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【PIT】24年ドラフト全体9位は誰に?
今年もドラフトが近づいてきました。2021年からはオールスター期間中に有観客で開催されており、今年は現地7月14日からスタート。初日は1巡目と2巡目の指名を行い、2日目と3日目はホームランダービーやオールスターゲームに隠れてひっそり行われます。
我らがPittsburgh Pirates(PIT)は昨冬のロッタリーの結果、全体9位の指名権を得ています。初日はそれに加えてCompetitive Balance Round A(戦力均衡ラウンドA)で全体37位、2巡目で全体47位と3選手を指名する予定。
全体37位や全体47位に誰が残っているかなど分かるはずもないので、今回お話するのは「全体9位について」です。とはいっても、私見を語れるほどドラフトに詳しくないので、現地の記事を参考にします。
まずは大手サイトが6月後半に更新したMock Draftをチェックしてみました。各媒体の予想選手と、そこに載っている寸評の要約をまとめました。ところどころ口語訳しているので、正しくはそれぞれのリンクから飛んで原文を読んでくださいね。
※この記事は6月29日時点で最新版だったmockです。7月に入り新しいver.を投稿している媒体もチラホラありますが、書き直すのが面倒 それほど変わり映えしなかった為そのままにしています。
【MLB.com】
▶ James Tibbs (Florida State)
CWSに次いでConnor Griffinを評価するチーム。上位8人が順当に指名されれば、アンダースロットでTibbsやChristian Moore狙いか。Nick Kurtzも有り得る。
【Bleacher Report】
▶ James Tibbs (Florida State)
早期昇格が望めそうな洗練された打者は、再建期が終わりこれからコンテンド期に移行するPITにフィットする。ここで契約金を抑えられれば、チームはドラフト1日目に全体37位と全体47位の指名権も持っている。
【USA TODAY】
▶ Konnor Griffin (Jackson Prep)
MLBでもセンターラインに留まれる、傑出したスピードを誇る逸材。Gatorade National Player of the Year(要は高校MVP)を受賞し、名門LSUへの進学が内定している。
【The Athletic】
▶ James Tibbs (Florida State)
Trey YesavageとBraden Montgomeryの故障を受け、PITはTibbsやRyan Waldschmidtら契約金を抑えられる第2グループに手を伸ばすかもしれない。
【CBS Sports】
▶ Braden Montgory (Texas A$M)
Montgomeryは6月に今季絶望の大怪我を負った。依然として評価は高いもののPITまで残る可能性が高くなった。契約金も低くなる可能性もあり、浮いた分を全体37位に回せるかもしれない。
【ESPN】
▶ James Tibbs (Florida State)
チームによってはNick KurtzやBraden Montgomery、Christian MooreやRyan WaldschmidtよりもパワーバットとしてTibbsを高評価している。Cam CaminitiもチェックしているがTibbsなど大学生を指名する方針だと思われる。Dax Whitneyも1日目に指名候補。
They call him MR TIBBS
— FSU Baseball (@FSUBaseball) May 4, 2024
439' feet on the re-start!
B3 | NCST 6, FSU 4 pic.twitter.com/OyM9SzJaIG
Ags strike first 💥#GigEm x @B_mont_ pic.twitter.com/GbPreCwD1M
— Texas A&M Baseball (@AggieBaseball) May 18, 2024
Konnor Griffin smokes an RBI triple 🏃♂️ pic.twitter.com/U3UvsGyE7J
— USA Baseball 18U (@USABaseball18U) August 29, 2023
という事で、6つの媒体のうち4つがMLB公式ランキングで12位に選出されているJames Tibbsを予想しています。今季66試合で28本塁打を放ちつつ58四球を選び、AVG .363/OBP .488/SLG .777を記録する左打者。ネックなのは走力が平均未満でポジションがLF/1Bに限定されそうな点でしょう。
ただし、どの媒体も「本命」というよりは「第2グループのトップ評価」というニュアンスですよね。要は「順当に上から8人獲られて9番目を拾うなら、12番目以降を安く確保しよう」という事です。
21年ドラフトでHenry Davisを全体1位指名してアンダースロットで契約してから毎年言われています…が、蓋を開けてみれば22年Termarr Johnson・23年Paul Skenesと正攻法の指名しています。
そうなると、やはり気になるのは公式ランキング8位のBraden Montgomeryと同9位のKonnor Griffinの2人。彼らはどちらかといえばフロアー寄りのTibbsとは異なり、ハイシーリングな野手ですね。
Montgomeryは今季61試合で27本塁打を放ち、AVG .322/OBP .454/SLG .733を記録しているスイッチヒッター。投手として96mphを計測する強肩を活かしてRF守備も魅力ですが、前述の通り今季絶望の大怪我を負っています。
6’4”/215lbsと高校生離れした立派な体格のGriffinは、投手として96mphを計測する強肩と30盗塁も可能とされる俊足が武器のアスレチックなSS。打撃は改善の余地ありも素材は一級品です。
(もし残っているなら)どちらも非常に魅力的な選択肢ではありますが、Bleacher Reportで言及されている通り「PITが既にコンテンド期へと移行している」というのがポイントになるでしょう。
投手ではMitch Keller・野手ではKe'Bryan HayesとBryan Reynoldsとエクステンションを結んでいるものの、Paul Skenesはエクステンション出来るとは思えませんから、1-2年の保有権を残してトレードするのが既定路線。
このままいけば正SSのOneil Cruzも28年オフFAですし、勝負をかけるのはおそらく25-28年の4シーズンです。となると、今年全休の大怪我を負ったMontgomeryや高校生のGriffinはMLB昇格が読みにくいのでネックになりそう。
その点で打撃の完成度が高いTibbsはNolan Schanuel(LAA)並のスピード…は無理にしてもマイナーの階段をトントン拍子で駆け上がりそうで、25年後半から26年前半にデビューしてくれるなら理想的と言えますよね。
それに昨季・今季で上位のプロスペクトが軒並みMLBデビューした事で、マイナー組織がかなり貧弱になっています。Tibbsがアンダースロットで契約出来るなら、浮いた契約金で有望な高校生などを指名出来るのも悪くありません。
そんな訳で結論としては「個人的に好みなのはアスリート型のBraden MontgomeryかKonnor Griffinだが、諸々のチーム事情にフィットするのはJames Tibbs」でしょうか。まぁ、誰が指名されても応援するんですけどね(酷いまとめ)
【参考文献】