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「初老」という言葉を懐かしく聞いた

私は現在44歳、一般的には松坂世代、競馬をやる人にはミスターシービー北村宏司・戸崎圭太世代、相撲をやる人には朝青龍世代、ごく一部では加瀬加奈子世代と呼ばれたり呼んだりしています。

さて、パリオリンピックで「初老ジャパン」という総合馬術団体チームの愛称が話題となりました。非常にインパクトのあるネーミングです。

この「初老」という言葉を私が初めてまともに意識したのは、おそらく38歳とかそのあたりのころだと思います。どういう経緯かは忘れましたが、「40歳のことを初老と呼ぶ」という知識を手に入れ、「40になったら自分のことを初老と呼ぶんだ!」と初老になることを目標に生きてきました。目標というと若干言葉が強いけど。
そして、めでたく40歳の誕生日を迎え、嬉しそうに初老になったと言って滑りました。

その後、実は「40=初老」というのは明確な定義ではなく、例えばNHKの調査では「かつては、40歳ぐらいの人のことを指していました。ただし寿命が長くなった現代では、『初老』が当てはまるのは60歳ぐらいからと考える人が多くなっています。」とされており、なんとなくの「老いが始まった」概念であるような扱いになっています。
これもネットでパッと見つかるところだと、コトバンクにおいて、デジタル大辞泉では

しょ‐ろう〔‐ラウ〕【初老】
中年を過ぎ、老年に入りかけた年ごろ。「初老の紳士
もと、40歳の異称

デジタル大辞泉

とされ、さらに精選版 日本国語大辞典では

しょ‐ろう‥ラウ【初老】
〘 名詞 〙 四〇歳の異称。また、老人の域にはいりかけた年頃。寿命がのびた現在では、五〇歳から六〇歳前後をさすことが多い。女性では月経閉止期、男性では作業能力が衰えはじめたときから老化現象が顕著になるまでの期間。

精選版 日本国語大辞典

となっており、結局のところ、「40歳の異称」としての初老はそこまで固い定義ではない空気感です。

そのため、自分が40になって喜々として発した「初老」という言葉は、思いっきり滑った上にそもそもの用語法としても間違いではないけれど時代遅れであった(=その意味で老いているとはいえる)という二重の意味で外したものでした。

そんなわけで、「初老」という言葉には苦い記憶があるんですが、今般、日本総合馬術チームの活躍で「初老」という言葉が話題になったことで、自分の痛い記憶が呼び起こされました。
初老という言葉はあくまで言葉に過ぎず、実際人間の若さを決めるのは個々人の気持ちと身体の問題です。今年の春のクラシックは同年代の北村宏・戸崎圭太が1番人気を独占しました(結果はさておく)。私もまだまだ頑張らないといけません。

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