J・S・バッハのダイマ
はじめに
おはようございます ノースザワニッパーさんです。
今日は偉大過ぎる音楽家、J・S・バッハの誕生日です
暦によっては3月21日と出てきましたがまあどちらでもいいでしょう
皆さんご存知ミリアニ(アイドルマスターミリオンライブ!のアニメ)にはバッハ作曲『G線上のアリア』が登場したこともあり、誕生日を祝う声も多数ありました。
まさかミリアニにバッハが出てくるとは私も想定外でした
そこで、ピアノヴァイオリン経験者であり、身内に熱狂的バッハオタクがいたせいで青春時代をバッハに捧げていたことがあったわたくしが、一度聞けば沼ること間違いないバッハのどのような点が琴線に触れるのか、その理由も合わせてめちゃくちゃ簡単に書いていきたいと思います。
バッハというとよく音楽室に写真が飾ってある何となく気難しい人という印象があるでしょう ベートーベンは怖そうですね
ですが、バッハはそんな気難しい側面だけでなく、純粋さな気持ちを持っていたこと、そして意外な側面もあったこと、これを簡単に書いていきたいと思います
詳しいことは専門書をあたっていただきたいですが、皆様の学びの入り口になれば幸いです
それではスタート
特徴
バッハの音楽の特徴はいろいろあるのでちゃんと調べたり語ろうとするとクソ長くなるのですが、まず一つとしては、楽曲を作るにあたって非常に数にもこだわっていたとされています
私みたいなど素人が言っても説得力がないですが、
バッハの音楽に潜む数学性や対称性・謎については沢山著書があるので読んでみてください
有名どころだと
曲の終わりが「BACH」に対応するようになっている音で締められる、なんてのもありますね
2の8累乗である数字「256」を曲の小節数にしたり、ゴルトベルク変奏曲を32小節×32ユニットとしたり、まず間違いなく意図してやっていたでしょう
また、楽譜を見ると一見音符が忙しくないように見えるので簡単に弾けそう、なんて考える人も多いかもしれません
こちらはBWV815『フランス組曲』
対してこちらはラフマニノフ「鐘」の楽譜です
どうみても前者の方がスカスカで後者は楽譜が黒色に近いですね
個人差はあると思いますし、わたしは基本をサボっていたので全く参考になりませんが、私にとってはラフマニノフ「鐘」の方が圧倒的にまだ弾きやすいです。ラフマニノフは指の移動が忙しいですがそこさえ理解すれば何とかなります。ですが、バッハは指の移動がそこまで多くないのに弾くのが難しいのです。それは何故か
それは、メロディーの構築にあります。
バッハの特徴と聞かれて真っ先に思いつく言葉として「対位法」があります。ざっくりまとめると、複数の旋律を組み合わせて一つの音楽を作ることです。作曲家であったらまず間違いなく知ってます
例を挙げると「かえるの歌」です。そしてミリオンライブでおなじみ『Get lol! Get lol! SONG』です。
この曲の「宇宙はけっこう大きくて~」以降、「かえるの歌」のように杏奈パートのうしろで星梨花パートが入りますね
こんな感じと思ってくれればいいです
私の知り合いの知り合いの知り合いのバッハコレギウムジャパンの鈴木優人さんが解説されています 俺のここまでの駄文の100倍わかりやすいので見ましょう。らららクラシックの方が今の番組よりおもろかったと思っているのは内緒
こんな感じの「カノン」であったり、対位法の技術の頂点である「フーガ」といった技法を、まるで建築物を建てるかのようにバッハは組み合わせていたわけです。
ピアノを弾く場合、両手がそれぞれのフレーズを意識しないといけない、方や伴奏方や主旋律、そんな感じのが続くのでバッハは「ちゃんと弾く」のがめちゃくちゃ難しいです。
それに単純に見えるってことは間違えたら一発でバレるのでプレッシャーもそれ相応なものになります。
https://www.phonim.com/post/what-is-fugue
私は音楽に関してはただの素人なので、バッハの音楽理論に関してはもっとわかりやすい確実な専門書などをあたってください。私は楽理をいつか勉強しようとして全くできないまま気づいたら10年以上が経ちました。そんなんだからうまくならないわけです。
ともかく、バッハの音楽の特徴は、このような複雑な音楽技法を使いこなした構築の先にある崇高さ、優雅さと言えるでしょうか。
多くの人々がこれまでいろんな沼に沈んできました。
みなさんもぜひ入りましょう。
楽曲
続いて楽曲です
『G線上のアリア』もありますが、私からもオススメがあります。今回は脳内ライブラリから3曲厳選してきました!
ものぐさな人のために一応Youtubeのリンクも貼っておきましたが、本当はCDで聴いてほしいですね
①グレン・グールド演奏『ゴルトベルク変奏曲』
https://www.youtube.com/watch?v=NvtoaHaG6ao&t=1609s
クラシック音楽を聴くと眠くなってしまうとお悩みのあなたに朗報です
クラシック音楽は眠るためにある、なんてことを以前ラジオで片山杜秀先生がおっしゃっていたような気がします
wikipediaにも
不眠症に悩むヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク伯爵(de:Hermann Carl von Keyserlingk)のためにこの曲を演奏したという逸話
が記載されていましたが真偽不明です
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF%E5%A4%89%E5%A5%8F%E6%9B%B2)
寝るときにでもゆったりと聴きましょう
私は彼の録音によるLPレコードも聴いたことがありますが、そこには彼の吐息や独り言と言ったものまで明瞭に聴こえるのでぜひ聴いてみてください
話が逸れますが、レコードとは古い骨董テクノロジーであるのにも関わらず、CDや高価なオーディオ機器では決して味わうことのできない「実在感」がそこに存在します。
CDやサブスク全盛期となり我々が聴く音楽はいわば圧縮されたものです。昔は圧縮ができなかったわけですから、所謂「生の音」が聴けたのです。
そんな「生の音」を聴きたいと思われたらぜひこちらに行ってみてください。回し者ではありませんが、本当によい場所なので合わせてオススメします。
かなり保存状態のよい古典ピアノやハープシコードだけでなく、自動演奏ピアノ、ディスク型オルゴール、蓄音機の実演と解説もやってくれます
なんと無料で入れるので皆さまぜひ足を踏み入れてみてください
繰り返しますが、私は特定の団体の回し者ではありません。ですが、あまりにも良い場所なのでオススメしています。この場所に行って音楽の実在性とリアル感を再考してみるのはいかがでしょうか。
②カール・リヒター指揮『マタイ受難曲』
いきなり初心者向けじゃないかもしれません
私は今でこそ様々なジャンルの曲を聴きますが、先述の身内の影響でバッハの音楽こそ私の全て、そう思っていた時期がありました。
そうさせたのはこの『マタイ受難曲』
聴いていただければわかるが、この『マタイ受難曲』はかなりの精神的崇高さを伴います。他の音楽が低俗というわけではないが、神への祈りや崇拝、捧げもの…そういった想いをこめて作られた曲であることがわかります
なので聴く際にはそれ相応の精神状態で聴こうとしていた時期もありました。特にこの演奏が秘めている優雅さや緊張感、演奏の豊かさといった深みというものをかつて身内のオタクから布教されてきました。
長いですが、たまには自分一人でこの曲と対峙する時間を設けてみてはいかがでしょうか
ですが、今すぐ理解する必要はありません。私も至らない点が沢山あります
が、いつか言語化していきたいと思います。多分こういう音楽を聴いて得られる感想や、聴くことで培われる感性と価値観はただ闇雲に聞き続けるだけでなく、様々な人生経験があればより広がるんじゃないかと思います
③コーヒー・カンタータ
ここまでバッハについてその精神性や神に仕える者としての使命感を持って生み出した数々のカンタータや曲の崇高さについて述べてきました
その中にあってこちら『コーヒー・カンタータ』は世俗カンタータと呼ばれる作品集の中にある面白い曲です。
簡単に言うと「コーヒーLOVE」の気持ちをユーモアにミュージカルの如く表現した曲です
バッハの遺産リストの中には、楽器や楽譜と並んで、 5つのコーヒーポット及びカップ類が含まれていたそうですし、1日何杯もコーヒーをおかわりするくらいコーヒー中毒だったそうです
1000回のキスよりもすばらしく、マスカット・ワインよりも甘い。
ああ、コーヒーはなんておいしいのでしょう。
1日3回、カップ1杯のコーヒーを飲ませてくれなければ、
私はがっかりして干からびた山羊の焼肉みたいになってしまいますわ
そんなこの曲の歌詞からはちょっと意外なバッハの側面が見えてくると思います
おわりに
バッハはいいぞ。
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