【PIT】航海日誌'24【4/26-5/12】
さて、今日もPittsburgh Pirates(PIT)の今シーズンを振り返っていきます。前回の最後で「5月8日のLAA戦まで」と書きましたが、Paul Skenesの昇格を受けて(速報記事を投稿する為)急遽1カード追加する事にしました。
期間が長くなった分、普段は2つのピックアップを3つに増やしました。尚、いつも通り日付は現地時間で記載しています。
◆◆ 試合結果 ◆◆
前回分で大きく負け越して13勝13敗と勝率.500に逆戻り。またここから仕切り直して貯金を積み重ねていきたいところでしたが、ベイエリア遠征で1勝5敗と大きく負け越し。
ホームに戻っても調子は上がらず、現在勝率.300前後を漂うCOLにギリギリ勝ち越せただけでその後2カードは負け越しました。結局、5カード/15試合で5勝10敗という結果に。
前回から引き続いて打線が全く機能せず、時おり出るHRでしか得点出来ないのが厳しすぎます。該当期間のチーム打撃成績はAVG .196/OBP .271/SLG .324で、wRC+ 69はCINに次ぐワースト2位。
そんな中でベストゲームは5月6日のLAA戦。Edward Olivaresの満塁弾で先制すると、今季ピリッとしなかったMitch KellerがソロHRを浴びたのみの1失点完投勝利を挙げました。流石は投手陣のリーダーですね。
◆◆ 主な昇降格&移籍 ◆◆
マイナー契約で加入しながら開幕一軍を勝ち取ったRyder Ryanですが、4月26日に今月2度目のマイナー降格となりました。シンカー&スライダーを武器にIP 12.0/ERA 3.00/FIP 2.48と結果を残していますが…
ブルペンでマイナーオプション持ちの投手が少ないので割を食っている形ですね、少し可哀想ではありますがこればかりは仕方ありません。少し前まではオプション行使し放題でしたが、現在は年間5回までと制限があるので切れるまでは我慢です。
5月10日にマイナーオプションされたAlika Williamsが11日に再登録されたのは“IL入りに伴う代替選手”の為。本来なら野手は再登録するまで10日間(投手と二刀流は15日間)空ける必要があります。
◆◆ WARランキング ◆◆
チームで数少ない光明は、開幕から低調だったOneil Cruzの打撃が上向いている事。14試合で4HRを放ちAVG .313/OBP .340/SLG .625を記録しました。
開幕から好調のConnor Joeも相変わらず良いですね。こちらは13試合で3HRを放ちAVG .292/OBP .333/SLG .563。ただ、wRC+が平均の100を超えたのは上記の2人だけ。
投手陣ではスターターの2人も安定して試合を作ってくれていますが、マイナー契約ながら開幕ロスター入りを掴み41試合のうち18試合で登板しているHunter Strattonの活躍も見逃せません。
カッター・ファストボール・スライダーをどんどんゾーンに投げ込む投球スタイルで、ここまでIP 19.1/K 20/BB 2/HR 2と良い投球を続けています。勝ちパターン組が安定しない中でブルペンのMVPは間違いなく彼。
◆◆ ピックアップ① ◆◆
3月29日にPITはTJ手術からの復帰を目指すJT Brubakerにinternational bonus money($550K)を添えてNYYへ放出していましたが、PTBNLとされていた対価が20歳のKeiner Delgadoに決まり4月30日に発表されました。
彼は21年のINFAで契約した5'7"/145lbsと小柄なベネズエランで、MLB公式のプロスペクトランキングではNYY傘下20位(PIT傘下24位)と高い評価を受けています。Rule 5 Eligibleになるのは25年オフと遠いのも嬉しいです。
22年にDSLでマイナーデビューすると、昨季はFCLで49試合に出場してAVG .293/OBP .414/SLG .485をマーク。それに加えてBB/K 1.16とアプローチも良く、走っては36盗塁を成功させています。
Jared Jones&Quinn Priesterが好投したり、Paul Skenesが3A級で支配的な投球を続けている事を考えれば、まだリハビリ中で実質1.5シーズン保有のBrubakerは余剰戦力に近い存在でした。
昨年のTDLでJi-Man Choi&Rich Hillの対価でSDから獲得したEstuar Suero、Carlos Santanaの対価でMILから獲得したJhonny Severinoといい、ここから伸びそうなマイナー低層の野手プロスペクトを補充出来たのは良い動きですね。
◆◆ ピックアップ② ◆◆
5月10日に20年ドラフト全体7位指名のNick Gonzalesが今季初昇格を果たしました。彼は昨季MLBデビューを果たし35試合に出場し、AVG .209/OBP .268/SLG .348と低打率ながらまずまずの長打力をアピールした24歳。
今季は3A級でAVG .358/OBP .431/SLG .608と開幕から打ちまくっています。昨季までマイナー通算で27.4と多めだったK%が、今季は17.5と劇的に改善しているのも頼もしいですね。
彼の昇格直後にIL入りしたKe'Bryan HayesがIL入りした事もあり、2Bで積極起用される事になるでしょう。守備で大きなプラスを生む選手ではないので、とにかく打ち続ける事ですね。
◆◆ ピックアップ③ ◆◆
5月10日にかつて16年ドラフトでOAKから全体37位指名を受け、21年にはMLB公式のプロスペクトランキングで傘下4位に選出されていた現在28歳のDaulton Jefferiesをトレードで獲得しました。93mph前後のシンカーとチェンジアップを制球良く投げる右腕ですね、
20年にMLBデビューを果たして22年までに14登板するもIP 56.1/ERA 5.75と結果を残せないまま、22年6月に胸郭出口症候群の手術を、9月には(2度目の)TJ手術を受けて23年は全休。
今季はマイナー契約したSFで5月にチャンスを掴むも2登板でIP 4.2/ERA 17.36と打ち込まれてDFAされていますが、3A級では打者有利なPCLでIP 18.1/ERA 3.44と復帰後の状態は悪くなさそうなのが決め手だったんでしょうか。
個人的には未知数の彼よりも数日後にDFAしたRoansy Contrerasの方が、現状ロングリリーフで使えている分良いと思うんですが…まぁ、フロントが同程度の評価をしているのならマイナーオプションの残っている方を優先で良いかと。
◆◆ スケジュール&注目選手 ◆◆
注目選手はバットが湿っている主砲のBryan Reynoldsで決まり…だったんですが、投稿日(現地5月13日)に5打数5安打(2二塁打&1本塁打)で成績を爆上げしたので外しましょう。
期待したいのは今季2Bで開幕スタメンに抜擢されたJared Trioloです。ここまで守備ではDRS +6/UZR +2.2と非常に優秀なものの、打撃はAVG .201/OBP .292/SLG .239。
3A級で好調を維持しているJi-Hwan Baeと入れ替えも近いかと思いましたが、Ke'Bryan HayesがIL入りした事で本職の3Bが空きました。これを活かさなくてはいけません。
ここを踏ん張ればMLB定着が見えてきます。前述のNick Gonzalesとは逆で、守備で充分プラスを作れているだけに打撃をどれだけリーグ平均近くまで持っていけるかですね。
【参考文献・関連動画】
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