【産官学連携#1】空き家残置物に関するレクチャー
先日、北海学園大学の濱田 武士教授と西村 宣彦教授の合同ゼミへ参加し、空き家残置物についてのレクチャーを行ってまいりました。
こちらは、同大学と豊浦町ならびに北海道立総合研究機構らが締結されている「豊浦町を対象としたまちづくり・住生活の質の向上に関する研究」の一環として開かれたものになります。
この記事では、弊社がこのたびの産官学連携に協力させていただいた経緯と、当日のゼミの模様をお伝いいたします。
産官学連携への協力の経緯
弊社が、空き家対策に向けた産官学連携に協力させていただいた背景として、グループ企業の「ノースジニアス・アール株式会社」の存在があります。
こちらは、おもにリユース事業を行っている企業で、遺品整理や不用品買取・販売・回収のサービスを展開しており、豊浦町での一般廃棄物処理業の許可も取得しています。
今回の産官学連携では、空き家の利活用の促進にあたり、残置物に着目して調査研究が行われているつながりから、弊社もここに関わらせていただくこととなりました。
空き家残置物とは
空き家残置物とは、空き家に残された前所有者の私物のことで、おもに家具や家電などが挙げられます。
残置物を処理しなければ、空き家を売却したり賃貸に出したりすることができないため、適切な残置物処理は、空き家対策において非常に重要な課題とされています。
レクチャーの様子
今回のゼミでは、残置物のリサイクル販売相場と処分費用についてお話しいたしました。
なぜこの2点についてお話したのかというと、残置物の価値を正しく見極めて買取・販売を行うことで、処分費用を少しでも安く抑えることができるからです。
たとえば、空き家のお片付けで切手やおもちゃが出てくることが多々あるのですが、じつはリユース市場相場において、これらのコレクションには思いも寄らない高額な販売価格が付くことがあるんです。
空き家残置物の処分費用は、一般的なご家庭であっても40〜60万円程度かかりますので、残置物を適正な価格でお買取して費用を相殺することで、少しでもご依頼者様のお力になることが弊社の使命でもあると考えております。
このほかにも、残置物を査定する際のポイントをレクチャーしましたが、学生の皆さまが一つひとつ熱心にメモをとり、どんどんと質問してくださったことがとても印象的でした。
今後の取組について
じつは、今回のレクチャーは、9月に予定されている豊浦町での現地調査の精度を高めるために開催されたものになります。
こちらの調査では、実際に豊浦町の空き家で残置物の記録や簡易査定が実施される予定とのことです。結果をもとに、残置物に眠る価値が所有者さまに伝わることで、空き家の利活用が促進される効果が予想されています。
また、調査では、所有者さまが大切にされている思い出や、不動産業者に管理を依頼しない理由なども丁寧にヒアリングされます。こうした聞き取り調査により、空き家の利活用が進みづらい本質的な要因が明確になることで、真に価値ある空き家対策の実現につながることが期待できます。
弊社も調査協力会社として、こちらの調査研究のサポートをさせていただける運びとなりましたので、空き家問題の解決に向け、微力ながらも引き続きご協力できればと考えております。
このような社会的意義のある取組に、弊社も関わらせていただいておりますことを大変うれしく思います。
関係者の皆さま、そして学生の皆さま、この度は貴重な機会をありがとうございました。
今後とも、よろしくお願いいたします。