【PIT】24年ドラフト指名選手【③~⑩】
本日も24年ドラフトでPittsburgh Pirates(PIT)が指名した選手達を紹介していきます。今回は現地7月15日(2日目)の3巡目から10巡目までの8選手です。
◆◆ Round 3 (Overall 83) ◆◆
▶ Josh Hartle (Wake Forest)
高校時代はMLB公式ランキングで48位に選出され、昨季はIP 102.1┃ERA 2.81┃K/BB 5.83とソリッドな活躍も、今季はIP 74.2┃ERA 5.79┃K/BB 3.24とボロボロ。それでも70位にランクインしているのが期待の大きさを物語っています。
ファストボールは最速94mph止まりながら、6'5"/210lbsと立派な体格から制球力が高くスライダー・カッター・チェンジアップを操る左腕。うまくチューンアップ出来ればローテ3-4番手になってくれそう。
◆◆ Round 4 (Overall 112) ◆◆
▶ Eddie Rynders (Wisconsin Lutheran)
1巡目のKonnor Griffin・2巡目のWyatt Sanfordに続き、上位5つの指名権で3人目の高校生SSを指名。こちらは今年に入って大きく評価を上げてMLB公式ランキングで229位に選出された、パワーポテンシャルが評価される左のスラッガー候補。
現在は平均程度の走力を有しているものの、6’2”/195lbsの身体を大きくするに従ってSSからのコンバートは避けられなさそう。強肩を活かして3Bを平均以上に守れる様になってくれれば。
◆◆ Round 5 (Overall 145) ◆◆
▶ Will Taylor (Clemson)
高校時代はMLB公式ランキングで20位に選出され、野球とアメフトの二刀流で活躍していたアスリート。しかし、進学した名門Clemsonで1年時にアメフトのプレー中に右膝の前十字靭帯を断裂してアメフトは2年で断念する事に。
今季はAVG .230/OBP .465/SLG .480と低打率ながら四球と本塁打を大きく増やしていたものの、左手首を骨折して早々とシャットダウン。膝を2度手術してスピードは落ちており、MLB公式ランキングは203位まで後退しています。
◆◆ Round 6 (Overall 174) ◆◆
▶ Matt Ager (UC Santa Barbara)
90mph中盤のファストボールとスライダーが武器の、MLB公式ランキング135位に選出されていた右腕。J.P. MasseyやCarlson Reedなど近年PITがよく指名する、"スペックは高いのに成績が良くないカレッジのリリーバー"ですね。
昨季は先発でIP 92.1/K 115/BB 26/HR 5と良かったものの、今季はIP .62.2/K 59/BB 28/HR 4とボロボロで途中からブルペンに回されています。6'6"/225lbsと体格もガッチリしていますし、十中八九スターターとして起用されるでしょう。
◆◆ Round 7 (Overall 204) ◆◆
▶ Connor Wietgrefe (Minnesota)
昨年までは主にブルペンで起用されていましたが、今年に入りスターターとして飛躍。シーズンでIP 78.0/K 74/BB 26/HR 1を記録すると、Cape Cod LeagueでもIP 11.0/K 12/BB 1/HR 1と好投を続けました。
球速は90mph前半ながらフォーシーム&ツーシームを投げ分け、スイーパー系のスライダーも効果的なボール。カッターかチェンジアップの精度が上がれば、堅実なイニングイーターになれるかも。
◆◆ Round 8 (Overall 234) ◆◆
▶ Gavin Adams (Florida State)
TJ手術を受けた影響で今年は登板の無い右腕。常時90mph後半・最速101mphのファストボールが武器で、IP 26.1/K 44/BB 19という昨年の成績が示す通りのパワーリリーバーですね。
TJ手術を受けてリハビリ中の投手と言えば(タイプは全然違うものの)2年前のHunter Barcoがいて、復帰後は順調にマイナーの階段を上がっているのでAdamsも来季に期待です。
◆◆ Round 9 (Overall 264) ◆◆
▶ Duce Gourson (UCLA)
今季はAVG .288/OBP .427/SLG .482を記録している、体格は6’0”/200lbsとそれほど大きくないもののしっかり振れる左打者。MLB公式ランキングでは158位に選出されています。
SSとしてアナウンスされているものの、今年は全試合に2Bで出場しています。Nick GonzalesやTermarr Johnsonもそうでしたし、チームのポリシーなんですかね?
◆◆ Round 10 (Overall 294) ◆◆
▶ Derek Berg (Army West Point)
11人目にして初のSeniorを指名。MLB公式でもBaseball americaでもランキング圏外ですし、上位指名選手の契約金を捻出するためのアンダースロット要員でしょう。
本職はCながら今季は1B/2Bを、過去には3B/LFを守った経験もあるUT。今季は28試合連続出塁を記録するなど打撃でも活躍しており、53試合で15本塁打含む32長打を放ちAVG .290/OBP .404/SLG .605をマーク。
◆◆ 2日目雑感 ◆◆
初日にあった3つの指名権をすべて有力な高校生に突っ込んだので、2日目はアンダースロット連発で契約金捻出に終始するのかなと思いましたが…8つの指名権でSeniorは1人のみ。
むしろMLB公式のランキングでTOP250に選出されている選手が5人もいます。もちろんランキングが全てではないものの、少なくとも前評判が低くて困る事はありませんよね。
2日目のベストピックを挙げるなら6巡目のMatt Agerでしょうか。寸評で書いたCarlson Reedもそうですし、昨年12巡目指名したKristian Curtisも大学3年時はERA 7.03とボロボロでしたが、今季素晴らしい投球をしています。Agerも彼らに続いてくれるのではないかなと。
これで初日からトータルで11人を指名していますが、内訳は「投手×6・捕手×1・SS×4・OF×1」で割とバランスの良い指名が出来ているのではないでしょうか?他チームとの比較は出来ませんが、ここまでは良いドラフトだと思います。
【参考文献】