誰ガ為のジャッジメント

「正当でないツモを行い、打牌まで完了した者はチョンボとする」


はいこんにちは。
一番好きなポケモンはメガクチートの厚谷です。

今回のテーマは発生から2日経過してしまったチョンボの件についてです。
社畜、もとい会社員をやっていると執筆にスピード感が無くなってしまいがちです。

すぐ横で聞いていたとはいえ当事者ではないので、飽くまでも発生した事象について個人的な意見を書いていきます。

●チョンボを防ぐことはできたか

冒頭の一文が今回のチョンボで適用されたルールですが、結果だけを見ると適用されるのは然るべきです。
上家の打牌に対して下家がポンを行ったため自分のツモ番ではないのにも関わらず、ツモって打牌するまで完了したためにチョンボとなります。

ですが今回の件についてはかなり話が変わります。

チョンボした本人目線だと、ポンの発声も聞こえず副露する対子が晒されることもない状況です。言ってしまえば、ポンそのものが存在していません。
この状況で自分の力だけでチョンボを防ぐことは不可能と言って差し支えないでしょう。

そもそも副露時の手順は、
「発声」⇒「(搭子・対子の)開示」⇒「打牌」⇒「取牌」
もしくは、
「発声」⇒「(搭子・対子の)開示」⇒「取牌」⇒「打牌」
のいずれかです。
特に対面や下家からのポン(と大明槓)の際は「他家のツモ番を飛ばす行為」になるため、明確な発声と迅速な開示が求められます。
極論、この二つのどちらかさえ行っていれば、仮にポンの発声が聴こえていなくても対子の開示で気づけますし、対子の開示がなくても明確に卓内からの発声が聴こえていれば手を止めることができます。

今回の件ではこのどちらもが欠けているため、これをチョンボにするのはあまりにも厳しすぎるのではないかと考えます。

●麻雀における発声の重要性

僕のnoteやTwitterを読んでいる方はご存じかもしれませんが、ルールに明記されているような発声や手順に関してはかなり過激派です。
そして、「ルールを平気で破る人間」「ルールを守らない人間が得をする環境」反吐が出るほどに嫌いです。

プロの公式対局でも、
・遅すぎるポン発声
・蚊が鳴いた様な発声
・打牌後のリーチ発声

などなど、プロとしてあるまじき行為が多々あります。


「こんな基本的なこともできないんならプロ辞めた方がいいんじゃない?」


失礼しました。口が悪くなり過ぎました。

麻雀において局中の「ポン」「チー」「カン」「リーチ」「ロン」「ツモ(和了)」の行為は全て発声から始まるのが原則の行為であり、他家はその発声を受けてその行為を認識します。
なので発声は必ず全員に伝わるように明確にしなければならないのですが、守っていなくてもほとんどペナルティは無いのが現状です。

そもそも麻雀の性質上、先に発声しない方が圧倒的に有利です。

具体的な例を挙げると、
テンパイして立直しようとした時に牌を持ち上げたが、牌が接地する前にノーテンであることに気が付いた場合、打牌前にきちんと発声する人は「立直を取り消せずノーテン立直で続行」or「接地前に引っ込められたとしても和了放棄」になるのに対し、発声しなければどれだけ打牌モーションが立直っぽかったとしても縦に置きさえすればノーペナルティです。
なんなら横になったとしてもすぐに縦に直して知らん顔をすればそれで通し切れるかもしれません。

これこそまさに僕が大嫌いな環境です。
「打牌前に立直発声をしない人は打牌が乱れて横向きになった場合も全て強制立直扱い」くらいにならないと割に合いません。

麻雀において発声が大事であることは、麻雀を始めて間もない内でも気づくことですし、ましてやプロならばきちんとしてほしいところであります。
というかちゃんとできないならプロ名乗るのを辞めてしまえ(二回目)。

あと、フリー雀荘でもよくトラブルの種になることですが、
「聴こえない発声は発声ではない」です。
注意されて「いや言ってるし」とか反論するのはやめてください。
伝わってなければ言ってようがなかろうが一緒です。

発声については、とても良い発声の村上淳プロ「某・龍を出すプロ雀士」を見習ってほしいところであります。
ちなみに僕は時々他の卓の人からもうるさいと言われるくらいです。

●誰に責任があるのか

★誘発させた本人

チョンボを誘発させた張本人である、「ポンした人」が一番悪いことは明白です。他の二人が(どの程度かわからないにしろ)「発声が聴こえた」と言っているので発声はしているのでしょうが、「対子の開示」「摸打の制止」を行っていない以上は、プロとしての在り方に疑問を覚えずにはいられません。わざとチョンボを誘発させたと思われてもおかしくないです。

「第一打のポンで理牌の途中だったので開示と制止ができなかった」という話ですが、これを理由にしている時点で未熟をさらけ出しているも同然です。
配牌は取り出しなのでむしろ自動配牌よりも手牌確認の時間的猶予はありますし、それにより開示できないというのも正直言って意味が分かりません

さらに言えば、「本当に自分が悪い」と思うのであれば、「誤ポンによる和了放棄を自己申告」すべきとも思います。
それをしないということは「ライバルがチョンボになってラッキー」と思っていても不思議ではありません。
対局後に謝ったところで、むしろ煽りにしか見えません。

自分の非で相手がチョンボになってそれが理由で勝ち上がったとしても、僕は1ピコメートルも嬉しくないです。一生モヤモヤします。

★脇の二人

今回の件で「脇の二人は発声が聞こえたのに止めなかったのか」という意見が多数ありました。
これについては当日の内にTwitterに書いたのですが、「すぐに止めることは難しいと思う」というのが僕の意見です。

どの程度聴こえていたのかは本人たちにしかわからないですが、聴こえていない人が一人いるので、それほど大きくはない発声だったと考えます。
であれば、「かすかにポン発声が聴こえたけど対子を晒している人が卓内にいない」という状況で、ツモって切るまでの数秒間で制止することは難しいと思います。「他の卓の発声かな」と考えている内に摸打が完了してそうです。

ただ、裁定を下す立会人に状況を訊かれたときに、「発声は聞こえたが、小さい上に対子の開示も無かったため、他の卓かと思い止めなかった」くらいの証言はしてほしかったと思っています。「聞こえたか」「聞こえていないか」の2択ならば「聞こえた」と答えるのは理解できますが。
横で聞いている限りではそのような話は一切なく、「え、これチョンボになるの?厳しくない?」という会話が聞こえていました。

チョンボになった本人は「2人勝ち上がりの4半荘トーナメント」の1,2回戦でトップを取っており、勝ち上がりがかなり近いポイント状況でした。
その中で「半荘を消化することなくトップ1回分が帳消しになるチョンボ」を他3人が受け入れない理由はほぼほぼありません。
この背景から見ても、僕の中では脇二名への不信感が募っています。

●ルールそのものの改善

前段でも書きましたが、現行のルールでは「発声や手順をちゃんとしない人」に対して甘すぎると思っています。
立会人を呼ぶ権利はもちろんあるのですが、ちゃんとしていない人が多すぎて毎回呼んでいると進行が滞ります。なので実際に呼ぶ人はごくごく稀です。そもそも発声や手順をちゃんとしなかったところで問題が発生することはほとんどありません。

だからこそ、今回のようなケースが発生することを防ぐためにも、一度団体全体でルールの改善を図ることが必要だと思います。
具体的には、正しくない発声や手順での罰則を強化、そしてそれを明文化して発信すること、ですかね。ちょっとしたことでも立会人を呼びやすくなる環境になるのが良いかと思います。

もちろん全卓に審判なり立会人なりを付けられたら解決はするのですが、人件費や労力的に現実的ではないです。
麻雀では卓の全員が審判でありプレイヤーであるので、個々の判断でできることを増やしていくのが得策と考えます。

またルール面で言えば今回のチョンボ裁定は厳しすぎるとも思っており、以前黒木さんがnoteに書いていましたが、「ルールの悪用」になりかねないケースであります。
ルールに従うともちろんチョンボになるのですが、対局に及ぼした影響は少ないため、和了放棄くらいのペナルティでもいいのではないかと思います。

今回の件を受けてルールの隙を突いたチョンボ誘発カードゲームで言うところの「ジャッジキル」が横行するような未来にならないことを祈っています。

ルールは「ルールを守る人の為」に存在すべきであり、「守らない人を罰する為」に存在してほしいものです。


僕一人が声を上げたところですぐに変わるとも思っていませんが、声を上げなければ何も始まりません。
今後とも思った事・感じたことは積極的に発信していきます。

ご覧いただきありがとうございました。

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