【PIT】航海日誌'24【8/16-8/28】
Pittsburgh Pirates(PIT)のシーズンを振り返る“航海日誌”、2024年シーズン分も(今回を含めて)残り3回となります。なんとか今年も完走出来そうです。
それでは前置きなしでさっそく始めましょう。対象になるのは8月16日から28日の4カード/13試合です。
◆◆ 試合結果 ◆◆
最初の2カードはALWの2チームを相手に3勝3敗。TEX戦は1点差で2試合落としており勿体無いですが、敵地でしたしこれはまぁ及第点といったところでしょうか。
問題はCIN戦で3勝1敗と理想的な勝ち方をしたにも関わらず、CHC戦で3連敗したところ。2戦目のJared Jonesは病み上がりなのでともかく、三本柱を立てて本拠地で3連敗はお話になりません。ましてや同地区のCHCですからね。
結局、13試合戦って6勝7敗で負け越しとなりました。シーズン通算では62勝71敗(勝率.466)となっています、昨季が76勝86敗(勝率.469)なのでそれを下回る様なら流石に誰かが責任を取らざるを得ない状況かと。
◆◆ 主な昇降格&移籍 ◆◆
野手ではAndrew McCutchenやKe'Bryan HayesにJoey Bart、投手だとHunter StrattonがIL入り。逆にNick GonzalesとJared Jones・Carmen Mlodzinskiが戦線復帰しました。
プレー中に左膝蓋腱断裂の大怪我を負ったStrattonは60日間IL入りで今季終了。手術で全治7-10カ月なので来季開幕も間に合わないと考えて良さそう。
今季は開幕ロスター入りを果たして36登板でERA 3.58/FIP 3.25を記録。便利屋として2勝・5ホールド・1セーブをあげるなど奮闘していただけに残念ですね。まずはしっかり治して欲しいです。
Billy McKinneyやBrady Feiglの昇格はボーダーライン上の選手の見極めですね。Feiglは33歳243日でデビューした苦労人、昨年のDrew Maggiを彷彿させます。残念ながらデビュー戦で1.2回/6失点でDFAとなりました。
◆◆ WARランキング ◆◆
先日、SSからCFへのコンバートが決まったOneil Cruzがトップに。AVG .375/OBP .436/SLG .542と上々のスラッシュラインです。先発が左腕の時は下位打線に回されますが、(少なくとも最近は)普通に打っているので3番なら3番固定で良いでしょう。
現地8月25日に逆転サヨナラ本塁打のYasmani Grandalは、7試合の出場で3本塁打を放ちAVG .333/OBP .429/SLG .750と打撃で大きく貢献。ただ、翌26日に1試合8盗塁を許しており、フレーミングが良くても守備はもう限界か。
それ以外だと今季はずっと打撃で苦しんでいたJared TrioloがAVG .242/OBP .390/SLG .515、6月以降は成績が落ち続けていたConnor JoeがAVG .286/OBP .423/SLG .667と復調の気配有り。
◆◆ ピックアップ① ◆◆
TDLで加入したJalen Beeksが素晴らしい投球を続けています。COLでは45登板でERA 4.74/FIP 4.37でしたが、PITでは(8月28日終了時点で)14登板してERA 1.80/FIP 2.47と大幅に改善。
本拠地が打者天国のCoors FieldからPNC Parkに変わったというのも大きいかとは思いますが、Aroldis Chapman以外がピリッとしない後半のブルペン陣をしっかりと支えています。
正直なところ、加入時は「とりあえず頭数増やしてみました」くらいの補強だと捉えていたんですけどね。今オフFAの半年レンタルですが是非ともエクステンションして欲しいところ。
対価としてCOLへ放出したLuis Peralta(MILのFreddyの弟)も先日念願のMLBデビューを果たしましたし、お互いにとって実りあるトレードになりそうです。
◆◆ ピックアップ② ◆◆
昨オフにNYYとマイナー契約を結んだ後に(余っていた)International bonus pool moneyとのトレードで獲得したBilly McKinneyが、遂に今季初昇格を果たしました。3A級でAVG .295/OBP .396/SLG .450とまずまずの成績。
彼は19年にTORで二桁本塁打を放ち、21年には3チームで計116試合に出場したものの、なかなかMLB定着しきれていない元TOP100プロスペクトです。18年のデビューして以降はNYY→TOR→MIL→NYM→LAD→OAK→NYY→PITと渡り歩いています。
8月28日終了時点で22打席立ってAVG .263/OBP .364/SLG .316と悪くない(すごく良くもない)スタートを切りました。ここまで長打は二塁打1本しか出ていませんが、例年よりも積極的にスイングする代わりに空振りも増えているのが気になるところ。まだサンプル数が少ないので様子見ですが、アプローチを変えているのかもしれませんね。
既にLF/CF/RFの3ポジションに就いていますが、同じ左打ちのRowdy Tellezが今オフFAになりますから1Bを守れる事もアピールポイントになります。閉幕までにどれだけアピール出来るでしょうか。
◆◆ スケジュール&注目選手 ◆◆
さて、更新が遅れてしまったせいで既にCLEとの3連戦が終わってしまいましたが…今回キーマンとして挙げるのは8月26日に再昇格を果たした21年ドラフト全体1位指名のHenry Davisです。
現在のチームで最も深刻な問題は「量も質も足りない打線」です。もちろんオフに補強を施すでしょうが、PITの予算でバリバリのスラッガーを連れて来れるとは思いません。
となれば、現在保有している選手で開花した時に最も収穫が多いのが彼にはやって貰わないと困ります。3A級では57試合に出場してAVG .307/OBP .401/SLG .555と無双しているので、あとはMLBでのアジャストだけ。
現在の本職であるCに留まれるのか、それとも打力を活かして1BやRFへ回るのかは未だ不透明ですが、今季中にキッカケを掴んで欲しいです。来季こそは「2番Reynolds 3番Cruz 4番Davis」の中軸を見せて欲しい。
【参考文献・関連動画】