『北の龍馬さん』
車で国道275号線を北上すると左手に気になる看板を見かける。
それがいつも気になっていていつか立ち寄ってみたいと思う場所になっていた。
『坂本龍馬家の墓』
幕末の志士坂本龍馬にゆかりのある家のお墓の場所を示す看板である。
先日やっと行く事ができた。
どうやら、
浦臼町という町は坂本家の方々が入植した土地だという。
さっそく浦臼町の郷土資料館に立ち寄り歴史をお勉強。
坂本龍馬自身この北海道に多くの可能性と夢を抱いていたという。
坂本龍馬の夢は龍馬の縁者や多くの開拓民に引き継がれ、
北海道開拓は現在の北海道の礎となっている。
印象的だったのは北海道に渡った坂本家の方々が皆高い志を持ち、
多くの偉大な業績を残したという事。
激動の時代に生きた者達だからという事だろうか。
資料館を後にした私は一路お墓へと向かう。
そこは見晴らしの良い静かな場所にあった。
看板のおかげで場所はわかりやすくすぐに見つける事ができた。
私以外に人はいなく静寂に包まれていたが、
山や畑に囲まれている事もありとてものどかな印象を受けた。
私はお墓の前で静かに手を合わせ北海道開拓の歴史に思いを馳せる。
今では想像もし難い苦労や過酷さがあっただろう。
それでも今につながる開拓の礎を気付いていただいた。
月形町にかつて樺戸集治監という場所があった。
今で言う刑務所である。
そこに囚われていたのは法を犯した者や政治権力に異を唱え行動を起こした政治犯も捕らえられていたと聞く。
彼らは当時のロシア南下政策の備えとして北海道の道路建築や開墾を担わされた。
過酷な状況下での作業に多くの犠牲者も出たという。
それは北海道にある他の集治監でも同様でその中でも有名な場所は網走監獄であろう。
北海道開拓には多くの血と涙が流されたと言ってもいいかもしれない。
時代と言ってしまえばそれまでなのだろうけど、
決して明るくは語れない暗い歴史が北海道開拓の根の部分にはあるのだ。
内地(本州)の歴史に比べたら北海道に残された歴史的遺物の歴史はそれほど古くはないかもしれない。
それでも、
だからこそ、
先人たちの当時の気持ちを身近に察する事ができるのかもしれない。