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【PIT】ロスター確認とRule 5 Draft
ポストシーズンも佳境ですが、今回からPittsburgh Pirates(PIT)のオフの動きについて書いていこうと思います。第1弾のテーマは「ロスター整理とRule 5 Draft対策」です。
FAやトレードなど補強の話をする前に、まず現在のロスター(40人枠)を確認するところから始める事にしましょう。そうなると外せないのがRule 5 Draftの話題ですね。
年に1回なので改めて説明しておくと、Rule 5 Draftの対象となるのは「18歳以下で契約して5シーズンが経過」もしくは「19歳以上で契約して4シーズンが経過」した40人枠に入っていない選手達です。
流失させたくない選手はあらかじめ40人枠に入れて守らなくてはいけません。それでは、今年のPITでRule 5 Draftの対象になる主な選手達を一覧にしたので見てみましょう。
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とりあえずそれらしい名前をリストアップしてみましたが…率直に言いますと例年よりも遥かに魅力の無いリストになっています。シーズン終盤にKyle NicolasやHunter Strattonといった有力候補をMLBデビューさせましたからね。
この中だと下記の7選手が現在、MLB公式のプロスペクトランキングでPIT傘下30位圏内に入っています。
[12位] Braxton Ashcraft
[14位] Dariel Lopez
[18位] Tsung-Che Cheng
[20位] Matt Gorski
[23位] Malcom Nunez
[27位] Jase Bowen
[30位] Enmanuel Terrero
昨年だと現SFのBlake Sabolが「公式のランキングには入っていないけど間違いなく指名されるでしょう」という雰囲気でしたが、今年はそういう選手も特に見当たりません。
21歳のDariel Lopezは右膝の脱臼で今季全休していますし、同じく21歳のEnmanuel TerreroはまだA級で成績も傑出している訳じゃないのでまず指名は無いと思われます。という事でまともな候補は5人です。
※各選手の名前をクリックするとbaseball-referenceに飛びます
▶ BRAXTON ASHCRAFT
18年に2巡目で指名された24歳の長身右腕。19年に(利き腕ではない)左肩の手術・21年に右肘のTJ手術を受けるなど遠回りしたものの、リハビリの成果で平均球速が95mphに伸びて以前から懸念されていた出力不足が解消しています。復帰直後ということで最長4.0回とイニング制限はありましたが、2A級でも結果を残せたのは大きいですね。
▶ TSUNG-CHE CHENG
19年に$380Kで契約して以来順調にマイナーの階段を上がり、今春はWBC台湾代表に選出されている小柄なSS。スピードとコンタクトに優れた左打者ですが、今季は13HRとパワーを発揮しました。2Bでのプレータイムも徐々に増やしており、順調なら23歳になる来夏あたりにUTとしてMLB昇格は果たせるかも?
▶ MATT GORSKI
昨年も有力候補と言われながら、三振の多さがネックになったのか指名漏れ。25歳になった今季はそこから数字を落としたものの、2年連続で20HR/20盗塁を達成。CFに加えて1B/LF/RFも守れる汎用性(離脱者続出で2Bを守った試合も)があるのでダメ元でどこか手を挙げるかも?
▶ MALCOM NUNEZ
昨年のTDLでJohan Oviedoと共にSTLから加入。昨季は21歳ながら主に2A級で23HRを放ちましたが、今季は3A級で壁にぶち当たり7HR止まり。まだ22歳と若く打撃ポテンシャルは充分も、実質1B専門なのでまず指名は無いでしょう。
▶ JASE BOWEN
19年ドラフトで11巡目指名されると21年から3年連続で10HR/15盗塁以上、今季はA+級と2A級で合計23HR/26盗塁を記録した23歳のUT。今季はCF中心に1B/LF/RFで出場も、昨季までは2B/3Bも守りました。現在行われているAFLでもOPS1.000超と活躍中。
僕が選ぶのであれば、Braxton AshcraftとTsung-Che Chengの2人。あとはJase Bowenが迷うかなというくらい。多くても3枠空ければ問題無いと思います。
ただ、彼らにしても昨年のEndy RodriguezやMike Burrowsとは違って絶対に守らなければいけない存在ではありません。トレードの弾で使えるなら積極的に使って構わないでしょう。
さて、ここからが本題です。まずは現在の40人枠を見てみましょう。
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現在は60日間ILの関係で40人枠に47人の名前があります。40人に戻すため7人削り、Rule 5 Draftのために3人削るので合計10人をロスターから外す必要があります。
●Jarlin Garcia
●Vince Velasquez
●Andrew McCutchen
ひとまず上記3人は今オフFAとなるので自動的に外れますね。GarciaとVelasquezはどちらも大怪我なので再契約も無いでしょう。McCutchenは99.9%再契約しますが、とりあえず外しておきます。
●Thomas Hatch
●Vinny Capra
●Miguel Andujar
この3人も40人枠は外されるはず。早いものでAndujarは調停3回目ですね、予想サラリーは$2.2Mなので高い訳ではありませんがキープする意味もそれほど無いので。他から声がかからなければ全員招待選手としてオファーする可能性はありそう。
さて、問題は残り4人です。ひとまず当落線上にいそうな選手を挙げると…
●Cody Bolton
●Yerry De Los Santos
●Andre Jackson
●Max Kranick
●Alfonso Rivas
●Alika Williams
●Canaan Smith-Njigba
このラインでしょうか。どちらにせよこのオフもFAなどで選手を獲得する度に枠空けが必要になるので、この中から4人といわずまとめて入れ替えになるのではないでしょうか?
Rule 5 Draftのプロスペクト達でも同じ事を書きましたが、ロスター整理前にこの辺の選手をトレードの弾に出来そうならガンガン動かして良いと思います。
はい、という訳で今回はロスター整理について書きました。次回は「ペイロール」と「トレード候補」について書こうかなと思っています、目標はワールドシリーズが終わるまでです。
【参考文献】