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千葉競輪PIST6観戦記(2023年3月5日DAY)

売上の低迷っぷりが話題になり、一部では廃止の噂も流れるPIST 6。潰れる前に見に行かねば、というわけで、2023年3月5日に行きました。
既に別のところで旅行記も書いているので、ここでは抜粋して感想を。その後、PIST6 DANCERS卒業のお知らせが流れ、運営方法も大きく変わりつつあります。変わる前に行けてよかった、というのと、変わった後に感想書いたところでなんになるのかは自分でも分かりません。


綺麗!バンクがすぐそこ!

新しいだけあって、さすがにとても綺麗な競技場です。あらためてロンドンのLee Valley Velodromeに行ったときの写真や伊豆ベロドロームに行ったときの写真なんかを見返しましたが、客入りの有無はさておくとして、場内はさすがに洗練されていて綺麗ですし、椅子も伊豆と違って新国立と同じ色をバラバラにして空席を隠す方式で、全体的に高級感があってよい感じです。また、競輪場にありがちな金網やアクリル板もないので、臨場感があるのも良いですね。

バンクはすぐ目の前!

BGMは善し悪し

そんな臨場感あるバンクですが、レース中はレースを盛り上げるためにBGMが流れ、光と音で場の雰囲気を作ります。
それゆえ、せっかくバンクが目の前でアクリル板もないのに、自転車の音や選手の息なんかは聞こえてきません。まあ、スピードも出てるので、BGMがなかったらどこまで音が聞こえるかは分かりませんが、金網越しに見る競輪の方が臨場感がある場面はあると思います。
また、指定席なので、金網かぶりつき、というのがそもそも不可能なのも影響してるかもしれません。思い起こせば私はSix day Londonでは渡邊の手に触った記憶があるんだけど、あれ、意図的にバンク脇まで出ていったんだっけか・・・・・・。

現行競輪

場内アナウンスにおいて、現在日本中で行われている競輪は、「現行競輪」と呼ばれておりました(このほか、「通常競輪」という表現も聞きました)。
懐かしいですね、この「現行」という言葉。そう、司法制度改革によって某司法試験の制度が変わるとき、新試験との対比でよく「現行試験」という言葉を聞きました。
ただ、最大の違いは、某司法試験の場合はいわゆる現行試験の廃止が決まっていたのに対し、競輪の場合はそんな予定は皆無なことです。
類似点としては、新司法試験は大失敗に終わったところ、こっちのPIST6も失敗の空気がありありなことでしょうか……。
また、私の当日メモには、「S級1班を一般の発音にするのをやめぃ」とあるので、「1班」の発音が一般の発音だったのだと思われます。だからどうした、という感じですが、所詮現行競輪なんてそんなものです。

ヤジはダメ!

レースが終わると、「走り終わった6名の選手に拍手を!」という場内アナウンスが流れます。間違ってもヤジなんか飛ばしてはいけません。この雰囲気こそがPIST6のやりたいことなのでしょう。
アマチュアならともかく、プロなんだから変な走り方をしたら批判されるのは仕方ない部分もあるかとは思いますが、競輪では変な走り方をしなくても(それどころか発走前にも)ヤジが飛ぶので仕方ないですね……。

結果を探しづらい

あとから自分が見たレースの結果を探ろうと思うと、もちろん競輪のオフィシャルには結果は載っておらず、PIST6の過去のレース結果を探っていくことになります。
この「過去のレース結果」の頁、「2023年3月5日の結果はどうだったっけ」と思って探そうとするとかなり苦しみます(日付での検索はできない。年次はまだいいとして、シーズンとラウンドで入力しないといけない)。
まあ、「2023年3月5日の結果」を気にする人はいないのかもしれませんが、自分的にはちょっと不便でした。

後から見ると誰が誰だか分からない

選手それぞれに個性のある、キャッチーなユニフォームにしてしまったため、走っている選手が何番の選手なのかが、映像だけでは分かりません。もちろん音声を聞けばいいんだろうけど、スマホから音が出ることが少ない私のような異常人間には不便です。耳の悪い人にも不便なんじゃなかろうか。

表示されるのは国籍

PIST6の出走表や結果を見て気付くのが国籍表示です。
我らが競輪は日本の競技なので、基本的に出てくるのは所属する県の名前です。しかし、PIST6は世界に誇るケイリン競技ですので、出てくるのは世界の中の日本なのであります。
そうはいっても今は日本人しか出てないんだからもうちょっとなにか観客が選手への親近感や思い入れをもてるような施策はないもんでしょうか。別に日本+都道府県名、とかでもいいと思うんだけど。ラインがないから県の表記は不要、ということかもしれないけれど、同県の選手だから応援しよう、みたいなことは期待してないのかな?

日本国旗が並びます

決勝写真が上から

競輪的な横からの写真もあるのですが、上からの写真もあって、これは新鮮でした。
そもそものこの事業はJPF、日本写真判定が始めたわけで、カメラと写真判定に関しては最新鋭の技術が取り込まれてるのではないでしょうか。もしかしたら同社はこれをきっかけに世界的な自転車競技の写真判定事業を開拓したいのかもしれないな。

新鮮な角度

注目ランキング

よ~く聞いていると次のレースの単勝人気なども場内MCから語られているのですが(=よく聞かないと聞き逃す)、単勝の人気順は「注目ランキング」という表現に置き換えられております
頑張ってギャンブル色を排除しようとしているのが分かりますね。ギャンブル色を排除してるんだから車券の売上が悪くても文句は言えません。

注目ランキング

ゲストは賭けてる?

この日のゲストはアイデンティティさんでした。1レーススタート前のオープニングショーで漫才等を披露されていました。なにが驚きって、びっくりするくらい絵が上手。魔神ブウの絵が凄かった。
アイデンティティさんはのちのレース間のイベントで再登場しますが、この手の公営競技イベントにつきものの、「私も試しに賭けてみました」トークがありませんでした。モデルさんならともかく、芸人さんならむしろ積極的に賭けてもいいんじゃないかと思うんだけれど、そうもいかんのだろうかなあ。

締め切り音楽はない?

公営競技では締め切り直前になると場内音楽が流れたり、それまで流れていた音楽が変わったりテンポが変わったりするのが通例です。永遠に続く2分前とか、場ごとに異なる締め切り音楽とか、色々と楽しみは尽きません。
ここでは、一応、30秒前くらいか締め切りのカウントダウンはあるのだけれど、3~5分前くらいからの煽りがありません(気付かなかっただけかな?)。
カウントダウンを認識してあわててTIPSTARのアプリを開いてももう遅いので、このあたりもうちょっと上手くできないのかな?

イベントがバンク内なのは快適

イベント(この日だとアイデンティティさんの漫才や、ダンサーのダンス)はバンク内で行われます。そのため、トイレ以外で座席から動く必要はありません。
そんなわけで、スマホと睨めっこしながら各地のギャンブルに投票して税金を納めるにはある意味うってつけです。問題は、新聞広げてそんなことをする空気ではないことでしょうか。

アイデンティティさん

バンクウォークは楽しい

レース後(NIGHT開催はレース前)には、バンクウォークがあります。これは嬉しいですね。
事前アナウンスでは靴についての注意は出てなかったような記憶ですが(見落としただけかも)、ハイヒールや革靴の方はバンクウォーク用の靴に履き替えられるシステムでした。
ちょっと残念だったのが、ライティングがオシャレに赤~青の色だったこと。オシャレなのはいいんだけれど、バンクの斜度なんかをしっかり見たかったので普通のライトにしてほしかったなー。そして、ちょこちょこ色が変わるから、なんというかせわしない。まあ、普通の電灯にしてのんびりされたら困る、というのもあるのかもしれません。

バンクウォーク

なんだかんだ、楽しい

行ってみて思ったのは、なんだかんだ、行けば楽しい。1000円ならば競輪場の特観席と変わらないわけで(机はないけど)、ピチピチギャルのダンスも見られるし、楽しめる場所だとは思いました。少なくとも、食わず嫌いはもったいないし、必要以上に斜に構えて嫌う必要もないかな、と。
とはいえ、おっさんがペンライト振り回してハリセン叩くのもなかなかきついわけでして、このノリはやっぱり若者向けですね。お酒飲みながらウェーイ、とやることを想定している場所なのでしょう。ただ、お酒飲みながらウェーイとやってたらどのタイミングで賭ければいいのよ、ってことになってしまうのですが……。

現場は頑張っている

なにを偉そうに、という感じですが。
こんなに少ない観客なのに、ダンサーさん達も一生懸命やっていたのはよく分かりましたし(プロだからあたりまえだろ、というのもそりゃそうなんだけど、自分だったら正直きつい)、職員さんの思いも伝わりました。
バンクウォークでちょっと話をさせていただいた職員さんからは、ここは世界選手権開催可能なバンクで、千葉市では開催したいという思いもあるようでした。コロナがなければ、また色々できたんでしょうけど……。
いやほんと、この観客数で皆さん凄いです。まあ競輪はミッドナイトとかもやってるからそのあたりの経験とかが生きてるのかもしれないけど。

国際認知度はこれから

ふとUCIのホームページをみていたら、2023年秋開催予定のJICF International Track Cupの予定が掲載されていました。その開催予定地は・・・・・・
せっかく千葉公園内の案内を全て変えても、やはり海外ではポテトチップの影響力が強いようです。ヤマザキももともとは千葉県の会社だし、これはこれでいいのかもしれません。

Chip Star!!

現状は残念

現場の意欲を「世界選手権やったところで金にならないだろ」と馬鹿にするのも簡単なんですが、私は千葉市民でもJPFの株主でもないので、せっかくつくったこのバンクをできる限り有効活用してほしいし、大レースを誘致できるならしてほしいですね。伊豆との兼ね合いも難しいところだろうけど。
事後孔明的コメントだけれど、日本には自転車競技を観戦する文化が根付いておらず、そのなかで有料、しかも2000円で客が入るかというとまあその目算はきついっすよね、という感じでしょうか。時代を先取りしすぎたというか、そもそも来ない未来に行ってしまったというか。
また、有料で観戦する文化が無い以上車券で稼がないといかんのに、車券を買う人には極めて不親切な構造なのはやっぱり残念。TIPSTAR専用、競輪オフィシャルからは日程すら分からないという状態は言うに及ばす、やっぱりユニフォームから車番が分からんのは不便でした。
現場でも車券を買って貰おうという方向性でのホスピタリティは皆無だったしね。

2023年4月からはダンサーさん達もいなくなり、規模を縮小した運営になったようです。今後は他のイベントとコラボしながらの競技になっていくのでしょうが、果たしてどうなるのでしょうかね……。
繰り返しますが、私はJPFの株主でもなければ千葉市民でもないので、多様な協議が開催されていること自体はいいことだと思ってます。なので、なんとか上手い方向に回ってくれると良いなあと願うばかりです。

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