【PIT】航海日誌'24【03/28-04/09】
開幕前は毎年「もうアレやらなくても良いかな」と考えているものの、何やかんやで今季もPittsburgh Pirates(PIT)のシーズンを定期的に振り返る“航海日誌”をやります。
色々とマイナーチェンジしてみたので、多少なり見やすくなっていれば良いんですが。それでは第一弾となる今回は、開幕シリーズのMIA戦からの4カード/12試合です。
尚、本文中の日付は全て現地時間です。日本時間を知りたい時は脳内で+1日して下さいね。
◆◆ 試合結果 ◆◆
12試合で9勝3敗と見事、開幕ダッシュに成功しました。昨季PSに進出したMIAとBALに勝ち越し、そして同じく開幕から好調だったDETにも負け越さなかったのは素晴らしかった。
開幕前の時点では投手陣…特にブルペンが高い評価を受けていましたが、いざ開幕すると12試合でMLB4位タイの69得点(平均5.8点)を記録している打線の奮闘が非常に目立っています。
圧倒的な成績を残している打者はいないもののwRC+が110を超えている打者が7人(30打席以上)もおり、どこから始まっても得点を期待出来そうなのが頼もしいですよね。
唯一の懸念は不動のクローザーであるDavid Bednarが5登板で3度のセーブ失敗をしている事ですが、直近3シーズンで172登板してERA 2.25/FIP 2.56の彼を信じず誰を信じるのか。そのうち2度は結果として試合に勝っていますし。
◆◆ 主な昇降格&移籍 ◆◆
JT BrubakerのトレードとJoey Bartのトレードはそれぞれ個別の記事にしましたが、その他にもDFAした(マイナー調整中の)2投手がトレードに進展しています。
SDから加入した22歳のKervin Pichardoは昨季A+/2A級でAVG .257/OBP .370/SLG .402を記録した右打者。2B/SSを中心にバッテリーと1B以外の全ポジションを守りました。
KCから加入した22歳のConnor Oliverは23年ドラフトで17巡目(全体499位)指名されたばかりの左腕で、まだマイナーでは1.0回投げただけ。タイプなどは違いますがBartの対価で放出したAustin Stricklandの穴埋めの様な形ですね。
それ以外だとRyan Boruckiが左腕の炎症で15日間IL入りしています。彼はColin HoldermanとCarmen Mlodzinskiの開幕IL入りにより、BednarとAroldis Chapmanに繋ぐ役割を期待されていました。
Holdermanは4月11日に戦線復帰し、Mlodzinskiもマイナーでリハビリ登板をしていますが…ST期間中にDauri MoretaがTJ手術を受けたのも含め、ブルペンはイマイチ噛み合わないです。
◆◆ WARランキング ◆◆
今年から対象期間中に多くWARを稼いだ選手を挙げようと思います。1位から5位までの予定ですが、10試合ちょいなのでどうしても今回の様に似た様な数字で並んでしまいそうですけど。
ちなみに、数値がfWARなのは単純に僕が「Baseball-ReferenceよりもFanGraphs派」であり、「対象期間中のrWARを表示するやり方を知らない」だけなので大した意味はありません。
今回最も貢献度が高かったのはConnor JoeとMartin Perezでした。Joeは主に相手先発が左腕の時に1番打者として起用され、10試合でAVG .324/OBP .444/SLG .541をマーク。
新加入のPerezは移籍初登板となった開幕2戦目こそ4.1回/1失点とイマイチも、2戦目は6.2回/2失点・3戦目は8.0回/1失点とベテランらしい見事な修正能力を見せてくれました。
◆◆ ピックアップ① ◆◆
好調な打線で目立つのといえばやはり1番コンビのConnor Joe&Oneil Cruzや、2番のBryan Reynolds、3番のKe'Bryan Hayesらですが…見逃せないのが主に9番として起用されているMichael A. Taylorの働きです。
フリースインガーで四球が少なく三振が多いのは相変わらずですが、昨季のAVG .220/OBP .278/SLG .442から今季はAVG .361/OBP .375/SLG .444と真逆の打撃成績に。
昨季21HRを放った長打力はまだ見られていないものの、Contact%やWhiff%など打席でのアプローチは改善されています。Barrel%は昨季同様に優秀なので、今後ジワジワと打率が落ちる代わりにもう少しHRが出るのでは?
一方のCF守備は86.0回就いてDRS +1と静かなスタート。それでも昨季のPITはJack SuwinskiやJi-Hwan BaeらがCFを守ってMLBワースト3位のDRS -15を叩き出していたので充分なアップグレードと言えますね。
◆◆ ピックアップ② ◆◆
トレードで加入したばかりの18年ドラフト全体2位指名選手・Joey Bartが(IL入りした)Jason Delayに替わって合流して以来、少ない出場機会で非常に良いアピールをしています。
4月6日の本拠地PNC Parkでは移籍後初打席でHRを放つなど2長打/2打点を記録すると、4月8日もタイムリーを放ち2打点を挙げるなど打撃でも見事な活躍ですが…それよりも注目すべきは守備です。
前回登板で4.0回/6失点でK.O.されたBailey Falterに6.0回/1被安打/無失点と一世一代の投球をさせると、2日後には6.0回/9奪三振/2失点と今季3登板目にしてようやくMitch Kellerらしい投球を引き出してで今季初勝利をプレゼントしました。
5球種を操る技巧派左腕のFalterは前回登板でフォーシームを34%しか使いませんでしたが、この日は若い強打者がラインナップに名を連ねるBALに対して78%も投げさせる大胆不敵な配球。
そして、Kellerはカッターを前回の24%から12%と半分に減らし、逆にシンカーを前回の19%から40%と倍増させるなど既存のCとは違う引き出しを持っている様です。ひょっとしたらPITの投手陣に新風をもたらしてくれる存在になるかもしれません。
◆◆ スケジュール&注目選手 ◆◆
4月22日からのMIL戦が8カード目にして今季初の同地区NLC所属チームとの対戦となります。それまでにNLE所属チームと4度(MIA/WSH/PHI/NYM)と・ALE所属チームと2度(BAL/BOS)対戦しているの絶対におかしいですよね。
さて、注目したいのは2年目のHenry Davisです。強肩強打のCとして期待されてSTではAVG .310/OBP .400/SLG .667と文句無しの打撃成績を残したものの、ここまでAVG .156/OBP .293/SLG .219と当たりが止まってしまいました。
Bartのマイナーオプションが切れているだけに、このままの調子だとJason Delayの復帰時に3A級へ降格になる可能性も有りそう。※Delay本人のマイナーオプションも残っている
ただ、今季PITがPS進出争いをするためには(OFではなくCとして)彼の打力が必要不可欠だと思っているので、早いうちにキッカケを掴んで欲しいところです。
【参考文献・関連動画】
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