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【PIT】2024年オフ補強展望【SP】
既にLAAを中心にちょこちょことトレードやFAが動いていますが、今回から今オフのPittsburgh Pirates(PIT)の補強について書いていこうと思います。
昨年は全ポジションまとめてサラッと紹介しましたが、今年はポジション別で3-4回に分ける予定でいます。それまでに現実で選手の獲得がないことを祈るばかりですよ。
まず第1弾となる今回はスターター編です。ちなみに、獲得候補として挙げる選手に関しては「チームが狙いそうな選手」のこともあれば「ぼくが欲しい選手」のこともあります。
◆◆ スターター ◆◆
▶ 現ロスター
【Paul Skenes】
G 23┃IP 133.0┃rWAR 5.9┃fWAR 4.3
【Mitch Keller】
G 31┃IP 178.0┃rWAR 2.0┃fWAR 2.2
【Jared Jones】
G 22┃IP 121.2┃rWAR 1.8┃fWAR 1.8
【Luis L. Ortiz】
G 37┃IP 135.2┃rWAR 3.0┃fWAR 1.0
【Bailey Falter】
G 28┃IP 142.1┃rWAR 1.7┃fWAR 1.7
【Johan Oviedo】
G ---┃IP ---┃rWAR ---┃fWAR ---
【Mike Burrows】
G 1┃IP 3.1┃rWAR 0.0┃fWAR -0.1
【Braxton Ashcraft】
G ---┃IP ---┃rWAR ---┃fWAR ---
今季揃って120.0回以上消化した、少なくとも2028年オフまで保有出来る20代の投手が5人揃いました。それに加えて23年に規定投球回をクリアしたJohan Oviedo(27年オフFA)がTJ手術から復帰する予定。
OrtizとFalterはロングリリーフの経験があり、OviedoもSTL時代はブルペンで起用されていたのである程度フレキシブルに動かせますし、来季の事だけを考えるならこの6人で回せるでしょう。しかし、今のPITはMLB readyのプロスペクトが非常に多いです。
【Bubba Chandler】
3A級┃PIT傘下1位┃MLB全体15位
【Braxton Ashcraft】
3A級┃PIT傘下4位┃MLB全体85位
【Thomas Harrington】
3A級┃PIT傘下5位┃MLB全体91位
【Hunter Barco】
2A級┃PIT傘下8位
【Mike Burrows】
MLB┃PIT傘下16位
このあたりは順調なら来季MLBで投げる可能性がありそうですし、コントーラブルなスターターを揃って保有する必要は薄いかなと、特にChandlerは今季のJones並のインパクトを残す可能性が多いですしね。
という事で、今オフは「Falterもしくは(対価によっては)Ortizをトレードで放出した上で、比較的安価な1年契約で確保出来る中堅・ベテランを1人加える」のがベターだと考えます。
ひとまず彼らをバックエンドスターターとして開幕から投げて貰い、徐々に活きの良いプロスペクトに移行。あわよくばレンタル案件としてTDLで転売しようという魂胆です。
▶ トレード候補
【Cal Quantrill】
G 29┃IP 148.1┃rWAR 1.6┃fWAR 0.5
【Chris Paddack】
G 17┃IP 88.1┃rWAR 0.4┃fWAR 1.0
スターター補強をトレードで対処する事はあまり考えていませんが、元トッププロスペクトの2投手をリストアップしました。来季開幕時点でCal Quantrill(現COL)が30歳・Chris Paddack(現MIN)が29歳とまだまだ若いです。
QuantrillがERA 4.98/FIP 5.32で来季サラリー予想が$9.0M・PaddackがERA 4.99/FIP 4.19で来季サラリーが$7.5Mとややお高め。揃って来オフFAになりますから、それほど高くない対価で獲得出来そう。
▶ FA(右腕)候補
【Michael Lorenzen】
G 26┃IP 153.0┃rWAR 2.6┃fWAR 0.7
【Lance Lynn】
G 23┃IP 117.1┃rWAR 0.3┃fWAR 1.3
【Michael Soroka】
G 25┃IP 79.2┃rWAR 0.6┃fWAR 0.4
【Joe Ross】
G 25┃IP 74.0┃rWAR 0.5┃fWAR 0.9
【Spencer Turnbull】
G 17┃IP 54.1┃rWAR 1.2┃fWAR 0.7
$10.0M未満の1年契約で口説けそうなのはこの辺りでしょうか?直近2シーズンで283.1回(平均141.2回)を消化しているMihael Lorenzenと直近4シーズンで合計579.2回(平均145.0回)を消化しているLance Lynnは手堅くイニングを消化してくれるでしょうし、ブルペンでも使えるJoe Rossもチーム事情にフィットしそう。
選んでいる時はあまり意識しませんでしたが、Lorenzenはキャリアの大半をCINで、LynnはSTL・RossはMILで今季プレーしており、NLCにすんなり適応出来そうなのも魅力ですね。
Michael Sorokaは0勝10敗でERA 4.74/FIP 4.95と数字だけ見れば散々ですが、投球回以上の三振を奪っておりハードヒットも少ないので化ける可能性はありそう。まだ27歳ですし。
そして、Spencer Turnbullは稼働率こそ低いものの健康ならなかなかの実力者。ゴロを多く打たせる投手なのでKe'Bryan HayesやJared Triolo・Isiah Kiner-FalefaといったGold Glove Award受賞者がひしめくPIT内野陣をバックに投げれば良化する可能性も?
▶ FA(左腕)候補
【Patrick Corbin】
G 32┃IP 174.2┃rWAR -0.9┃fWAR 1.7
【Cole Irvin】
G 29┃IP 111.0┃rWAR -0.9┃fWAR 0.3
【Matthew Boyd】
G 8┃IP 39.2┃rWAR 0.7┃fWAR 0.9
【Kyle Hart】KBO
G 26┃IP 157.0┃ ※KBO所属
何かとネタにされる事の多かったPatrick Corbinですが、WSHでの6シーズンは5度の規定投球回クリア。残りの1シーズン(22年)も152.2回ですからサラリーさえ安くなればイニングイーターとしては悪くないでしょう。
Cole Irvinは通算BB% 5.9%と与四球の低さが売りの左腕。直近2シーズンはブルペンに回されるなどイマイチも、OAK(現ATH)に所属した21-22年に2年連続で180.0回前後を消化しています。
シーズンは39.2回止まりもPSで11.2回を投げ1失点と好投したMatthew Boydも魅力的な左腕。ただ、DET時代は3年連続(18-20年)で規定投球回をクリアした後は、4シーズン連続で80.0回すら投げられていないのはネック。
最後に、今年はKBOでプレーしたKyle Hartも挙げておきます。26先発で157.0回を消化してERA 2.69/FIP 3.28をマークした左腕です。MLBでは20年にBOSで4登板しか投げておらず、来季開幕時点で32歳ですがお安いなら有り。
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