経済学大学院入試合格体験記-東大、一橋、阪大等の院試(不合格含む)
本記事では主要な大学の経済学大学院入試の経験について書かせせていただきます。元々は私立大学の経済学部出身で、外部大学院の進学を目指してておりました。しかしながら決めたのは大学4年になる前と少し遅めでそこからの対策になりました。
結果として合否は下記になります。
・大阪大学大学院経済学研究科✕
・東京大学大学院経済学研究科✕
・一橋大学大学院経済学研究科✕→◯
・名古屋大学大学院経済学研究科◯
・早稲田大学大学院経済学研究科◯
・明治大学大学院政治経済学研究科◯
外部の大学院でも国内のトップ大学院で理論と実証研究の両面において優れた教育環境が整っており、魅力的なところから国立をメインで考えておりました。
当初、外部進学は決して容易ではないことは覚悟していましたが、思った以上にハードルは高く、試験対策と情報収集に多くの時間と労力を費やすことになりました。本記事では、その過程で得た知識や経験を共有し、これから同じ道を目指す方々の参考になれば幸いです。
経済学部だったため、ある程度経済学の授業も取っておりある程度は基礎は出来ていましたが、筆記がある大学院院試の問題を確認したところ、もう少し自身のレベルを上げていかないといけないなと思いました。
主には、
・ミクロ経済学の力・技
・ミクロ経済学(奥野)・演習問題
・マクロ経済学(二神, 堀)
・マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts Selection)
を参考にミクロ、マクロの学習を進めました。
ミクロでは消費者理論、生産者理論、市場均衡からゲーム理論を一通り、またはゲーム理論や産業組織論の教科書も部分的には利用しました。上記のミクロ経済学の教科書は演習もセットであるので、演習書を使って理解した上で解く力もつけていきました。
マクロは上記教科書でフルカバーできたと思います。かなりNew Liberal Artsの方は分厚いですが、これだけでも良かったかなと思います。ただし、演習問題はさほどマクロの定評のあるテキストは少ないので、別で演習のマクロのテキストも進めました。
英語においては東大がTOEFLがのみでの提出可能で、他はTOEICも認められるところもあります。TOEFLはそこまで対策は出来ずで81、TOEICはもしかしたら就活の可能性も合ったため840程度でした。
ここでTOEFLとTOEICの換算は難しいのですが、TOEICを受け付けてくれるところはTOEICを提出しました。
と半年ぐらい準備して経済学研究科の院試の受験をしました。
しかしながら、上記でも書いた通り、夏の院試では
・一橋→1次書類出願で不合格
・阪大→1次書類出願+筆記で不合格
・東大→1次書類出願で不合格
と一気に不合格がきてしまい、かなり焦りました。
特に阪大は筆記である程度出来たという感触があったため、期待があったのですが、結果不合格となり、そうなると一橋、東大同様に書類でのところで既に良くなかったと感じました。
実はこの時、既に個人だけのやり方だとどうなのかと分からないところもあったので、予備校へも通ったりしてみました。予備校では、ミクロマクロの授業を行い、計画書等の準備も行いましたが、不合格となり、何が準備不足か分からずでした。
既に志望度が高かった経済学研究科が1次で不合格とかなり焦り、何が駄目だったかもわからないところでしたが、再度色々と情報を探していましたが、色々情報が書かれていたFront Lab(フロントラボ)というところに問い合わせてみました。
そもそもここを知ったのは、検索で色々と調べていた時に経済学院試の様々な情報は載せていたので参考にさせていただいていたので、そのような記事の箇所(URL)しか見ていなかったのですが、院試に向けたプログラムもあるというのを後から知りました。さほど規模的には大きくやっていないのですが、教えてくださる方々が国内外の大学院(Ph.Dホルダーも)の出身者で、皆さん他の仕事をしながら運営しているようでした。
もともとは国内院試がコロナ禍でだいぶ変更があり、その頃から仕事やリサーチで関わっていた学生にアドバイスしていたときから始まったようです。
一度面談で話を聞いたあと、よりイメージがついたので参加させていただき、夏以降の院試があるところでの合格を目指しました。
そして上記で書かれていただいた、
一橋大学大学院経済学研究科✕→◯
名古屋大学大学院経済学研究科◯
早稲田大学大学院経済学研究科◯
明治大学大学院政治経済学研究科◯
を合格しました。
なので一橋が✕→◯と書かせていただいたのは、夏院試で不合格、秋冬の院試で合格ということで、2回受けた経験になります。
これまでやっていたテキスト、教科書での知識はあるとのことだったので、それらが、書類、面接でどのように発揮されるかの重要性を説かれ、その作業をしていくことになりました。
まずは何と言っても計画書です。計画書ですが、夏での院試で出してしまったものは、Front Labの評価ではこれでの合格が厳しいとのことで、思い切ってテーマを変えて書くことにしました。ただし自身のテーマの核心となる興味は変えずで、より院試での計画書として不足がないレベルまでしていきました。
計画書については、再度トピックを探すために、経済学の英語でのジャーナルペーパー(主要なレベルが高めのところ)からトピックを決めていきました。
大枠では、ミクロ分野の実証分野にはなるのですが、まずはすぐに計画書を進めるわけではなく、100近い論文から徐々に絞るようにして、そして並行して「今、この分野での研究ではどこまで進んでいるのか」を知ることが大切でした。
この100近い論文の選定はFront Labの方々と選定しながら、よりコアになるものを選び、その後読み込みました。正直この作業は夏までの院試では行わず、計画書については焦点が何なのかを理解しました。
また、その間にも実際の分析手法となる理論(ミクロでゲーム理論の箇所など)、また計量経済学での手法を教科書レベル、またはプログラミングでの実際でのコード(R、STATA)も理解しました。
また、大学院での提出物では、様々な任意のものもあるのですが、自身の履歴書として研究経験のポジションをFront Labのプログラム内で、外部研究員、教員のリサーチに参加し、その研でも志望書のところやCV等に含めました。
ここからです、明治、早稲田、名古屋とトントン拍子に合格し、一つ時期的に遅い一橋(秋冬時の2次)に全てを注ぎました。阪大も2次があったのですが、元々東京在住のため一橋一本に絞って最後の院試を行いました。
結果、1次、最終ともに合格し、一橋大学大学院経済学研究科に進学を決めました。口頭(面説)試験でも自身の研究計画について、興味を持ってもらえたようで、特に、自分が立てた仮説の理論的背景や、それを実証するための方法論について深掘りされる場面が多かったです。
ミクロ経済学の知識を土台にしながらも、計量経済学のアプローチがどれだけ効果的に使われるかを説明する必要がありました。
「なぜこのテーマに興味を持ったのか」「そのテーマの社会的・学術的意義は何か」という問いでも最初のジャーナルからの論文を選定からの経験もあり、スラスラと答えられました。また、研究計画の実現可能性に関しても深く議論が行われました。限られた期間内でどのようにデータを収集し、どの分析手法を用いるか、さらにその分析からどのような示唆を得たいのかを問われました。ここでも、事前に準備していたデータの所存、分析手順の具体例を示し、説得力を持たせるよう努めました。
夏から再度、秋冬時期の時期までやることは残りの大学学部4年の残りを費やすということはかなり、精神的にも負担になりますが、Front Labでのスケジュール的にはやることをやって、残りの大学生活も楽しむようにというようなスタンスだったため、メリハリのある生活を送るよう心がけました。
一日、やるべきことを計画的に終わらせたら、あとは自分のペースで楽しむと決め、友人との交流や趣味の時間を確保することも忘れませんでした。残りの大学生活を楽しみながらも、研究へのモチベーションを維持するためにバランスを取ることが重要でした。例えば、その日で調べることが時間で出来なかったとしても翌日、この論文を早く読みたいそのようなと思う様になってきます。
一橋大学大学院の合格が決まったとき、自分がこれまで積み上げてきた努力が報われたことを実感しました。夏の不合格からの巻き返しは、単なる運ではなく、計画的な準備と継続的な努力による成果だと感じています。
単に夏までは提出書類を揃えて、それで結果を待つだけでしたが、何を出願書類に上乗せして、より経済学研究科での中で、そこの教員の層に何が響くかを理解するのが第一歩になります。是非、今後経済学研究科を目指す方がいれば、それを意識していただければと思います。
参照URL: https://frontlab.jp/