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生きてるっ!~偶然の出会い編①

偶然、それともキセキ

毎日を普通に暮らしている中で、誰にでも偶然の力を感じる時があると思います。よく考えれば起こりうる可能性のある確率のもと起こった偶然や、天文学的な計算式のもと、どう考えてもキセキと呼べる偶然も。さまざま。

例えば、一回り年下の新入社員が、高校生の時の部活の後輩マネージャーだったり。(僕の時と同じ顧問の先生)

ちょっと珍しい苗字の僕に、役所の窓口で対応してくれた中年女性が自分の名札を指さし、「同じ苗字ですね。」ってニコニコしてくれたり。(親戚?)

弟の嫁さんに初めて会った時、「お久しぶりです。」と言われたり。(記憶はないけれど昔何度か遊んだことがあるらしい)

昔タイマンで勝負した隣の学校の男子と、カフェの客と店員として再会して爆笑したり。

南国にリゾートバイトへ行ったとき、一緒に働いていた女の子を「なんか会ったことある気がするな。」と思っていたら、3年前に地元でちょっといい感じになっていた女の子の実妹だったり。

地元ではない街で、真夜中にバイクを走らせて信号待ちをしていたら、地元の後輩女子が目の前の信号を渡っていたり。

高校1年生の時に家出をした幼馴染の女の子が、6年後に地元ではないパチンコ屋さんの両替機の僕の前に並んでいて、「家に帰りたい。」というその娘の希望を叶えるべくその娘の親に連絡をし、仲を取り持ち、家まで連れて行ったり。(この時は、一緒にいた彼氏にナンパだと誤解され、胸倉掴まれました。)

たまたま駅前でスカウトされた保険会社の、海外旅行帰りに寝不足のまま行ったその気の無い採用試験で、読解力で満点を出し、会社設立後初めての出来事だと不正を疑われたり。(日本三大財閥の名を冠する企業)

あいさつ程度のたいして仲良くなかった同級生と、地元から引っ越したあと、駅ですれ違って挨拶するようになって、そこではない別の街のお祭りですれ違って、映画館に彼氏といる所を見かけて、友達と入ったキャバクラで隣にその娘が嬢として座ったり、何度も何度も再会するようなこと。

僕の人生に起きた偶然の極み

上に書いた話はすべて実話ですが、このぐらいの偶然なら誰にでもひとつやふたつみっつは起こると思います。

だけど僕の人生には、ひとところに暮らしていなかったおかげ(?)で、「偶然の極み」と呼ぶにふさわしい、かなりアグレッシブで刺激的な偶然が4つ起こりました。

「なんか面白い話をして。」という友達からの無茶ぶりや飲み会の会話では高確率でこの話をしてきました。スベリ知らずです。(ハードルw)自分で思い出してもなかなかの素晴らしい偶然たちです。

この偶然の出会いを思い出すたび、「人生も満更ではない。」と思えたり、朝がつらい日も、「もしかすると今日人生を変える偶然の出会いが起こるかも。」とベッドから起きられますし、「服も髪型も恥ずかしくないようにきちんと整えよう。」と思えます。

場所や時間は少しフェイクを交えますが、起こった出来事は全て事実です。


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関西人の彼

23、4歳の頃、なんとなく、本当になんとなく、派遣会社に登録をして木工工場で働いたことがあります。うろ覚えですが、2×4の住宅資材をカットするような仕事だったと思います。車で30分ほどの工場地帯にある工場でした。

仕事はなかなか面白くなんとなく頑張って、「手や指をちょん切ってしまわないように、両手で安全装置を解除しないと機械が動かない。」など新しい知識を仕入れながら、勤務1ヵ月目に直接工場長から派遣会社に内緒で正社員として働かないかと誘われる日常を送っていました。

だけど実はすごい不満というか嫌悪感がありました。それは、午前と午後に訪れる10分の休憩時間の光景でした。

その休憩時間には各自が各自の棚(木工工場ゆえの、火事防止の為に専用で作られた灰皿サイズに区切られた棚。灰皿に記名あり。毎度真っ赤なバケツに吸殻を捨てるルールあり。)から、灰皿を持ってきて休憩室でタバコを吸いました。

僕もタバコを吸いましたから「煙が嫌だ。」などの不満はありませんでしたが、口の字型に置かれている机に疲れ果てた中年男性がタバコをくゆらせているのを正面から眺める光景でした。

「こんな大人にはなりたくない。」そう毎日思っていました。(若気の至りです。ゴメンなさい。)

そんな毎日が過ぎていき、ある日その光景の中にまっさらな作業着を着た体格の良いイケメンの同年代の男子を見つけました。「同じ派遣会社からの人かもしれない。」そう単純な興味を持った僕は彼に話しかけました。

「同じ派遣会社?」そう尋ねた僕に、関西弁で「そうです。」と彼は答えました。

少し前まで兵庫県の彼女の家に転がり込んでいた僕は、「関西弁ですね。少し前まで、尼崎付近で暮らしていました。」と言ったところ、関西弁で「俺も少し前までその辺で暮らしていました。」と彼は答えました。

「ほう。偶然ですね。ちなみにどこですか?」と尋ねた僕に、「西宮です。」と彼は答えました。

「えっ。西宮のどこですか?」と尋ねた僕に、「武庫川駅の近くで。」と彼は答えました。

「えっっ。キュウコク(旧国道)わかります?」と尋ねた僕に、キュウコクの〇×電気のそばです。」と彼は答えました。

「えっっっ。じゃあユ〇クロわかります。」と尋ねた僕に、「その裏の公園の向かいのアパートに1ヵ月前まで住んでました。」と彼は答えました。

「えっーーーーー!?それって△〇ハイツですか?」と尋ねた僕に、「えっ、はい。」と彼は答えました。

そうです。西宮から数百キロも離れた場所で、かつて転がり込んでいたアパートの住人に出会ってしまったのです。

より詳しく話をすると、僕がそこで暮らしていた期間と10ヵ月程かぶっていることも判明します。

「なんでこんな所にいるんですか?」と尋ねた僕に、「遠距離恋愛をしていたんですが、彼女の部屋に住み始めました。」と彼は答えました。


その彼女の部屋は、当時僕が住んでたアパートの裏のアパートでした。

その後、彼とはよく遊びましたし、ご飯も一緒に食べましたが、彼と彼女とのお別れを機に音沙汰が無くなりました。

同じアパート、同じ時間、同じ派遣会社、同じ職場、同じ理由、同じ町内にあるアパート、コレホントウノオハナシデス。


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北乃 扉
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