【PIT】Josh Flemingと契約
前回はPittsburgh Pirates(PIT)がベテランCのYasmani Grandalと契約した事について書きましたが、今回は同じタイミングで契約が公式発表されたJosh Flemingについてです。
彼は17年ドラフトでTBから5巡目(全体139位)指名を受け、短縮シーズンだった20年にMLBデビュー。21年にはチームトップタイとなる10勝を挙げています。
しかし、昨季は肘の故障に苦しみ不本意なシーズンを送って11月に(PHIを経て)ノンテンダーFAに。今季サラリーは$850Kと安価ですし、現在27歳と若く4シーズン保有(27年オフFA)可能なので復調すれば美味しい補強になりそう。
Flemingの魅力は打球管理能力の高さです。平均91.0mphの大きく沈むシンカーを軸にチェンジアップとカーブ、時おりフォーシームを織り交ぜて通算Launch Angleは0.7・通算GB%は59.0%と打球に角度を付けさせません。
まぁ、Gold Glove AwardとFielding Bible AwardをW受賞した3BのKe'Bryan Hayesを除いて守備に不安のある(1B/2Bはそもそもレギュラー不在)PITでゴロを打たせてもアウトになるとは限らないんですけど…
また、TB出身の投手らしくスターターやバルク(オープナーの後に投げる2番手)など様々な経験があるのも大きな強み。昨季も全12登板(3先発)で3.0回以上投げており、救援で6.0回無失点に抑えた試合もあります。
本人はスターター志望の様ですが、まずはロングリリーフで起用される見込み。通算成績を見るとスターターとしてERA 6.10/FIP 5.00・リリーバーとしてERA 3.73/ 4.29ですから順当でしょう。
どうやらPITはFlemingに、20年に約30%投げていたものの年々割合が減り昨季は全く使わなかったカッターを再び投げる様に指示しているそうな。近年のPITは技巧派左腕のチューンナップがうまく行っているので期待。
既にバッテリー組のSTが始まっていますが、GMのBen Cheringtonは未だにローテ補強を模索しています。「19年に18勝を挙げた元NYYの右腕」だとか、「昨季7勝を挙げたMIAの元トッププロスペクト」だとかが報じられていますよね。
現時点で開幕ローテはエースのMitch Kellerと、新加入のMarco Gonzales・Martin Perezが確定。残る先発2枠+ロングリリーフ1枠をRoansy ContrerasとBailey Falter、そしてFlemingが任される事になるでしょう。
※元トッププロスペクトのQuinn PriesterとLuis Ortizの方がこの3人よりも期待値は高いですが、彼らはマイナーオプションが残っているので3A級待機と予想
この投手が加入した事でチームの勝敗予想が上方修正される事は無いでしょうが、シーズン162試合…そして“その先”を考えるとこういう(人聞き悪いですが)雑に使える便利屋は重宝するはず。
成績予測ではSteamerがIP 51.0/ERA 4.27/FIP 4.43・ZiPSがIP 83.7/ERA 4.84/FIP 4.58となっていますが、その中間(IP 70.0/ERA 4.50)あたりでまとめてくれると助かります。チームを下支えする存在となって欲しいですね。
【参考文献】
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