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アーサーの涙
ジョーカー。
タクシードライバーを観たらもっかい観てみようと思います。
初見でぜんぜん消化できてないこととしては、涙について。
「涙」というのは一般的にはマイナスのイメージがあるわけですけど、なんで泣いてるんですかね、アーサーは。
悲しい、ってのとはちょっと違うんじゃないかな。
Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.
人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見たら喜劇だ。
このチャップリンの言葉を、ちょっと変えながらアーサーは口にする。自分の人生は喜劇だ、と。
しかしこれも短絡的に「悲劇=涙」「喜劇=笑い」としていいものかどうか。
ジョーカーで描かれている「人が笑うシーン」というのはどれもかなり気持ちが悪い。アーサー自身も笑うことを強要され、発作にまで出てしまうレベルで、しかも仕事がピエロ、って。拷問のように笑うことに縛られている。
では、涙がこぼれてしまう理由はなんなのか。
涙に理由なんて無い、で片付けるのはつまらない。
人を笑わせる存在であるピエロが涙を流す
という画だけで実に多くのことが語られるわけです。
オープニングでピエロメイク中、アーサーは右目から涙をこぼす。でも、そっからあとのピエロメイクの涙は、覚えている限り、左目から出てた。この使い分けは何なんだろう。
あと、アーサーが左手で日記を書くシーンがある。あれも、もともと右で書いてたかを見落とした。わざと利き手じゃない方でぐちゃぐちゃな字で日記を書いたとしたら、そこには何かしらの主張がある。
そういう細部をもっかい味わいに行こうと思います。
[2019.11.16 facebookから]