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映画「ディック&ジェーン」を観た◆後半◆

というわけで、ディック&ジェーンは天下の大強盗と化した。
とはいっても現時点では銀行強盗などではなく、
街のカフェに押し入って、店員にカフェモカを作らせて、
その間レジのお金をもっていくような、強盗といえば強盗だが、
泥棒に毛が生えたようなものだった。(銃だって水鉄砲だし)
それでも高級店に男装女装で現れて強奪したり、車ごと宝石店へ突っ込んだりとやりたい放題。

強盗稼業がうまくいったおかげでなんとか生活も立て直すことができ、
テレビも買い戻し、芝生にプール、前にも増して良い生活ができるようになった。
元同僚に、何をやっているんだ?と聞かれたときは、
「FXをね。ま、泥棒だよ〜ガハハハ〜」なんて答えている。
誰もこの夫婦が本当に泥棒をやってるなんて思ってもいない。

しかしというか、ついにというか、2人は銀行強盗を企てる。
怪しげな変装(これがあのサムネイル)を施し、
ジェーンが店に入った途端に倒れる。
介抱の警備員のセキュリティカードをすかさずゲットしたディックは、
金庫室(貸金庫?)のようなところへ入る。とそこへ!

本物の強盗がやってきたからさあ大変


行員の一人が緊急ボタンを押したので、あっという間に警察が駆けつけた。

銀行周りが慌ただしくなってきた。
車の中で待機していたジェーンは事の次第を知り、
「早く出てきて〜〜出てきて〜〜」と祈るばかり。
一方のディックは、金庫室が閉まる直前、なんとか出ることができた。
他の客に紛れて銀行を脱出し、車に乗り込むことに成功した。

安堵する二人だが、この強盗どうも変だ。
慣れてない?素人だろうか?車の中からその行く末を見つめていた。
強盗たちはあっという間に警察に取り押さえられて、覆面を剥がされてしまった。それは、

なんとディックの元同僚だった!



この事件を皮切りに、倒産後再就職が上手くいかず、犯罪に走ってしまった元社員が数多くいることをテレビを通じてディックは知った。

ディックは唖然としながらも、

このままじゃダメだ。なんとかしないと!


そう思った。
しかし、妙案があるわけでもなく、失意のままふらりと出かけていった。
一人で出て行ったのをジェーンは知っていた。
ディックはエリートサラリーマンだったときによく通っていた上客しか来ないようなサロンへ行き、カウンターでテーブルの上に乗ってくだを撒き散らかした。周りの人が遠巻きにディックのことを見ている。汚い人を見つような目つきで。
そこへジェーンが現れ、いつものように「帰りましょう」と促した。

しかし、ジェーンと一緒に帰ろうとしたディックの目に入ったのは、
社長(元)と一緒になって、自分を陥れたフランク(重役)だった。

ディックはフランクに向かって走り出し、とっ捕まえた。そして
どういうことなんだ!どうしてくれるんだ!!
とフランクのコートを掴みながら叫ぶと、
「ジャック(社長)が言い出したことなんだ!でも解決策はある!」
と、言った。


その解決策とは、社長の資産が隠されている口座の書類をすり替えて、
自分たちの口座に送金させる、
というものだった。

その額なんと4億ドル!


すり替える書類を作成して、いざ決行をするそのとき、
ディックの姿を社長に見られてしまった。
それでもすり替えに成功できたので、そそくさとその場を去ろうとしたが、書類のすり替えに社長は気付いていたのだ。
そして、詐欺で刑務所に行くか?と言われてしまう。

しかしディックは怯まなかった。
例の銃(水鉄砲)を社長に押し付け、
社長に小切手を書くよう詰め寄ったのだ。
ジェーンは無駄だと言う。
小切手を書いても、外へ出た途端、無効にするはずだから、と。
社長は、そんなディックとジェーンの言葉を聞いてからこう言った。

「小切手は書こう。そして私は無効になんてしない」
そう言うと小切手帳にサラサラと書いてディックに手渡した。

「これが私の君への評価だ」

という言葉とともに渡された小切手の額は、

100ドル


ジェーンはディックに「水鉄砲は返して、帰りましょう」と、いつのように促した。ディックの顔を見ると
呆然としていたはずなのになぜか笑っている。
そしてジェーンに見せたものは、社長の本物のサインだ。
そして彼女に一言。

「美術専攻だったんだろ」



****

社長が自宅を出ようとすると、多くの報道陣が。
窓越しにマイクを向けてくるが、そこにはディックの姿が。

「なんだこれは。まだ私に復讐か?」
そういう社長にディックはとても晴れやかにそしてにこやかに
「何言っているんですか!世界一寛容な男に!」と言った。
そして例の経済番組のオンエアがあることを告げられ、
訳がわからないままマイクをつけられ、ディックからはカンペを渡される。

そして番組が始まった。
番組のホストは、
「あなたは社員のために私財を投げ打って、救済のための年金基金を作りました!なんで素晴らしいのでしょう!」

「え!?なんだって??」

社長狼狽!


ディックは手に入れた社長のサインで4億ドルを引き出し、
失業した全社員へ分配をしたのだった。


****

ディックとジェーンは一人息子とともに、スペイン語を話しながら
楽しくドライブするシーンでこの映画は完結する。
実際の企業の倒産劇をモチーフにしている映画だ。
ディックの強盗はどうなったのか、国外退去はどうなったのか、
私文書偽造はどうなのか、など問題解決はしているかどうかは謎だが、
そこを深く考える人には向かない映画だと思う(笑)。

結局ディックは、人として大事なものだけは失わなかったんだなって
思えるし、そんなディックだから、ジェーンも妻として支えたんだと、
素直に思える素敵な映画だった。

縁あって、ここへいらした読者の皆さま。
Netflixで配信していますので、よければご覧くださいな。
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オチ、書いちゃったけどね。


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きたがわたまき
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