【PIT】2024年オフ補強展望【RP】
前回に引き続き、今回もこのオフのPittsburgh Pirates(PIT)の補強ポイントについてポジション別で書いていこうと思います。第2弾となる今回はリリーバー編です。
他のポジションに比べれば安価なのでスモールマーケットチームであるPITでも手の届く候補が多く、選考にやや難儀しましたね。ちなみに、1週間前に投稿した第1弾のスターター編はこちら。
◆◆ リリーバー ◆◆
▶ 現ロスター
鍵を握るのはクローザーのDavid Bednar。ERA 2.00/FIP 2.53でリーグ最多(タイ)の39SVを挙げた昨季から一転、今季はERA 5.77/FIP 4.80と最後の最後まで調子が上がりませんでした。
とはいえ、球速は遅くなるどころかむしろ速くなっていますし勤続疲労とは違うのかなと。リリーバーが単年成績が落ち込むのはそこまで珍しくないのである程度戻してくれると高を括ってはいます。
とはいえ、チーム最多68登板のAroldis ChapmanがFAとなり、セットアップのColin Holdermanは後半に失速し、逆に後半フル回転したDennis Santanaも(昨季のRobert Stephensonの例もあって)どこまで信用して良いか…
今年3月にTJ手術を受けたDauri Moretaは初夏(6月頃)の復帰予定で、今年8月末に膝蓋腱断裂の修復手術を受けたHunter Strattonはそれ以上かかるでしょう。Kyle NicolasやCarmen Mlodzinski・Joey Wentzら若手達にそれぞれ見どころはありますがテコ入れは必須。
問題はペイロールの使い方で、Aroldis Chapmanと1yr/$10.5Mで契約した今季と同様に質重視で「大物投手に集中投資」するのか、それとも量重視で「中堅どころの複数投手に分散投資」するのか。
▶ トレード候補
トレードで頻繁に名前が挙がるRyan Helsley(STL)やDevin Williams(MIL)は除外しました。そもそもの要求が高いはずですし、どちらも同地区チームなので間違いなく足元を見られるはずなので。
最も無難なのは今季38SVを挙げたKyle Finneganでしょうか。来季サラリー予想は$8.6Mとそこそこお高めで、まだWSHがコンテンドしないなら来オフFAですし放出候補になりそう。
再建が続くCOLからもTyler KinleyとJustin Lawrenceの2人をリストアップ。どちらも今季の防御率は6点台ですが、ご存じの通り本拠地Coors Fieldが打者天国ですから同情の余地はあります。
空振りが取れるKinleyは来季が$4.0M・再来年がクラブオプションで$5.0Mと2シーズン保有、ゴロを打たせるLawrenceは今オフから調停スタートで28年オフまで4シーズン保有出来ますね。
来季サラリーが$14.0MのRyan Presslyもギリギリ候補に入るでしょうか?直近2シーズンはパフォーマンスがやや落ち気味も、良い時期を知っているBrent Strom(21年までHOUで投手コーチ)が加入したのでゼロではなさそう。
▶ 集中投資系FA候補
最も収まりが良いのはAroldis Chapmanとの契約延長でしょう。今季開幕直後は制球を乱したもののシーズン中に修正しており、球速も相変わらずMLB最速クラスを維持しています。
トラブルメーカーというイメージもありますが(少なくとも表立って)チームケミストリーを乱す様な行動はありませんでしたし、多少のディスカウントに応じてくれるなら再契約も有り。
Chapmanの代わりを探すとなると、David Robertsonが現在39歳・Kirby YatesとKenley Jansenが共に37歳ながら素晴らしい結果を残しています。それなりにお高いでしょうが、単年ないしは2年契約で済みそう。
逆に今季は登板数こそやや少なめですが、ERA 2.45/FIP 3.24とキャリアベストの内容だったCarlos Estevezは3年契約が必要になりそうですが年平均のサラリーは抑えられそう?年齢は来月の誕生日で32歳になります。
▶ 分散投資系FA(右腕)候補
基本的には空振りを取れる投手を選出しましたが、唯一奪三振数が投球回を下回っているのがAndrew Kittredge。17年にMLBデビューして以来TBで投げてきましたが、今季STLへ移籍してキャリアベストの74登板でERA 2.80/FIP 3.96とフル回転しています。
継続性という意味では、共に4年連続60登板を継続しているScott BarlowとAdam Ottavinoが特筆もの。ただ、21年と比較してどちらも3.0mph近く球速が落ちているのは気になります。
来季での現役引退を表明しているChris Martinも今季はBOSで2度のIL入りがあったものの、ERA 3.45/FIP 2.78とまだまだ一線級の成績で依然として魅力的なリリーバー。
この中だと今季まで6yrs/$26.25Mの契約を結んでいた30歳のJose Leclercが気になります。今季はERA 4.32/FIP 3.48とやや失点は多かったものの、66.2回で89個の三振を奪っておりstatcast系の数字も概ね優秀。
▶ 分散投資系FA(左腕)候補
素人考えでは「抑える能力があるなら右でも左でも関係ないし、ブルペン全員右でも別に良いのでは?」なんて思っていますが、実際にそんな思い切った編成をするチームはほぼありません。
このオフはFAでAroldis ChapmanだけでなくJalen BeeksとRyan Boruckiも退団しており、リリーフ左腕はロスターのボーダーライン上でいるJoey Wentzしかいないので少なくとも1人は加えるのでは?
リストアップしたのはいずれも出力はそれほど高くないものの、シーズン65登板以上をこなした経験のある投手達。そのうち(Fergusonを除く)4人が35歳前後のベテランですね。
個人的には縦に大きな落ちるナックルカーブが目を引く、与四球が少ないDanny Coulombeを推したいところ。今季はBALで故障に泣いたのでそこまで高騰しなさそうですし。
22年途中にTJ手術のリハビリから復帰してからは登板数にバラつきこそあるものの、4年連続でFIPが3点台と実力者のCaleb Fergusonもまだ28歳と若いので魅力的。
《情報ソース》