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【PIT】Carlos Santanaと契約

現地11月25日、Pittsburgh Pirates(PIT)がCarlos Santanaと契約する事が分かりました。10年にCLEでMLBデビュー(当時は捕手)を果たして以来、中軸として活躍している36歳のベテランのパワーバット。

14年と18年の日米野球、そしてIchiroが引退した19年の日本開幕戦でも来日している日本のファンにも比較的馴染みがあるプレーヤーではないでしょうか?

今季はAVG .202/OBP .316/SLG .376と不本意な数字でしたが、それでもGMのBen Cheringtonは近年のPITでは(エクステンション組を除き)類を見ない1yr/$6.725Mを与えました。

彼は通算でAVG .242/OBP .359/SLG .482というスラッシュラインが示す通り、打率は低いものの四球と長打を積み重ねて貢献するタイプです。

直近3シーズンは極端なシフトの影響もあって打率.200前後に沈んでいますが、来季からMLBではシフトが制限されますし、xOBPは(MLB全体で)上位7%に入るなどStatcast系の成績はトップクラス。

新ルールがどれだけ影響を与えるか未知数ですが、バウンスバックして額面通りの活躍をしてくれる可能性は高いと思われます。

Santanaは現在のロスターに足りない要素をいくつも持っている理想的な選手です。まずは(捕手と並んで)補強必須のポジションであった1Bの選手である事。

既に獲得しているJi-Man ChoiLewin Diazはどちらも左打者で、左腕に対してはあまり起用されていません。彼らと1B/DHをシェアする右打者は喉から手が出るほど欲しかったです。※Santanaは両打ち

今季はYoshi TsutsugoMichael Chavisを筆頭に多くの選手を起用したものの、結果的に攻守共に大きなマイナスを垂れ流しました。

それが右腕に対してwRC+ 116のChoiと、左腕に対してwRC+ 134のSantanaというコンテンダーレベルのプラトーンになったのは大きなアップグレードですよ。

また、SantanaはDRS +4/UZR +2.1/OAA +3と1B守備でも各指標でプラスを記録していますが、ChoiとDiazも守備に定評がある選手です。

来季は若く長打力が魅力のRodolfo CastroOneil Cruzが2B/SSを組む予定。どちらも若く長打を打てるのが魅力ではあるものの、どちらも守備に不安があります。

このオフに守備を磨いてくれる事を期待してはいますが、CruzはDRS +1/UZR -7.5/OAA -9・CastroはDRS -2/UZR -2.0/OAA -3という具合なので、ひと冬で劇的に改善するとも思えませんからね。

来季に関しては、1Bを守備の良い選手で固めてカバーする方針なのでしょう。MLB全体トップのDRS +24を記録しながらGGを逃したKe'Bryan Hayesにとっても朗報です。

そして、何よりも若い選手が多いPITにとって大きいのは、彼がクラブハウスのリーダーとして非常に高い評価を受けている事です。

数年前には試合中にクラブハウスでTVゲームをしていたチームメイトを見つけ「プロフェッショナルじゃない」とバットでTVを破壊したエピソードが有名ですね。

昨年途中までPITに在籍・(SDを経て)今季はSEAで彼と共にプレーしたAdam Frazierも、現地メディアに彼の人間性を絶賛するコメントを出しています。

過去に投稿したnoteで何度か書いていますが、今季はTDLでJose Quintanaらベテランを放出して以降、チーム状況が明らかに悪くなりました。

野手だとCruzやCastro・投手だとRoansy ContrerasLuis Ortizといった、今季飛躍した若手選手と同じドミニカ共和国出身ですし、メンターとして期待大です。

という事で、グラウンドでもクラブハウスでも多大な貢献をしてくれるSantanaの加入は、2年連続で100敗を喫しているPITにとって素晴らしい補強となるでしょう。

しかし、それよりも彼を補強したという事実の方が重要だと思います。他チームから踏みつけられる、所謂“ドアマット”期はこれで終了という事です。

まだ11月でウィンターミーティングも始まっていませんから、こうなると更なる補強も期待してしまいますね。

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