【PIT】航海日誌'24【4/11-4/25】
日本はゴールデンウィークに突入しました、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?ぼくの住む北海道は少し前にようやく桜の開花宣言がされましてね。
ようやく春らしい過ごしやすい陽気になってきましたよ、この時期は毎年「365日ずっと春なら良いのに」と思っています。
さて、柄にもなく季節にまつわる雑談から始めましたが、今回もPittsburgh Pirates(PIT)のシーズンを振り返っていきましょう。今回は現地時間の4月11日から4月25日に行われた4カード/14試合についてです。
◆◆ 試合結果 ◆◆
開幕から最初の12試合で9勝3敗と大きく勝ち越しす事に成功したものの、続く14試合は4勝10敗と一転して大ブレーキ。あっという間に貯金を使い果たしてしまいました。
原因はハッキリしており「打線が急速冷凍された事」です。前回は12試合のうち8試合で5得点以上を挙げていたものの、今回は14試合のうち10試合が3得点以内。特に6連敗中は過半数が1得点のみ、流石にこれでは勝てませんよね。
まぁ、ロケットスタートを切った昨季を思い返すと26試合終了時点で18勝8敗と素晴らしい成績だった訳ですが…40試合終了時には21勝19敗になっていましたから。まだ130試合以上残っているので焦らず行きましょう。
◆◆ 主な昇降格&移籍 ◆◆
昨季のセットアップで今季は7回を任される予定だったColin Holdermanがようやく合流しています。彼はST期間にインフルエンザに罹り入院、体重が7kg近く落ちた事で開幕をILで迎えていました。
復帰後は7登板してERA 1.59/FIP 3.85とまずまずのスタート。シンカーの平均球速96.1mphは昨季(97.9mph)に比べると物足りないものの、決め球のスイーパーを増やしてうまく対応しています。
逆に開幕から3先発で2度のQSを達成していたMarco Gonzalesが15日間IL入りしました。左の前腕という昨季も故障した箇所なので心配したものの、ひとまず手術の必要は無さそうでひと安心。
また、昨オフにマイナー契約で獲得したSergio Alcantaraは3A級でAVG .182/OBP .357/SLG .212とイマイチなものの金銭トレードが成立しました。まだ27歳と若いですが、AZに在籍するのはこれで5度目(!)となる様です。
◆◆ WARランキング ◆◆
主力組の数字がなかなか上がって来ない中、ローテ最後の5枠目に滑り込んだBailey Falterや途中加入のJoey Bart、ルーキーのJared Jonesなど思わぬ顔触れが活躍しています。
その中でも意外だったのが初めて開幕ロスター入りしたAlika Williamsです。彼は昨季途中にRobert Stephensonの対価としてTBから加入し、その後にPITでMLBデビューを果たした2年目の25歳。
ここまではOneil Cruzの休養時にSS、もしくはJared TrioloやKe'Bryan Hayes(Trioloが3B)の休養時に2Bで起用。まだ35打席ながらAVG .323/OBP .364/SLG .484と結果を残しています。
2B中心のUTであればLiover PegueroやNick Gonzalesの方が下馬評が高く、彼が選ばれた理由は「PegueroやGonzalesを3A級で多く打席に立たせるため」という見方が一般的でした。まだ開幕して1カ月程度ではありますが素直に「ごめんなさい」ですね。
◆◆ ピックアップ① ◆◆
ここまで奮闘しているスターター陣ですが、中でもサプライズは移籍2年目のBailey Falterでしょう。誕生日前日の4月24日には7.0回を(ソロHRの)1失点のみに抑え、キャリア初のHQSを達成しています。
昨年のTDLでRodolfo Castroとのトレードで加入したFalterですが昨季は10登板でERA 5.58/FIP 5.78とイマイチ。マイナーオプションが切れて崖っぷちとなった今季も、初登板(3月31日)で4.0回/6失点と結果を残せませんでした。
ターニングポイントとなったのは前回の航海日誌で触れましたが、初めてJoey Bartとバッテリーを組んだ4月6日のBAL戦です。“3月31日”と“4月6日以降”の投球割合を比較すると一目瞭然で、平均91.3mphと決して速くないファストボールを多投しています。
24日はフォーシームで13度も空振りを奪っており、これは(トラッキングシステムが導入された)08年以降チームタイ記録。 ※ちなみに、これまでのチーム最多記録は前日にJared Jonesが作りました。
◆◆ ピックアップ② ◆◆
MLBトップクラスのコンビになると思われた、クローザーのDavid BednarとセットアップのAroldis Chapmanが苦しんでいます。25日終了時点でBednarは9.0回で9失点、Chapmanも8.0回で8失点(自責は6)という惨状。
Bednarに関してはFIP 3.25と内容は悪くなく、トラッキングデータを見てもxwOBA .316は平均程度なので数字ほど悪くはないのではないかと考えられます。 ※26日のSF戦で思いっきりサヨナラ3ラン打たれましたけど
不安なのはChapmanです。Bednarと同じでxwOBA .316は平均程度なものの、FIP 4.52はキャリアワーストレベル。8.0回で16奪三振はお見事ですが、投球回を超える10個の四球を与えています。
Holdermanと同様に開幕をILで迎えた2年目のCarmen Mlodzinskiは既にマイナーで復帰済みも、フォーシームの平均球速が93mphそこそこと明らかに本調子ではありません。というか、彼らの代役を任せられるリリーバーなどMLB全体でもそう多くはいないですよね。
162試合終わってみればそれなりの数字に落ち着いていると思っているので何やかんや楽観視していますが…とはいえ早く接戦リードの試合を安心して観たいので1日も早い復調を願います。
◆◆ スケジュール&注目選手 ◆◆
次回の4カードは全チームが勝率.500未満です。チーム事情がお世辞にも良いとは言えませんが、それでも勝ち越しはノルマでしょう。12試合で8勝4敗で回れれば最高ですね。
注目選手はPittsburghの英雄であるAndrew McCutchen。スタートダッシュは良くなかったものの、通算300HRを放ったあたりから徐々に調子を上げて直近7試合はAVG .238/OBP .333/SLG .524を記録。最近は相手先発の左右に限らず1番DHとして起用されています。
ただ、注目選手に挙げておいておかしな話ではありますが、いつまでも彼に頼っている状態は良くありません。本来なら中軸を担っていなければいけないJack SuwinskiやOneil Cruz、Henry Davisらの奮起に期待しましょう。
【参考文献・関連動画】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?