ずるものがあるので、そこを踏まえればFFらしさは残ってる。

・冒険要素が薄い


探求の旅というが、基本は拠点にこもって問題があったら出向いていくというもので、冒険している感はない。
また、仲間も基本1~2人で操作もできない。このあたりは「FF13LR」っぽいが、そんなところは踏襲しないでよかった…。

・クリア後のやりこみ要素がしょぼい


2週目からはFFモード解禁、追加武器が存在するが、それだけである。
このご時世、クリア後の追加ボスやシナリオといったものがないのは流石に肩透かし。
ただし、まだ発売して1週間程度なので、今後DLCでなにかあるかもしれない。

総評


初でもシリーズファンでも楽しめるFF最新作。
シナリオもシステムも非常にわかりやすく、気軽にプレイして本作の魅力を味わうには十分。
ただし、もっと濃いものを望んでるユーザにとっては、ボリュームやアクション要素がイマイチに感じるかもしれない。

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